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ソーラーシェアリングの可能性_ワイン用ブドウと観光農園

こんにちは。さがみこファームマネージャーの小出です。

2024年のブルーベリーシーズンが終わりました。
今記事はシーズン終わりのまだ忙しさが残っている中で書いています。

しかし、今年の夏は昨年以上に暑かったですね。
酷暑が続く日本の夏は農作物の生育に確実に影響します。
今回は暑さとソーラーパネルの関係性、ソーラーシェアリングの可能性について書いてみたいと思います。

今年から栽培を始めたワイン用ブドウの様子

さがみこベリーガーデン内の隣り合った土地に、同じ品種を、同じタイミングで、同じ植え方で植えています。
違いは「パネルがあるか、ないか。」です。
近隣の農家さんでも軒並み暑さで農作物がやられる中、さがみこベリーガーデンのブドウはどんな感じで育っているでしょうか?

ソーラーパネル「あり」のシェアリング地
ソーラーパネル「なし」の一般地


一般地のブドウ(2024.9)
成長は早い。暴れる。小さな葉っぱが沢山出て日陰の役割を果たす。役割を果たした葉っぱから枯れていく。葉っぱの色が薄い。日焼けの症状が深刻。
シェアリング地のブドウ(2024.9)
一本の幹がすっと伸びる。葉っぱの色も濃く、一枚一枚が大きい。

・ソーラーパネル「あり」のシェアリング地の方が、明らかに状態が良い。
・一般地は、雑草も伸びるので虫や病気の影響が出そう。一般地ではコガネムシの群れが発生。
・シェアリング地の方が日中の作業(誘引、草刈り)などで体力の消費はずっと少ない。
・シェアリング地は、草刈り頻度が一般地と比べて半分ほど。

1年目はブドウの実の収穫はしないので、まだ評価しにくいですが、今の所シェアリングのほうが良い状況のように感じます。
ワイン用ブドウの一大産地である山梨でも、ブドウが暑くて作れなくなってきていると聞きます。ソーラーパネルによる適度な日陰が夏の暑さには良いようです。いろいろなデータがとれそうで楽しみです。

今年の夏を終えて思ったこと

「真夏の観光農園ってもう無理なんじゃないか?」
「来園者もスタッフも作物も暑さに耐えられないのでは・・?」

今年は本当にこんな風に思いました。
さがみこベリーガーデンはソーラーシェアリングのブルーベリー農園ですが、2年連続で夏の酷暑が続き、今後もこうした傾向が続くことを考えれば、日よけのない場所での真夏の観光農園はちょっと考えられなくなりました。
屋根のない農園では、日よけをどう設置するかは頭を使うところですし、当然コストもかかりますよね。
ソーラーシェアリングでは、屋根(=パネル)はコストどころかお金を生み出してくれるので、自然にもお財布にも優しく、一石二鳥と言えます。
実際、さがみこベリーガーデンでは、今年のような暑い夏でも、来園者は2時間の予約枠いっぱい使ってゆっくり摘み取りを楽しまれています。
「パネルの日陰は案外快適ですね」なんて声も聞こえてきます。
真夏の暑さとソーラーシェリングの相性の良さ」は、もっと知られてもよいように思います。

次回は真夏の観光農園の可能性について触れてみたいと思います。また情報を集めてお伝えします!

2024.09.13 小出 竜士

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