大人になりたかった過去の私。大人でありたくない今の私
「早く大人になりたい!」
子どものとき、誰もが一度はこんなふうに思ったんじゃないでしょうか。
子どもには禁じられているお酒やタバコを自由に楽しむことができる大人に憧れていた小さい頃の私。
大人はやれることの幅がすごく広くて、誰から何かをとやかく言われることもなく、とても自由に生きているように見えていたあの頃。
きっと、大人になったら自由の翼を手に入れることができると思っていた。
そんな小さな頃の私。
そして、今。
私は数年前に大人になった。
お酒やタバコを自由に楽しむことができるようになったし、やれることの幅だってもちろん広がった。
それでも私は、何故か、大人でなんかありたくないと思ってしまうのだ。
大人に憧れていたあの日の私に戻りたいと、強く願ってしまうのだ。
15分しかない行間休みに校庭でサッカーをしていたあの頃。無尽蔵の体力と好奇心で校庭を無邪気に走り回っていたあの日の自分はもういない。
「大人だから」という現実に縛られている今の私。これは違うんじゃないかという違和感に気づけてもその違和感を追求できなくて苦しい。
子ども心を持ち続けたくても、子ども心をいっぱいにして動き続けることはできなくなってしまったのだ。
あぁ、あの頃に戻りたい。結局私はいつだって、過去や未来の私になりたがっている。