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さよならカイオーガ

僕は佐賀のど田舎で生まれ、育った。

だからインターネットに触れたのは、確か小学5年生とかで遅かった。


当時はポケモンに熱中していた。

両親が教師で、ゲームをプレーできる時間には制限があった。

だから周りの友人に「レベル」や「パーティー」(手持ちの6体のポケモンのこと、あれ?こうやって言うのは佐賀だけ?)で勝つことは不可能だった。


じゃあどの部門で友人に勝つのか?


思い浮かんだ答えは、まだまだ普及していない「インターネット」による「オンライン限定商品」を買って、誰も持っていない柄のソフトや色違いのポケモンをゲットすることだった。(今思えば寂しい思考だ…笑)


そこで私は、どうにかこうにか親のパソコンで、ポケモンの公式ホームページまで行き、ポケモンの新作ソフト「サファイア」の購入場面まで進むことができた。

※確かサファイアだった気がします(笑)


一文字一文字、誤りがないように住所や名前を入力していった。

最後に「コンビニ支払い」を選択し、購入決定ボタンを押した。


当時はスマホもなかったので、わざわざメールをプリントアウトして、それを持って近くのファミリーマートまで向かった。


が、コンビニに着いたそのときだった。

まさか、配達住所が全く違う家になっていたことに気付いたのだった!


「や、やばい!このままでは違う人の家にサファイアが届いてしまう!そうなると、その家の人が警察に『詐欺にあいました』と言って、俺を訴えてくる!嗚呼!俺も人生も小5で終わりだ!」

支払いをしなかったらそのままキャンセルになるということを知らなかった当時の私は、とんでもない勘違いをおかしたのだ。

私は小さい頃から、「ヤバイ!」と思うと、なぜか吐きそうになる癖がある。そおときもファミリーマートの駐輪場で何度も「オエッオエッ!」と吐きそうになったのを今でも鮮明に覚えている。


しかし何を思ったのか、「もういいや、いっそのこと犯罪者になってしまえ!」と開き直って家まで帰り、自分の部屋に数時間閉じこもったのだった。


それから3週間くらい経ち、何事も起きなかったので、「ああ、送られた家の人もサファイアが欲しかったからそのまま受け取ってくれたのか、めでたしめでたし」と、これまた勘違いし、この出来事は幕を閉じた。


そんなこともあって、しばらく私はインターネットが怖かった。

もし、あの日、住所を間違えず、しっかりと「限定のサファイア」を買うことが出来ていたら…

限定のサファイアを手にしたことで、周りから人気者になっていたら…


今頃私は「ネット購入」にズブズブになり、「天才転売ヤー」にでもなっていたかもしれない…


それはそれで楽しそうな人生かもしれない(笑)


#はじめてのインターネット

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