AIでの曲づくりは作曲と言えるのか?
こんにちは、サハラです。
ここんとこは音楽生成AI【Suno】でつくった曲をアップすることが続いてます。
いやぁ、【Suno】での曲づくりって、ほんと便利で楽しいですよね。
AIでの曲づくりは作曲?
10年ほど前までは、自分が曲をつくるときにはまず楽器に向かったり、DTMソフトを立ち上げてメロディーやリズムとか各パートをコツコツと打ち込んでいったり、1曲出来上がるまでに何時間とか何日間もかけていたものです。
それがこの【Suno】では、なんとなくでも「こんな感じの曲がつくりたいな・・・」ってのをプロンプト化すれば、数秒でも曲がつくれちゃう。
もちろん一発で完璧にイメージどおりとはいかないけれど、何回か試行していくうちに割とイメージに近いものまでたどり着くことができます。
でもやっぱり、こういう技術の進化に対してはこう思う人もいるのです。
「これって作曲してるって言えるの?」
そう聞かれた場合にわたしが思っている返事はこうです。
「これはわたしとAIのコラボレーションです。」
AI以前の曲づくり
10年ほど前、わたしはネットで知り合った作詞家さんや歌い手さんとコラボして歌をつくったりしていました。
わたしから曲を提示して詞をつけてもらうこともあれば、逆に詞が先にあってそれにわたしが曲をつけることも。
そのやり取りのなかではお互いのイメージが食い違っていたりして、最初から上手くいくなんてものはひとつもありませんでした。
何度も調整やすり合わせを繰り返してイメージに近づけてはいくのですが、それでもお互いが自分の主張を曲げられないところが残ったりして、最終的にそういう部分は妥協という形を取らざる負えないときがあったりもしました。
昔の曲づくりはこういう工程に、時間もかかるし、相手にもエネルギーを使わせるのでとても難儀なことでした。
すこし大袈裟な言いかたかもしれませんが、今やってるAIでの曲づくりはこれらの時間や負担はもちろん、完パケに至るところまでもかける手間はゼロに近いところまで進んでいるように実感します。
AIでの曲づくりは「コラボレーション」
そこでわたしは今、このAIでの曲づくりというものを
「人とAIのコラボレーション」
のようなものととらえて楽しんでいます。
やってみた人ならわかると思いますが、【Suno】での曲づくりもはじめからそう簡単にイメージどおりのものが出来るわけではありません。
たまたま上手くマッチングすれば良いですが、ほぼほぼ意図しないものが出来上がることのほうが多いです。
そこで妥協できない人は何回も生成を繰り返してみたり、プロンプトを修正してよりイメージに近づける方法を試行錯誤したりします。
そして最終的に「自分がイメージしてたのはこういう曲だったんだ」というところまできて、はじめて曲をつくった実感が湧いてくるのだと思います。
AIでの曲づくりでは、段違いのスピード感、そして作曲自体はAIが代わって行っているとはいえ、曲が出来上がるまでの工程には以前わたしが作詞家さんや歌い手さんとコラボレーションしていたのと同じような感覚があります。
なのでわたしは【Suno】での曲づくりを
「人とAIのコラボレーション」
として楽しもうと思っています。
結局のところ作曲と言えるのか
現状としては「これからはこういうものも受け入れられるべきだ」という人と、やはり「芸術は人(アーティスト)が苦悩と手間を重ねて完成されるべきだ」という人、両方の意見があって当然だと思います。
わたしも正直なところどっちの意見が正解とは言えませんし、悩ましいところです。
音楽に【完成】というのはありません。
ある曲はそこで完成しても、「次はもっとこうしたい」とか「あそこはもっとこうだったらよかったな・・・」とか、かならずより良い曲づくりへのモチベーションにつながるのです。
曲のつくり方はどう変わっていこうと、それが芸術の普遍に目指すべきところだと思っています。
でもひとつ言えるのは、わたしは【Suno】が自動的に生成した曲については「わたしの作曲」とは言わないでおこうと思います。
作曲したのはあくまでも【Suno】であり、わたしは彼とコラボレーションした共同制作者にすぎないということにしていきたいと思っています。
(※ただし【Suno】には楽器や鼻歌などの原曲(オーディオ)を元に曲を生成できる【Cover Song】という機能もあります。それを使った作曲については作曲者としてのクレジットを入れてもいいのかな?とは思います。)