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ブルーベリーを巡る鳥と人間との共存
こんにちは。さがみこファーム代表の山川勇一郎です。
今、農場でテレワークしながらこの原稿を書いています。
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今日も32度越えの猛暑ですが、タープの下はひんやりしています。周辺では鳥のさえずりが聞こえて気持ちがいいね~・・・といいたいところですが、ブルーベリーを育てているとそんな悠長なことだけ言っていられない事情があります。そう、鳥がブルーベリーを食べる、“食害”です。
地域の人に聞いても
「家の庭のブルーベリーは全部鳥に食べられちゃうのよ~。」
「鳥の対策は大丈夫なの?」
といろいろ心配されます。
ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ・・・こうした鳥の食害からブルーベリーを守るために、一般的かつほぼ唯一の完璧な対策と言われるのが防鳥ネットです。
地域や知り合いのブルーベリー農家さんに片っ端からヒアリングしたところ、大体8割のところはやはりネットを張っていると答えます。
ただ、私たちの場合、ネットを張るにも実はそんなに簡単でない、という事情があります。
・ソーラーシェアリングの架台が邪魔して従来通りネットを張るのが難しい
・パネルで遮光している上に、更にネットを張ると日照不足の心配がある
・6反ほどの面積全てにネットを貼るとコストも着脱の手間もかなりかかる
・観光農園にお越しいただいた方に気持ちよく摘み取りをしていただきたい
そんなこんなで、ネット以外の方法がないかと昨年から模索しています。
そもそも、甘い果樹には人間に限らず様々な生き物が寄ってきます。特に人間に比較的感覚が近いと言われ、高度な知能を持つ鳥との戦いは永遠のテーマと言っても過言ではありません。爆竹や鳥の嫌がる音で追い払ったり、天敵の鷹を模した凧(カイト)を飛ばしたりと、過去様々な対策が試されましたが、結局のところネット以上の効果的な対策は見つかっていない、というのが現状のようです。
しかし、これだけテクノロジーが進化している昨今、センサーで鳥の侵入を感知して、それを元にドローンが飛び立って追い払うとか、いろいろ考えられるのではないか?一定の効果があれば、自動化して農作物を守れるのではないか?そして、多くの同じ悩みを抱える果樹農家のためにもなるのではないか?・・・非農家出身の私は素朴にそんな風に思い、素人の強み(というか無謀かもしれないですが)を活かして、いろいろトライしてみようと、あちこちにお声がけしています。
私達の農園は来年6月のオープン予定で、今年は木の成長を優先して、9割以上の花芽を摘花しています。収穫は従来の1/10以下なので、今年は特に収穫量にこだわらないで、色々実験ができると思っています。
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既に研究機関や地域のICT企業、地域金融からなる支援チームが動いてくれていたり、自社独自でもテグスなど複数の対策効果の比較・検証をしていますが、どの程度効果があるかは正直やってみないとわかりません。
従って、引き続き多方面の対策を模索してみたいと思っています。
「一緒に中山間地域の課題解決のための実験をしたい!」
「うちの技術が応用できるかもしれない」
などなど、上記に興味のある方はぜひご連絡ください。
特に、鳥獣害の専門家や応用可能な技術持ったところの参画を望んでいます。
目指しているのは、鳥と人間との共存です。
理想論に聞こえるかもしれませんが、そもそもここは中山間地で野生鳥獣と人間の接点の最前線です。地球上の人間以外の生き物も含めて、よりよく暮らせる社会が望ましく、それを、農業以外の方の力もお借りしながら、ここで体現できればと思っています。