厚生省の同級生への手紙
前略、
藤崎清道君ごぶさたしています。母上はお元気ですか?
昨日のニュース番組で君の名前と写真を見て驚きました。
もう10年近く前になりますか、西高の同窓会で、「内心忸怩たる思いがある」という君の言葉を聞き、妙に気になり記憶に残っていました。今朝の新聞を見て、83年7月4日の厚生省の「加熱製剤輸入」案のメモは、当時厚生省生物製剤課課長補佐だった君が書いたことを知り、同窓会の君の言葉がすぐに頭に浮かんできました。
高校2年生の頃、我々が卒業したあと尼になり「わたくしは学生運動を悪いことと思っておりません」と当時おっしゃっていた草切先生のもとで、学生運動をしたりフォークソングを歌ったりした、同級生の中心となって活躍していた君の姿を思い出します。民青・中核・革マル・ベ平連・ノンセクト・ノンポリが、同じクラス同じ高校の中で、奇妙に平和に同居していた当時の雰囲気が、今も僕の心の中に「ひとつの理想郷」として残っています。
あの頃の君が、83年7月4日の資料について「記憶がない」と言っている君を見たら、どういう感想を持つでしょうか?あの頃、君の指揮で歌った「友よ」や「若者たち」や「We shall over come」を、また一緒に歌える日が来るのでしょうか?
1996年から99年の間に書いた記事
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