僕の裏詠みonリリック   the collectors

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『 Nick! Nick! Nick!(1987)/ The Collectors 』 
『僕はコレクター(1987)/ The Collectors 』
『愛ある世界(1992)/ The Collectors 』
『世界を止めて(1993)/ The Collectors 』
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傷を受けた兵士がどんな目をして明日を待つのか


僕たちは目に見えるものをみて日々を過ごす。
僕たちは目に見えないものを感じたり、解釈して、期待も不安も増殖させたりもする。
僕たちは目に見えていたはずのものを忘れたり、
    目には見えてなかったはずのものを思い出したり、
頭の中に様々なビジョンや情報をもっている。

今、僕の目の前で広がる駅前の世界に、人は溢れ、そこには山ほどのドラマがあるのだろうけれど、結局、なんやかんや良く選ぶチャンネルは、自分の’ドキュメンタリー’だったり、
自分の隣のやつの '政見放送' だったり。
もしくは、「あああ、青信号はやくなってほしいなー」
それで、何がどうとかではなく、そんなことがメインチャンネルだったりする。

たまに意識的に、深淵なる(堅苦しかったり、息苦しかったり)チャンネルを選んでみたり・・・。
かと思えば【意識高い系】の圧に負けて、卑近なチャンネルに、そそくさと戻したり。

人が、時たま、ロマンチストであろうとするのは、メインでのドライな自分に気づいているからだろう。

みたくもない現実を今この時だけは忘れさせて。
その分、自らの中では、現実をうち飛ばした痺れと余韻が反響する。
「お前はいったい誰なんだ」というノイズ。

僕たちが今日も、街を歩き、街の暮らしをつくる間に、
僕たちが見ていない「世界中の戦場」では、それでもなお、今日もまた、
小さな声で子供たちが夢を語るかもしれない。
傍らでは、さっきまでひくひくしていた命。今はもう、骸(むくろ)かも。

僕の傍らでは、目にはみえない昨日の僕が、虫の息で自慰行為に勤しむ。
そんな盛夏の真っただ中を突き進む、
そんな世界で、抜け殻になる、僕。
今、砲弾が破裂したような音は、現実か、それとも僕の頭の中でなのか。
どちらであっても、世界はそうして成り立っているんだそうだ。

誰かの骸と、誰かの願い、誰かの利益と、誰かの呻き声。
今日の喘ぎ声、明日の今生まれたあの子の初めてあげた鳴き声。
そして生産性のない我欲。良くも悪くもないこの世界。
君と僕の素敵な出会い
そんな盛夏の真っただ中の僕の日常世界の中から、
キュートでファンタジックでラブリーでSOスウィートなものを集めてみる。
僕たちはもともと、そんなポップチャンネルだって作れるんだから。

その精神は、世界にある何かをいつくしみ、あふれ出た感情や、有難みを歌い上げる。
そして、とても身体的、感覚的だ。
一度手に入れた甘い感覚が、蒸発してしまう前に、
ほのかな香りを残せるように。
上昇気流にのる気持ち、ふと紡ぐメロディ。

例えば、背中合わせ、世の風の冷たさ、厳しさを感じているならば、
例えば、どこかの国の戦場で、目を二度と開けない戦士のことを考えたことがあるのならば、その甘さはもっとほろ苦いのに、なぜか、深い味わいになるんだよ。

君をまもりたい。
君を愛してるんだから。
そういう気持ちを僕は今、伝えたい。
その気持ちにわがままになる。今、この時。

今この時、この世界に、不思議と満ちる。温かい光と涙、濃い甘さや、ほろ苦さ。

ハートの鼓動で地球が廻ったら

嬉しい仮定、おもしろい設定、
こうなったらな、いや、あれが、ああなったらな、
もっと、人は手をとりあって、、、そうそう、
これ、もっと、かっこいいぜ。
ねぇ。君もそう思うだろ。
もちろん、あるがままの世界でいいんだ。
でも、あるがままの世界をもっとこうとらえてみたら、
同じ世界も、不思議さ、愛があふれるんだよ。

そこにあるものが、光の当て方で違うものにみえること。
例えば、僕の左手の上に、地球をおいて、
僕の右肩後方から太陽が差し込むように立ってみよう。

ほら、木々の緑がほぼほぼ黄色な黄緑に、
赤い大地が、月夜に映えるダークブラウンに、
んーと、南十字星をこの辺りに配置して、
ほら、日本からも、
僕らからも、ここからだって、よくみえる世界。
神様時間とめて このままキスさせて

もしも、時間を止めることができたなら。
明日のことも、昨日のこともなく、
君と僕は夢の中、キスの続きをできるのかもしれない。

泣きたくなる、切なくなる、溶け合うことのできない僕ら。
一緒にいる、時間を分かち合う、解けなくなる僕ら。

愛しあう程、いとしくなる程、
そばにいるほど、苦しくなることもある、いくら頭の中で、≪世界のみえかた≫をかえてみても。

当てのない約束してた昨日。
同じ夢をみてる、今日。
明日のことはわからない。
今は、同じ夢をみて眠り、同じ夢をみてると信じて、口づけを交わす。

そうして、世界は、僕の知らないところで、
どこかの誰かが、違うところから光あてたり、
どこかで、いつかの恨みを受けた誰かが血を流したり、
今こうして、世界を止めてほしいオーダーをきいてくれてる神様や、
さっき、無理やり動かしてみた南十字星の光や、
きっとおなじ夢をみてるはずの彼女のささやかな寝息で
揺れて、廻ったり、止まったり、逆に廻ったりする地球の上、

ああ、神様ってやつが、
たくさんのおぼろげな夢が、あふれ出した蜃気楼になり、
暗い夜と明るい昼に様々なドラマをほら、たった今も流しているんだ。

そのたくさんあるビジョンの一つを今、僕も受け取り、今日のこの世の夢をみる。
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