アメリカ南部の深~いおはなし。③
はじめに
「アメリカ=スポーツが有名」というのはよく言われがちですが、アメリカ在住だからこそ野沢直子さんのように「大谷くんがそんなに名前知られていない」「八村くんなんてもっと知らない」と言える訳です。
ちょっと前、絶賛バスケットボールのワールドカップ的なものが日本で行われていた関係で「嵯峨さんてバスケットボール好きなんですか?」と職場で言われたことがあるのですが「いや、多分バスケの話は私と話しても全く合わないと思います」とやんわり断っています。何せ「相手チームのこのプレイヤー、ミシガン大にいたなぁ」とか懐かしがるレベルなので。
というわけでジオゲッサーをやりながらバスケットボールはミュートで画面に映しながらしか見ていません。そしてこの前とうとうジオゲッサーでアラスカ州がでました。
まぁ、アメリカマップ、最近やたらとニューメキシコ州とか出してくるので泣きそうにはなってますが。(ニューメキシコ州は珍しく行ったことがない州です)
そんなことはさておき、本日はフロリダ州についてのおはなしをしますね。
④フロリダ州
「フロリダ」と言われて、多くの人は色んな答えを返すでしょう。ディズニー好きならディズニーワールド、ハコ車オーバルやオメガ時計好きなら「デイトナ」という名前、文学好きならキーウェストのヘミングウェイの家とそこに居着く猫たち、といった感じで枚挙に暇がありません。
なお、フロリダ州の州旗はこちらの記事にて前述しましたが、非常に南軍旗の面影を残したものとなっています。
そして、フロリダはテネシー同様、文化的政治的傾向により、大きく分けて3つの地域に分かれています。
④-1 北部フロリダ
上記の地図の黄色い枠で囲った部分がおおよそ「北部フロリダ」です。この地域の主な都市はタラハッシーとジャクソンヴィルでしょう。
「Tallahassee」というミシシッピ的な繰り返しスペルが暗示するように、タラハッシーの元々の語源はアメリカ先住民の部族語で「古い家」から来ています。
まぁ、「ゲインズビルも北部フロリダじゃないの?」と、詳しい方なら思われるかもしれませんが、ゲインズビルの街の雰囲気はむしろ「中部フロリダ的」だと個人的には思っています。(※あくまで個人の感想です)
フロリダ州の州都ともなっているタラハッシーとフロリダ最大の都市であるジャクソンヴィルがなぜ「北部フロリダの代表都市か」という理由ですが、私の中には要因がいくつかあります。
①アラバマ州やジョージア州南部という、非常に保守系南部人が多く住んでいる地域と隣接している
②南北戦争前までは奴隷農業および奴隷流入による「生産物」や「商品」の一大集散地であった
③南北戦争後はフロリダ州の州都や工業都市となったが、タラハッシーは州都とされたが故に連邦政府の意向が強く反映している。ジャクソンヴィルは都市化と観光地化が同時に進み、第二次世界大戦前までは北部富裕層の一級リゾート地であった
④北部フロリダ全体として見ると貧富の差が強く、さらに湿潤過ぎる気候も相まって、「顧みられない場所」のような場所も存在する。
③のタラハッシーに関しては、テネシー州のノックスヴィルと同じような構図で「連邦政府の息がかかった場所は都市としては商業や文化はそれほど育まれない」という一面があります。
もちろん、フロリダ州立大学という大きな大学もありますが、タラハッシーの都心部自体が非常に小さく、それ以外のフロリダ北部は貧富の差が非常に激しいです。
一方、ジャクソンヴィルの方は特に都心部において、南北戦争後に映画やジャズバーなどの娯楽産業が発展したため、主にアフリカ系の労働力が入り込んだ結果、それを忌避する白人富裕層が郊外部へと移住した、という都市構造になっています。
「ソウルミュージックの王様」「ブルースの天才」とも言われるレイ・チャールズの音楽キャリアの始めは実はジャクソンヴィルでした。
以下、私が「レイらしいな」と思っている「いとしのエリー」の英語版です。ブロークンなリズムと節回しなど、レイ節満開です。
リンク先は英語歌詞つきなのですが、サザンの原曲が「エリーというマドンナを追い求めて讃える」歌詞なのに対して、レイ・チャールズ版は「君にフラれてしまったダメ男なんだけど、でも君が忘れられないんだ」みたいな失恋ソングになってる辺りが面白いです。
ちょこっと歴史的な話をすると、南北戦争前までは北部フロリダという区域はフロリダ州の中では「都会」でした。故に、大西洋の向こうのヨーロッパの政争や戦争に負けた有力者が亡命を好んだ地でもあります。
有名どころだと、ナポレオン・ボナパルトの甥(ナポレオンの妹の息子)であるアシル・ミュラ(「ミュラ元帥」として有名なジョアジャン・ボナパルト・ミュラの長男です)が一連のナポレオン戦争の終結後、処刑を恐れて亡命してきたのが、タラハッシーでした。そして、アシルも亡命後はタラハッシー郊外のプランテーションの農業主となり、奴隷労働・奴隷産業の一翼を担っています。
ここで話を「QuizKnockさんのジオゲッサーマップの南軍旗」に振りますが、昔はこうした湿潤な気候により農業生産に向いた土地とされ、大規模プランテーションを持つ白人支配層がこのフロリダ北部の政治・文化の中心でした。故に、この地にずっと住み続けている白人層は南部魂が結構強いのです。
そして今はといえば、「臭いものには蓋」と言わんばかりに、裏道のような場所に刑務所を設置したり、貧しい日雇い系で賃金を得るアフリカ系やヒスパニック系のトレーラーハウスが無造作に設置されている場所も未だこのフロリダ北部には存在します。上記のように「かえりみられない場所」とされたが故に白人富裕層はそういう所には近づくことはなく、逆に南軍旗ががっつり残っている湿地帯の中の池が表示されたのではないか、というのが私の考察です。
④-2 中部フロリダ
さてさて、話を中部フロリダに移しましょう。
この地域には、一般的な日本の方々が「フロリダ」と想像して出てくる場所や都市がいくつもあります。北から追って説明しましょう。
*デイトナビーチ
フロリダ中部の中でもゲインズビルと並んで北部に位置するのがデイトナビーチです。ゲインズビルが「フロリダ大学(タラハッシーにあるフロリダ州立大学とは別物です)を誘致したことで発展した学術研究都市」とするならば、デイトナビーチは「カーレースと若者たちの楽園」と言えます。
毎年2月にはNASCAR(ハコ車オーバル)のデイトナ500、独立記念日近辺にはナイトレースのCoke Zero400、またデイトナ500の前の毎年1月には24時間耐久であるロレックス24が行われています。NASCARそのものの本部がデイトナビーチにあることも手伝って、「ハコ車オーバルファンの聖地」になってます。(実際にアメリカの南部在住の私の知人数名も「行った経験あるよ」と自慢げに言ってきてますw)
そして、デイトナビーチは「憂鬱な1月2月の勉強と試験漬け期間を過ぎたアメリカの大学生たちのイースター休暇を過ごす場所」としてとても人気があります。
何でデイトナが人気かと言えば、そもそもイースター休暇は長くても2週間、短いところだと10日ほどしか休みがなく、イースター休暇が終われば、今度は大学生たちは「ファイナル」と呼ばれる学年末試験や課題に明け暮れなければなりません。
日頃勉強漬けの大学生たちにとっては「暖かい場所でぱーっと弾けたい」「でも行き帰りはあまり時間を取らない」という2つの望みをデイトナは簡単にクリアしてくれています。
なお、ファイナルが終わるのが遅くても5月中旬のため、学生たちは新学期が始まる8月中旬までの長い夏休みは海外に行くことが多いです。(最近は日本の公立学校でも「日本人を母もしくは父に持つ外国人子女を一時的に小学校で勉強体験させる」という交流事業に力を入れているため、アメリカ在住の知人の子供たちが夏休みに日本の学校に通う、という経験をさせている所も多いです。)
日本の大学生にとっての京都、北海道、沖縄みたいな立ち位置ですかね。
とにかくイースター時期前後のデイトナビーチはウェイ系若者であふれています。
こういう「特定の時期に人口が増加する都市」としてもデイトナビーチは有名ですが、それ以外の点で特筆すべきは「アフリカ系の住民の比率が多いが教養が高い方が結構いる(特にアフリカ系の女性)」という点です。
もちろん、北部のニューイングランド地方がそういった高教養のアフリカ系が非常に多いですが、フロリダのほかの都市とも比較して高いアフリカ系住民の比率をもってしても、礼儀正しい人が多い、というのが私の個人的な感想です。もちろんウェイ系な若者も多いですし、貧困層も結構多いのですが、35歳を過ぎたアフリカ系のデイトナ市民のアフリカ系のコミュニティリーダーの大半はこちらが「すごいな」と思うぐらいきちんとしてます。
なお、政治的には「支持政党を未決定」と回答する層が一番多いのもデイトナビーチの特徴です。
*タンパ + セントピータースバーグ
タンパ市とセントピータースバーグ市(ロシアのサンクト・ペテルスブルグ出身の亡命者であるディメンチェフが創設者の一人であったために英語名で市が命名されました)は大体「タンパベイ・エリア」とセットで語られることが多いです。この二つの市の関係はミネソタ州のミネアポリス市とセントポール市の関係と重なるものがあります。違うところは、「タンパは本土側にあるため、より貧富の差が激しいのですが、セントピート(セントピータースバーグの略称。以降「セントピート」で統一)は元々は島であり、保養地としての側面もあるため、裕福な層がより多く暮らしている」、ぐらいの差です。
よって、このベイエリアは珍しく共和党支持者と民主党支持者が拮抗しており、毎回大統領選挙の度にキャスティングボート的な立ち位置になっています。
「1年のうち300日は晴れる」とも言われている気候や、湾を形成していることによる海風もあって非常に過ごしやすく、特に1980年代~2000年代にかけては、中西部で生計を立てていた富裕層のリタイア後に過ごす最適な場所とされ、多くの中高年層の流入がありました。また同時期にタンパとセントピート、その他の地域を結ぶ橋が完成したため、自動車での移動が容易になったことも、このエリアの「まぜこぜ状態」が濃くなった要因とも言えるでしょう。
伝統的な南部の雰囲気を残しているフロリダ北部が圧倒的に共和党支持者が多いことを考えると、この拮抗状態は「まさにフロリダ中部の典型」とも言えます。(ほかの保養地の場合だと比較的共和党支持者が優勢です)
よってGAFAに対するアレルギーもほかの南部やフロリダ州内のほかの地域よりも少ないためか、ウィキペディアを運営するウィキメディア財団の本部はセントピートにおかれています。
*オーランド
ディズニーファンなら誰しも、このフロリダ州オーランドにある「ディズニーワールド」に行ったり憧れたりするでしょう。
それ以外にもオーランドにはユニバーサルスタジオもあり、日本で例えるなら、「同じ市内にディズニーランドとUSJがある(なんならそのほかの美ら海水族館やら海遊館もある)」という、まさに「没入感に浸れる街」になっています。車で1時間も高速を走らせれば先述したデイトナビーチにも行けます。
元々オーランドという街は19世紀後半にプランテーションで作った果実や野菜の集散地として始まりましたが、オーランド周辺は非常に沼地が多く、通常の場合、人間が好んで住むような環境ではありませんでした。
20世紀に入ると、その「誰も寄りつかない」という環境を利用して、軍用航空機産業のマーティン社(現在のロッキードマーティン社)や近隣のNASAのケネディ宇宙センターやケープカナベラル空軍基地(隣の郡にあります)の住宅などが建っているだけでした。
そのオーランドの運命が劇的に変わったのが1965年でした。有名でも悪名もある、かのウォルト・ディズニーがアナハイムのディズニーランドの総面積の狭さと、「東海岸の客が来づらい立地である」ということから「もっと全面的に『ディズニーしかない状態』を実現したい」という野望を持ったのが1959年のことでした。その頃からディズニー社は、第三者の会社を通じ、「ディズニーに没入出来るだけの広大な土地と、ディズニーの自由に出来るインフラが実現可能な土地」を調査しており、当時は広大な沼地でしかなかったオーランドの、約110キロ平方メートルもの土地(山手線の内側の面積の二個分)を非常に格安で購入しました。
そして、ディズニー社はそこをまずは「マジック・キングダム」と名付け、完全にその区域の電気・水道・消防などのインフラをすべて自社が維持管理をし、「ディズニーランド」を上回る「ディズニーワールド」の実現のため、莫大な資本を投下して開発を行いました。(オーランドにあるNBAチームの名前が「マジック」なのはその頃の名残です)
ゆえに、今のディズニーワールドに行くと、自分の好きなディズニー映画のコンセプトを持ったホテルが選べたり、コンセントの差し込み口がミッキーマウスの顔型になっていたりと、10歳以下の子供であれば「夢の国に来れた」と本気で勘違いをしてしまいます。(友人の子供がそうなってましたw)
ついでに、近所にあるユニバーサル・リゾートにはハリー・ポッターを主題としたアトラクションもあるので、在米経験のある私に「アメリカ行きたいんだけどどこ行けば良いかわかんないんだよね~」とお子さんがいる方が質問してくる度に「とりあえず子供を喜ばせたいんだったらオーランドのディズニーワールドとユニバで良いんじゃないですかね」と返答しています。
そうでなくても、ハードロックカフェやアメリカのスポーツ専門チャンネルであるESPNのカフェやスタジアム、練習設備やテニスコートなんかもディズニーワールドの中にありますし、ゴルフ場も6つあるので、子供が遊んでいる間に大人も遊べる仕様となっています。(ESPNはディズニーの子会社です)
これだけ力説してますが、実は私自身はディズニーワールドには一回も行ったことがありません。ディズニーが好きではない(スヌーピーやサウスパークの方が好きです)のに加えて、非常にアメリカのスポーツに関してニッチな趣味をしている私には「行く理由が見つからない」からです。
ただ、漠然と「アメリカ行ってみたいなー。でも子供とか大丈夫かなー」という日本人の方にとってはオーランドはニーズをすべて満たしてくれる街なのでおすすめをするのみです。
④-3 南部フロリダ
フロリダ南部はフロリダ半島の先端であり、ハイチやドミニカ、トリニダードなどのメキシコ湾上の島国や、その先のヴェネズェラやコロンビアなどの南米にも近いという地勢もあって、「ラテン系のるつぼ」と言っても過言ではありません。
最近は南部全般の地域でヒスパニック系住民の比率が増えていますが、それでもやはりフロリダ南部は「ヒスパニック系の根城であり合衆国各地へ移住するための玄関」といっても過言ではありません。
*マイアミ
そんなフロリダ南部の中でも圧倒的にヒスパニック系が多いのがマイアミ市です。
テキサスやカリフォルニアのメキシコ国境沿いも、「看板全部スペ語やないかい」という景色が広がっていますが、マイアミはその比ではありません。「住んで日常生活しててスペ語を聞かない日が全くない」のがマイアミです。
私にはヴェネズェラ人のルームメイトがいましたが、その人の親もマイアミに小売店を経営しながら住んでいて、その貯蓄で子供がアメリカの大学に行く学費が出せた、なんて話をしていました。
一度私はマイアミの地元新聞の日曜版(その次の週の一週間の地上波やケーブルテレビのテレビ番組スケジュール表つき)を買ったことがあるのですが、ケーブルテレビで8チャンネルぐらい「オールスペイン語での放送局」が占めていて「そりゃ南米から来た人はまずマイアミ周辺に来るよな」と納得した覚えがあります。(なお、カリブ海地域からだとフロリダルートとNYCルートがあるみたいです〔知人のハイチ人談〕)
また、ヒスパニック系でなくとも、アメリカのウェイ系若者が遊びやすい街ではあります。ハイシーズンのマイアミなんかはあまりに乱痴気騒ぎが多すぎて「年寄り(私のことです)が来るとこじゃねえな」とは思ってますが(苦笑)。
まぁ、でもマイアミには良識あるヒスパニック系の商売人さんや政治家もたくさんいますのでヒスパニック系のパワーがいかに政治的文化的経済的に合衆国内で増えているかを実感するには最適の街ではあります。(ただ、ニュースでしか海外のことを知らない日本人の想像する「アメリカ」では絶対にない事だけは一応付け加えておきます。)
そして、政党支持的には民主党>共和党 というのも南部フロリダには多い傾向にあります。(「支持政党なし」も結構な割合でいます)
*キーウェスト
「アメリカ」「フロリダ」と聞いて多くの人が想像するのが上のUS-1(アメリカ1号線)の写真でしょう。
US-1は珍しくアメリカでは「国道」と呼ばれるものです。
上記のようなシールド(盾)型のマークは多くの州では州道として使われています。(もちろん、州によっては州の形のシルエットになっている場合も多いです。)
US-1は基本的にはキーウェストからマイアミまでの往復道路を指すことが多いですが、インターステイト(州間道)となっている部分を含めるとアメリカの東海岸をメーン州からフロリダ州まで網羅する長大な道路です。その多くはI-95と呼ばれるインターステイトで、私もI-95はジョージア~コネチカット間であれば自動車で運転した経験はあります。
US-1とI-95の違いは、といえば、US-1は起点がキーウェストとなっていてそこから北に向かって出口の番号が増えていくこと、逆にI-95はカナダ国境のメーン州ハウルトンが起点となって南に向かって出口の番号が増えていくことです。
よってジオゲッサーでI-95が出てきた場合は出口番号で大体の判断ができます。(ジョージア州の北部で出口番号が100を越えます)
車移動が好き、自動車運転が好き、という人であれば一度はこのフロリダのUS-1のキーズ部分を走りたいと思われるでしょうが、この地域、夏だと頻繁にハリケーンアタックがありますし、それ以外でも熱帯地域故の突然のヒョウを伴った雷雨や海洋性トルネードも発生します。故にそういう悪天候の時期はUS-1は閉鎖されます。(日本の高速で例えるならば、東名第一高速の浜名湖付近を想像していただければわかりやすいでしょうか)
なお、フロリダ・キーズ地区の場合、保養地として住んでいる退役軍人には共和党支持者が多く、貧困層に入る住民は民主党支持、と半々ぐらいです。
*ヘミングウェイと猫
キーウェストの観光名所といえば、文豪アーネスト・ヘミングウェイの家でしょう。アメリカが二カ所、キューバの1カ所が現在は「ヘミングウェイの家」として公開されていますが、最も有名なのがこのキーウェストのものです。一説にこの地域やキューバ(「フィンカ・ビヒア」と言われ、キューバ革命直後まで暮らしていました)に住んで、穏やかな晴天だけではなく、大しけやハリケーンの暴風なども経験したことが『老人と海』の緻密な海洋描写に生きているとも言われています。
さて、ヘミングウェイの邸宅の手前に猫が映っていますが、こちらヘミングウェイが大変な猫好きだったことにちなんでいます。
この猫さん達は「ヘミングウェイの猫」としてキーウェスト市から大事に保護されてのんびり暮らしています。ギリシャも猫王国ですが、キーウェストのヘミングウェイハウスは市当局によって排泄物や病気の治療なども受けている、大事な観光資源なのです。
このヘミングウェイの猫、イングランド南西部および北米の東海岸部では割と多くいる「指の数が多い猫」です。特にヘミングウェイハウスの猫は近親交配の影響もあって、「一つの脚に6本以上の指がある多指症の猫」が約半数いて非常に多いのも特徴です。(大体常時50匹ぐらいはいるのだとか。キーウェストを毎年数々襲撃するハリケーンの中でも元気に生き残っています)
猫の多指症は、メインクーンなどの特定品種でブリーダーによって受け継がれているものもあれば、このヘミングウェイの猫のように突然変異で生まれたものが近親交配でうけつがれているものもいます。ただし、遺伝的には劣性で、通常の生活には結構難儀をすることも多いので、注意が必要です。
まとめ的な何か
一応、深南部諸州、テネシー、フロリダと結構細かめに解説をしてきましたが、州ごとにホントに性格が違うので在住歴ある私にとっては「まあでっかいEUみたいな場所だよ」と説明するのが一番良いのかな、とは思ってます。
ほかの南部の州(ケンタッキーやらサウスカロライナやらノースカロライナやらヴァージニアやら)の説明はまた、「書こうかな」と思った時にでも書きます。
ではでは。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?