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春の嵐のち、虹かかる。

桜が咲くと、必ず大雨が降る。今年もその例にもれず、ほんの2日前に
「桜、咲く。」と書いた直後すぐに春の嵐がやってきた。

でも、まだまだ庭の山桜は2分咲き3分咲き程度でつぼみは固く、花散らしの雨にならなかったのが幸いだった。


午後の遅い時間に雨は上がり、そののちきれいな虹も出た。まさに、No rain, No rainbow. みたいな1日。

犬散歩に見上げた空が赤く焼けてた。

あぁ、きれいだなぁと見とれていたほんの数秒、瞬く間に銀鼠色の雲に飲み込まれていった。雲に映ったあの眩いほどの茜色は、わたしの胸の中に仕舞われて、毛細血管を走り廻って循環を続け、いつかどこかで再会の時を待つことになるのだろう。

毎日は、ふとした瞬間のカケラの集合体。見えたり、隠れたり、すれ違ったり、手中から落としたり。ずっと走っていたつもりでも、シューズのひもが解けて踏んで転んだり、縛りなおそうとして走りを止めてしゃがんだ頭の上を何かが通り過ぎていったりも、きっとしてるんだろな。それもまたよし。

どちらに進んでも、進んだ方に良きことがあるから。きっと、たぶん。


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