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銀鼠色

今日、生まれて初めての体験をして、半日以上経ったいまなお、そのことを言語化できずにいる。たいていのことは、文字を積み木するみたいな感覚で文章化できるけど、、、できずにいる。その時の描写はできるのだけど、あまりにも表層的過ぎて「やめとけ」と指令が出る。自分の奥から。

いまなお言語化できずにいるその現場で、ぽわん、と好きな色のことを考えていた。目を逸らそうとしてたワケじゃなく、今の時期にしか現われないその色のこと。


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好きな色は?

そう問われたら、藍と応えることが多い。碧やブルーとも。身に着ける色もそんな色が多いけれど。実のところ一番好きな色は「銀鼠色」。

ちょうど今ごろ、山や野原が芽吹く直前の色。グレーでも、薄いピンクでも、白でもない、銀鼠色。新緑のみずみずしい青を内包している一瞬の銀鼠色。わたしの住む海辺の町では、今日、明日、あさってくらいしか見ることのできない希少な色。

そんな銀鼠色を追いながら
北上する旅がしたいと思う
助手席に犬を乗せて。

友の住む八幡平が銀鼠色になるには、まだ一カ月以上かかるだろうから、その時間をゆっくりゆっくり北上する旅をしたい。東北の海岸線を一筆書きするよなルートで。


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