ニデックの社長のインタビューを読んで

ニデック株式会社(京都市南区)は、2023年7月で創業50周年を迎え、売上高2.2兆円規模の世界大手モーターメーカーに成長しました。代表取締役社長の小部博志氏は、電気自動車(EV)向けE-Axleの推進や、中国EV市場の激化した競争環境への対応、そして利益重視の戦略を強調しています。特に中国市場では、高性能な中国製半導体を搭載したE-Axle第3世代品に注力し、インド市場にも大きく舵を切っています。インドでは、人口と若い平均年齢を背景に大規模な投資を行っており、電動バイク用モーターの生産拡大や、様々な業界での製品需要が増加しています。
また、データセンター向けの水冷モジュール事業も展開しており、スーパーコンピューターやGPU、CPU関連ビジネスが成長しています。データセンターの需要は24年中頃に回復すると見込まれています。
小部社長は、半導体に関しては内製化ではなく適切な供給元からの調達を続ける方針を示し、多様性の時代に適応する戦略を強調しています。今後の展望としては、空飛ぶ基地局や電動垂直離着陸機、電動車いす、VR機器向けの製品開発など、新たな市場への挑戦を進める予定です。


データセンター向けの水冷モジュールとは

水冷モジュールは、高性能な冷却装置の一種で、データセンター向けに提供されています。これらの装置は、スパコンやGPUなどの高性能な電子機器の冷却に使用されます。水冷システムは、特に300Wから1000WのハイパワーCPUに対して、高い冷却効率を提供します。従来のヒートシンクやファン、空調による冷却では不十分な高発熱CPUの冷却に適しており、このシステムはまた、サーバ運用全体の電力消費量を20~30%削減することが可能とされています。これらの特徴により、水冷システムは近い将来の冷却システムの主流になると考えられています。