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運転台の取材についてカメラを考えたい

※この記事はfanboxの再掲です

https://saha209kame.fanbox.cc/manage/posts/3421045

阪急電車などを作られているBVE作者、J9様がとてもいい記事を公開されました。

ぼくは音鉄ではないのでサウンドのことは良く分からないのですが(サハが昔作ったデータは主にgalaxy S9で録音しています。意識が低すぎる。)、なるほどなあって感じでございます。

で、運転台取材。これはめちゃくちゃ重要です。住環境などの理由でサウンドは絞ってプレイすることは考えられるので、サウンドをこだわってもなかなか伝わらない場面があります。一方で運転台パネルはプレイするにあたって全プレイヤーが絶対に見る場所でありますから、ここをこだわると一目でバレます。めっちゃ効果あります。いわゆる神作品も、基本的に運転台がイケメンであることが条件の一つでしょう。イケメンになるにはどうすればいいか?悲しいことに現実世界と同様、素材が良くなくてはイケメンにはなれません。

上に紹介したサイトでは取材機材についてその理由も含めて紹介されています。ここでは改めてカメラについてその条件を考えましょう。

【カメラに求められる条件】

・高画質

サイト内でも強調されていることですが、画質は重要です。現在発売している液晶ディスプレイの主力は1920*1080pxですから、全画面表示でプレイが可能でゲーム内で画面の拡大も可能なBVE5/6を考えるとそれ以上の解像度で出力することが望ましいでしょう。多くの作者は2048*2048pxないし4096*4096pxで描いているようです。逆に4096pxを超えると描画が重くなり、エラーが出たり最悪起動しなくなったりしますので、画質が良すぎてもアレです。そしてその範囲内で、どこを切り取っても美しく描写されていることがよいでしょう。先ほども言ったようにBVEはパネルを拡大して見ることができ、また普通のプレイにおいても視点変更や拡大する必要があります。だから全体的で均一的な画質が求められることになります。

ここで、スマホの写真を見てみましょう。

これはgalaxy S9で撮影した運転台です。手持ちサイズのスマホで閲覧したり、画像の保存ができないインスタに上げる分には十分でしょう。しかしPC用液晶で拡大して見ることを考えると使い物にはなりません。拡大してみましょう。

カッピカピです。大阪側の文字もなんて書いてあるか初見じゃわからないです。そしてBVEでは拡大して見られる可能性があることを考えると、この素材はイケメンになることができません。

同様のことが上記サイトでも触れられていましたが、スマホの写真は後述する場面を除いてBVEの運転台で活用することは不可能です。

・ズーム

運転台を撮影する時、あなたは運転室内ではなく客室にいる場面が多いでしょう。客室からズームなしで撮影すると、視野角の問題でそれは運転士の視点とは異なる写真が撮影されることになります。さらに細部のディティールも荒くなります。ズームは必須条件です。

これはPanasonic DMC-TZ85で撮影した写真です。そもそも問題撮影している209系には運転士後方窓がないので画角が悪いのですがそこは置いといて、この写真「だけ」では作ることはできません。ディティールが粗すぎてイケメンではないからです。拡大してみましょう。

世界のパナのコンデジにしても、一枚絵では細部がダメダメです。そこで、細かい部分は別にズームして撮影する必要があります。

光学ズームを活用し別に撮影した写真がこちらです。相変わらず画角や光の反射がよろしくないですが、画質という視点で見ればこれは使える取材写真です。あとは編集の腕です。

逆に、ズームしてもボロボロになるものがあります。スマホです。

galaxy S9で撮影した速度計です。トリミングしてません。

光学ズームではないので画質が悲しい感じになっているのが分かると思います。例えば速度計も速度の文字は使えそうですが下方に書いてある文字は解読不可能です。

よって光学ズームが搭載して、良く撮影できる機材が求められます。

・シャッター速度/感度

運転台を撮影する時、どうしても走行中揺れる車内で撮影する必要が出てきます。そのためにシャッタースピードや感度を上げても画質が荒れることなく均一な品質で撮影できるものが良いでしょう。ここら辺はカメラオタクではないので詳しくないです。画質変わるのが嫌なのでぼくはISO感度はいつも固定してます。

・持ち運びやすさ

営業車で撮影することがほとんどでしょう。いつ立ち客や車掌/運転士が画角からいなくなるかはわかりません。突然車内が混雑して取材できなくなることもあるでしょう。巨大な機材では突発的な環境の変化に対応できないことがあります。サイズが小さくすぐ出せてすぐ仕舞える機材が理想です。

・通報されない

取材しているときである意味一番重要です。車内の撮影をするとき一番怖いのは「盗撮」として通報されることです。電車の取材をしているとき人物の撮影を目的にすることはまずないと思います。人物が写らないように撮ることが求められますし、他に乗客係員がいる環境において「私は盗撮をしていません人を撮ってません」アピールできると揉め事が減ると思います。何が言いたいかというと、スマホで車内パシパシ延々と撮っていると不審者度合いがやべえので、ちゃんとしたカメラなら撮影なんだなって理解してくれると信じてます。

長くなりましたが、求められる条件はここらへんでしょうか。

・ズームが効いて画質や感度が良い

・すぐ取り出せてすぐしまえるサイズ感

・(安い)

とまとめてカメラオタクに聞いたところ、その条件に合うものはないと言われました。まじかよ。

皆さんご存知のようにズームがちゃんと効くものってレンズがでかくなる傾向があるんですよね。鳥とか飛行機とか撮っているオタクがでかい機材振り回しているのと同じ論理です。まあそこまでは必要としないのですが、一般的な駅撮りオタクであっても一眼を首から下げるかカメラケースで持ち運ぶ必要があります。これは"すぐ取り出せてすぐしまえる"の条件に合いません。ポケットに入るサイズといえばコンデジがあります。これでも結構戦える(実際私は一眼を持っていない)のですが、理想的ではあるものの完ぺきではありません。すべての条件を網羅する物はこの世にないそうです。

逆にこの条件で良いよーっていうカメラがあれば紹介してください。俺のTLにはいなかった。

よってBVEオタクは取材写真を入手することはできなくなりました。俺は現実でも作品でもイケメンになることはできません。残念でした。

……でまとめるのはあまりにも酷です。完全無欠な製品がない以上カメラはなんかしらの条件を妥協するしかないです。カメラが完璧ではないならイケメンになるためには取材方法をこだわるしかなくなります。次回は取材の方法について、正攻法から闇落ちまで紹介します。(つづきます)


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