企業はなぜ「CSR活動」をするのか?森永デザートに聞いてみた【前編】
「まだ、水曜日だけどいっか!」
1週間のご褒美に私はよくアイスを買います。特に好きなアイスは「サンデーカップ」。一口目からとろけるチョコソースと下の方に隠されているパリパリチョコは今日まで頑張って良かったと思わせてくれます。
このサンデーカップを作っている森永デザート株式会社がなんと佐賀県にあります。
森永デザートは、1980年に森永製菓株式会社が販売するアイスクリームの西日本地区の生産拠点として設立されました。森永製菓の主力商品である「チョコモナカジャンボ」、「板チョコアイス」、「サンデーカップ」、「アイスボックス濃い果実氷」などを生産しています。
これらのアイスが大好きな私たちは、森永デザートに取材を行うことに決めました。取材するにあたって森永デザートのことについて調べていると、様々な社会貢献活動をしていることを知ったのです。
企業が社会貢献活動をすることを初めて知り、驚いた私たちはさらに調べを進め、それらがCSR*と呼ばれていると知りました。
森永デザートは、2022年に「第7回スポGOMI in鳥栖」で優勝しているほか、CSR活動も行われています。興味を持った私たちは主に「企業が行うCSR活動の意味や目的」を軸に森永デザートに話を聞きに行きました。
森永デザートがCSR活動をする理由とは?
遠藤 今回は、企業がCSR活動をされていることに対しての思いや理由をお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。
私たちは事前に森永デザートのWEBサイトを見ていて、周辺地域の美化活動やサガン鳥栖支援自販機設置、「キッズ鳥栖ミュージカルTOSU」協賛などの社会貢献活動を行っていることを知りました。企業がそのような活動に取り組むということが、私たちの目に新鮮に映り、とても素敵な活動だなと思いました。
でも、通常の業務で忙しい中でそういった活動に参加するのって面倒くさいのかなとも思っちゃいます。参加者はどうやって誘うのですか?
事務部 事務管理課 西村 美樹さん(以下西村) たいていの場合は鳥栖市から「掃除しませんか」というお誘いが来るので、それを会社の人たちに周知して誘います。今の事務方のメンバーは比較的こういう活動に積極的に参加してくれますね。
北川 積極的に参加してもらえるのは、やっぱりそこに至るまでの雰囲気づくりが大事なんでしょうか?
西村 そうですね。社内にそういう雰囲気があるという面は大きいと思います。トップが積極的なんです。
取締役事務部長 兼 事務管理課長 西山 貴史さん(以下西山) 今の弊社の間接業務(人事・総務・経理・法務などの職種)の人たちは、「こういうの行こうよ」って言うと「じゃあ行きましょうか」って言ってくれるので、比較的前向きな状態がつくれているのかなと思います。
この前の優勝は面白かったもんね。
北川 優勝??
西山 昨年11月に行われた「第7回スポGOMI in鳥栖」という、チームで力を合わせて、制限時間内に定められたエリア内でごみを拾い、その質と量をポイントで競い合うエコスポーツの催しなんですが、私たちを含め28チームが出場していて、イベント全体では110人くらい参加したのかな。
西村 鳥栖市が主催したイベントで、スポーツのようにルールもきちんと決まっているんです。私たちは初めて参加しました。
西山 有志でメンバーを集めて参加してみたら、初出場でまさかの優勝しちゃってね。
遠藤 え〜!おめでとうございます。ゲーム感覚でゴミ拾いをするのは楽しそうなので私もやってみたいです。
西山 CSR活動の一環として参加したのですが、こうしたイベントがあるのは、面白いですね。森永デザートという会社名も知っていただくよい機会になりました。
遠藤 会社名を知ってもらえる機会になるんですか?
西山 そうですね。イベントに参加することで、何かしらの記事やホームページ等に会社名を掲載していただけることがあります。ありがたいことですね。これは企業活動としてはとてもプラスなんです。
北川 そうすると良いイメージで知ってもらうことができますね。CSR活動を通して、企業名を知ってもらうことができるという発想はなかったです。
西山 はい。それに、例えば皆さんのような高校生や大学生が就職活動のとき、「森永デザート」という会社も一つの選択肢として考えていただける機会にもなります。会社名をポジティブな側面から世の中に出していくのは、いろんな意味で企業として非常に価値があるんです。
北川 社会に貢献しながら、森永デザートのことを知ってもらう。CSR活動はとても素敵な活動なんですね。
森永デザートに入社した理由は企業のイメージ?
北川 お二人自身はどうして森永デザートで働こうと思ったのでしょう?
西村 私はずっと食品の製造業で働きたいと思っていて、大学も農学部に行ったんです。就職活動のとき、たまたま合同企業説明会に森永デザートが出ていたのがきっかけですね。
それまで森永デザートのことは全然知らなかったんですけど、さっきの話にもあったように「親会社が『森永製菓』という名の知れている企業だったら、自分が食品を製造する上でモチベーションが上がるかな?」とか、考えていました。
とはいえ最終的に心を決めたのは、やっぱり自分が一番やりたかった食品製造業だったからです。
北川 そうなんですね。みんなに愛されている会社で働くと、おっしゃる通りやりがいを感じることができますね。西山さんはどうですか?
西山 実は、私が最初に入社したのは、森永製菓だったんです。大学生時代には特にやりたいことが見つからなくて。でも人間の生活に必要不可欠な、衣食住のどれかについた方が良いかなと思ったんです。
当初は「住」、つまり建設系に行きたかったんですけど、なぜか親の猛反対を受けて。「何でダメなんだろう?」って思いながらも、ただ「衣」の方で自分が働いているイメージもあまり湧かなかったので、「じゃあ『食』だ!」となって探しました。
それでさっそく大学の就職課に行ってみたら、森永製菓を含めた三つの就職先候補を出してくれたんですよ。その中で…常に目にし、慣れ親しんでいる商品を販売する企業であり、よく知っている会社名であったので、一番企業イメージが良かったのが森永製菓だったんです。
遠藤 おふたりとも最終的には企業のイメージで決めているのですね。2つのお話から企業イメージの重要さがすごく伝わってきます。
西山 そうなんです。だから「なぜ私は森永製菓にいるのか?」って言われると、「やりたいことはなかったけど企業イメージが良かったから」なんです。
私自身がそうだったので、企業イメージってすごく大事なんだなと痛感しています。よく分からない聞いたこともない企業がすごい業績を上げている!とかって耳にしたりしますけど、企業のイメージが分からないとやっぱり働くのが不安じゃないですか。
西村 私が4年前に入るときはここの森永デザートのWebサイトがなかったので、合同企業説明会でいいなって思って調べても出てこなかったですね。
西山 今回はCSR活動の一部をお話しましたが、いろいろな機会を通じて、森永デザートの企業活動を皆さんに知っていただきたいですね。
取材を終えて
今回の取材で一番知りたかったCSR活動の理由を聞くと、CSR活動によって企業名や企業イメージを広めていきたいという狙いもあることを知ることができました。
これからも続いていくであろう森永デザートの社会貢献活動によって、より多くの人に森永デザートのことを知ってもらえればいいなと思います。
後編では、私たちが考えたアイスに絡めたCSR活動について提案し、各提案に対する意見やアドバイスをいただきました。ぜひ読んでください!