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磐越の海道
あの大震災から令和3年3月11日で10年になる。
”原発事故”の陰に消されてしまったが,ここ福島県いわき市でも450名以上の津波の犠牲者が出ている。
その犠牲者の鎮魂と復興を祈願し,ベトナムのダナン市にある五行山観世音寺(Chùa Quan Thế Âm Ngũ Hành Sơn Đà Nẵng)から,いわき市の小さな港町”江名”にある「真福寺」に寄贈されたのが,ダナン市の名産でもある大理石で彫られた観音像「龍越観音」。
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ベトナムの仏像は肌色に着色されていたり生々しいものが多いが,こちらは日本向けか,大理石とは言え,素材を生かした仕様となっている。
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いわき市とダナン市,海で繋がる両寺院の仲を取り持ったのは,奈良の東大寺。平成30年(2018)4月26日に開眼供養が行われた。
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日越の仏教交流は,天平勝宝四年(752年),奈良の東大寺で行われた大仏開眼供養会にて,遣唐使船で来日したベトナムの僧,「仏哲」が舞楽を奉納したのがはじまりだそう。仏哲は,今のベトナム中部にあったチャンパー国の生まれらしい。
仏哲が披露した舞楽は「林邑楽」と呼ばれ,日本の雅楽に影響を与えているどころか,その一部になっているそうだ。
以上の次第で,私自身,いわき市の中学校だったか高校だったか,「林邑=チャンパー」であることを勉強した昭和の頃を思い出した。
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