ἀπολύτρωσις(アポリュトローシス)身請け、解放
2023年11月23日 木曜日
『ローズンゲン』
『日々の聖句』
旧約 詩編 69:6
神よなんぢはわが愚なるをしりたまふ わがもろもろの罪はなんぢにかくれざるなり
(文語訳、5節)
神よ、あなたはわが愚行をご存じです。
わが罪過はあなたには隠しおけません。
(月本訳)
『日々の聖句』
新約 エフェソ 1:7
我らは彼にありて恩惠の富に隨ひ、その血に頼りて贖罪、すなはち罪の赦を得たり。
(文語訳)
私たちはこの御子において、その血による贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。これは、神の豊かな恵みによるものです。
(聖書協会共同訳)
この方において、その血による贖い、すなわち過ちの赦しを、神の豊かな恩恵によってわたし達はいただいているのであり、
(塚本訳)
【ギリシャ語原文】
ἐν ᾧ ἔχομεν τὴν ἀπολύτρωσιν διὰ τοῦ αἵματος αὐτοῦ, τὴν ἄφεσιν τῶν παραπτωμάτων, κατὰ τὸ πλοῦτος τῆς χάριτος αὐτοῦ,
【発音と逐語訳】
ἐν ᾧ ἔχομεν τὴν ἀπολύτρωσιν διὰ τοῦ αἵματος αὐτοῦ,
(エン ホー エコメン テーン アポリユトローシン ディア トゥー ハイマトス アウトゥー、)
〔〜にあって その方に 私達は持つ 解放を 〜を通して 血を 彼の〕
τὴν ἄφεσιν τῶν παραπτωμάτων, κατὰ τὸ πλοῦτος τῆς χάριτος αὐτοῦ,
(テーン アフェシン トーン パラプトーマトーン、カタ ト プルートス テース カリトス アウトゥー、)
〔無罪放免を 転落の罪の 〜によって 豊かさ 恩恵の 彼の〕
【試訳】
《その方にあって、私達は彼の血を通して罪からの解放を、転落の罪からの無罪放免を持っている、彼の溢れんばかりの恩恵によって、》
【単語】
ἀπολύτρωσις(アポリュトローシス)
(< ἀπολυτρω、アポリュトロー)
身受け金λύτρον〈リュトロン〉を払って買い戻す)
見受け、解放、あがない、奴隷解放、放免
ἄφεσις(アフェシス)
(< ἀφίμι、去らせる、赦す)
①去らせること、解放、釈放、自由を与えること
②ゆるし、赦免
παράπτωμα(パラプトーマ)
(< παραπίπτω、傍へ落ちる)
側へ落ちてしまうこと、踏み外して落ちること、違反、罪過、堕落、背教
「贖う(あがなう)」という言葉は、クリスチャンの中で使われる専門用語のようなもので、
一般の人たちには通じないことが多いだろう。
辞書にあるように、
原意は
何らかの負債で奴隷として売り払われた人を、
「リュトン(身受け金)を払って買い戻す」ことを意味する。
奴隷制のない現代では、あまり実感が湧かない言葉かも知れない。
かつての女郎屋なら、「身請け」が近いかも。
今で言えば、借金のかたに風俗店などで働かさられている女性が、誰かに借金を支払ってもらい自由になること(解放されること)。
「借金」という感じがらめの縛りからの《解放》と言う意味合い。
「借金」のところに、《罪過》を入れれば、
《罪過という縛りからの《解放》となり、
それがキリスト教的な《贖い》となる。
その代価は、神の独り子の《血》。
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