地球温暖化とニッポン
エエーッ!まだ2月だというのに数本のブルーベリーが満開に花を咲かせました。昨年は熟すのが早く、開園日を1週間早めたのですが、今年はどうなるでしょうか。
毎年日本穀物検定協会がお米の食味格付けを実施していますが、2023年度は米どころ新潟県産で特Aにランクされたのが2種(22年度は7種)だけで、北海道の3種、山形県の4種に及ばなかったことが話題になっています。
私たちさがみこファームで今年新しくワイン用ブドウの試験栽培を始めるにあたり、山梨や長野の産地視察に行った時のことです。視察先のブドウ農家のみなさんが急速に進む温暖化に対して大きな危機感を抱いていることがひしひしと伝わってきました。今のままでは北の地方に産地が奪われてしまう、温暖化に対応できる品種に替えていかないとダメだというのです。そうは言っても1年や2年で簡単に転換できるわけでなし、大変なことだと思いました。
先日、たまエンパワー(株)の社外取締役Mさんから新しいまちづくりの視察でヨーロッパ諸国を回った時の話を聞かせてもらったのですが、高級ワインの産地イヨナというスペインの山村で、温暖化の影響でワイン用のブドウの味が出る時期が年々遅くなってきており、5年前は9月上旬の収穫だったものが現在は9月中旬に、そして5年後には9月下旬になってしまうだろうと言っていたそうです。
昨年は観測史上最も暑い夏でした。「東京の年間夏日が140日!」 「11月だというのに都心で3日の夏日!」 連日こんなニュースがおどっていました。ひと夏だけならまだしも昨夏がボトムで今後これが一番涼しい夏になるかもしれないというにわかに信じがたい話もあります。
2024.3.20.WMO(世界気象機構)は産業革命前と比較して世界の平均気温が1.45度上昇したと報じました。
こんな話題に事欠かない昨今ですが、地球は100万年単位で氷期と間氷期を繰り返しており、10万年単位で見ればまたその中で寒冷期があり温暖期があります。これは人間のちからでは如何ともし難い大自然の摂理ですが、現在問題になっている温暖化はそれとは明らかに違う人為的なものであることが大きな問題なのです。
約300年前、人間がそれまでのネルギー源だった木材から化石燃料の石炭を手に入れたことが産業革命のはじまりでした。石炭から石油に変わっていくことにより一層その勢いは加速され、産業や社会に大きな変革をもたらしてきました。私たち人間はその恩恵を享受してきましたが、同時に有限の地球資源の枯渇と大気中の二酸化炭素蓄積による地球温暖化という2つの大きな代償を支払うことになりました。特に直近30年の気温の上昇はうなぎのぼりで、このトレンドを食い止めない限り早晩住めない地球になることが懸念されています。300年、30年というと長く聞こえますが、地球的スパンで考えればまったくの一瞬です。その一瞬の中での数度の気温の上昇が如何に大きなものか真剣に考える必要があります。
国連の気候変動枠組み条約締結国の会議COP21いわゆるパリ協定で2050年までにカーボンニュートラルを実現し世界の平均気温上昇を1.5度以内に押さえることが決議され、当面2030年までの具体的削減目標も定められました。日本も加盟国の一員として2013年比で46%のCO2削減を約束しています。
問題は、国も、企業も、個人も、「経済成長と地球温暖化は明確に相関関係がある」という基本認識に立てるかどうかということでしょう。経済成長第一主義の既成概念から脱却し、「地球温暖化を防止してはじめて経済も成り立つ」という逆転の発想に立つ必要があります。
国際的な大企業の間で持続可能な社会の実現をめざすRE100(再生可能エネルギー100%)という活動が広がってきており、そこに加盟する日本の大企業も増えてきております。2019年、日本ではRE100対象外の中小企業や団体を対象とした「再エネ100宣言RE action」という活動も発足しました。
下記は、最近私たちが何らかの形でかかわりを持った行政機関です。
東京都 地球温暖化防止活動推進センター
多摩市 環境部環境政策課地球温暖化対策担当
神奈川県 脱炭素戦略本部室
相模原市 環境経済局ゼロカーボン推進課
私たちは、今後ともこれら地域の行政機関と連携を密にして地球温暖化防止の実現に本気で取り組んでいかなければならないと考えています。
(2024.4.20 山川陽一)