『パラサイト 半地下の家族』にコンテンツのちからを感じた。
※本noteはネタバレがあります!!!!
先日、『パラサイト 半地下の家族』をみてきました。めっちゃよかったです。
正直な感想言うと、とにかく「映画」としてかなり優秀な作品だなと感じました。もちろんストーリーも最高に面白いのですが、特に監督すげえと思ったのが、作品全体のバランス感です。
本noteでは『パラサイト 半地下の家族』を通して感じた、ポン・ジュノ監督のリスペクトするべき姿勢について語ります。
この映画の素晴らしい所はいくつかあるのですが、その一つが「貧困と金持ち」についてわかりやすく共感できるように伝えていることだと思います。
例えば、
・ただでwi-fi使っちゃう
・金持ちがひねくれていない
・そしてそれを羨ましく思う
・身分を詐称しても抜けない「臭い」
・変に英語にかぶれている金持ち感
舞台は韓国でしたが、私もあの家族に感情移入してしまいました。
彼らの経済状況は、なかなか悲惨な状況です。
でも半地下家族は、たくましく、ずる賢く、時に笑いと、滑稽さを交えるために、私はほどほどのストレスで最後まで見ることができました。
……そう、
辛く悲惨な状況を、辛く悲惨なままに描かない。
あのバランス感がいい。
ところどころ楽しく描くおかげで、
・観てよかったという満足感がある
・見た後何回も思い出せる
・友人に勧められる
という効果がありました。これは本当に重要なことだと思います。
この手の貧困をテーマにした作品は「視聴した後胸くそ悪く」なることが多く、友人に気軽にすすめられない。
話題にはなるかもしれないが、たとえ観たとしてもあまり思い出したくないので「自分だったらどうしたらいい」とか「社会問題について」あまり考えようと思わないでしょう。
だが『パラサイト 半地下の家族』はそれらをクリアしている。
悲惨なシーンがあっても、悲惨になりすぎない。(パーティーシーンは悲惨の一歩手前だったけど、バーベキューの串とかファーゴ的な滑稽さがあって悲惨になり切らなかったと思う)
話の面白さ、社会問題の描写、前向きさ、俳優たちの抜群の演技、魅力を引き立てる構成、そのすべてがほぼ満点。
すごい、すごい作品でした。
すごい作品だったから私はいまあの作品について考えてしまっています。
こんな人の心を動かしてしまう作品を作ったポン・ジュノ監督に賛辞を送りたい。そして「面白さ」を交えつつ、人々に問題に目を向けさせるその姿勢を真似したい。
というのも、それこそがコンテンツのちからだと思ったからだ。
真正面なニュースでも、人々の感情を煽るだけのコンテンツでもなく、面白くて思わず誰かに勧めたくなるような作品こそが、多くの人に受け入れられ、世界をポジティブな方向に変えていけると感じる。
私はいつか作る。
ポン・ジュノ監督ぅぅううううう、
リスペエエエエエエクトォオオオオオ!!!!!!!
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