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『AIRCROPS』デザイナーズノート#04 [アートワーク編 ①]

少し日数が空いてしまいましたが、今回は『AIRCROPS』デザイナーズノート[アートワーク編 ①]です!
前半はトーンやカラーを中心に、アートワークの大枠について書いていきたいと思います。

目指したのは「ざっくり未来」

以前の記事で開発当初からモチーフは「天空で野菜作り」というのがふんわり頭にあったと書きましたが、実はアートのトーンも最初からなんとなく決めてました。
てことで、まずはトーンとあわせてカラーまわりのことを書いていこうかと思います!

天空で野菜づくりするなら、SF(サイエンス・フィクション)ですよね。

『AIRCROPS』の代表的なモチーフ(天空の畑を耕すマシン)

SFと言っても、小説で言えばジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズ、星新一、漫画だと『鉄腕アトム』や『ドラえもん』など世界観や設定はさまざま。ジャンルで言えば、サイバーパンク、スペースオペラ、ディストピアもの、さらにはサイバーパンクから派生したスチームパンクやバイオパンク。ジャンルごとにイメージが浮かぶアートのトーンも幅広いですよね。

個人的な好みで『AIRCROPS』はロゴにモチーフとして歯車を使ってますが、ゼンマイを使った時計仕掛けのSFは「クロックパンク」。世界観としては、産業革命時代が舞台になることが多い「スチームパンク」よりもさらに前の時代。黄金や真鍮をイメージしたゴールドや茶色っぽいアートが多い印象です。
なのですが、あえてロゴは歯車含めてモノトーンで作成しました。

『AIRCROPS』ロゴは、モノトーンで作成

理由は、今回は野菜作りがテーマなので、ゴールドや茶色っぽいカラーがベースだと色が多くてごちゃっとしてしまうなーと。色が多すぎると、盤面で必要な情報が見えづらくなりプレイに影響が出る可能性もあるのでは、、、と、最初からざーっくり考えてました。

・SFモチーフは自由に使うけど、基本はグレー/シルバー系のカラーのみに
・ゴールドや茶色をメインのパーツに使用しない(コインには使ってますが)

などルールを設けて、アートワークはスチームパンク系ではなく(アナログランチボックスとの違いも出したいので)、
シンプルでフラットな「ざっくり未来っぽい」を意識してアートワークを進めました。

てことで、ロゴもモノトーンで作成することにしました。

盤面の展開がわかりやすいとワクワクする!(個人的に)

ボードゲームをプレイしていて、ゲームが進むにつれて盤面に変化が現れるとワクワクしますよね。
テーマやメカニクスにもよるのですが、自分が制作するゲームでは、展開にあわせて盤面が華やかになったり、荒れたりとアップダウンが視覚的に見えることを意識しています。

『AIRCROPS』もこの考え方で、ゲームのメカニクスとアートワークを同時に考えていきました。野菜作りの盛り上がりのサイクル(= ゲームの盛り上がり)が盤面とリンクして、視覚化されるようなアートの設計をしました。

野菜チップの裏面の色は派手ですが、白背景+野菜イラストのほうが際立つバランスに。

具体的には、土台となる畑ボードはうっすいグレー系なので、ゲーム開始時は少し地味めです。でもゲームが進むにつれて、菜園タイルでグリーンが増えていき、さらに野菜が実ることでカラフルになっていく。そして、菜園が荒れると、また地味になる。(野菜チップの裏面「肥料」は識別しづらいので背景色をつけたので、表面の野菜よりも派手になってしまいましたが。)

さらにゲームの流れを妨げない範囲で、プレイヤーカラーはわかりやすくしておきたいということもあり、菜園タイルはデザインの確定までに調整を重ねました。

菜園タイルのデザイン履歴

ちなみに今作はプレイヤーカラー4色に加えて、菜園の黄緑、さらに野菜4色もあり、カラー選びと調整にも時間がかかりました。。。

ということで前半はモチーフとカラーを中心に、アートワークについて書いてきました。後半のデザイナーズノート[アートワーク編 ②]もお楽しみに!

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