2レプトン銅貨の献げ物(マルコ伝12章42節)
2024年1月2日『ローズンゲン』
『日々の聖句』
旧約 詩編 54:8
我よろこびて祭物をなんぢに献ん ヱホバよ我なんぢの名(みな)にむかひて感謝せん こは宜しきことなればなり
(文語訳、6節)
私は進んであなたに供犠を献げ、
ヤハウェよ、あなたの名を讃えます。ーー まことに善き〔名を〕。
(岩波訳)
私は進んであなたに供犠を献げましょう。
ヤハウェよ、あなたのみ名を讃えましょう。
それは恵み深くあるがゆえに。
(月本訳)
ミルトスの対訳によると、
「自由な意志で私はあなたに犠牲を捧げよう、
私はあなたの名を感謝する、なぜなら良い(トブ)〔から〕。」
ギリシャ語70人訳
ἑκουσίως θύσω σοι,
ἐξομολογήσομαι τῷ ὀνόματί σου, κύριε, ὅτι ἀγαθόν·
( LXX 53:8 )
わたしはあなたに進んで献げ物を捧げます。
主よ、わたしはあなたの名を讃えます。
それはよきもの(アガトン)だからです。
(秦 訳)
『日々の聖句』
新約 マルコ 12:42
一人の貧しき寡婦きたりて、レプタ二つを投げ入れたり、即ち五厘ほどなり。
(文語訳)
ひとりの貧乏な寡婦が来て、レプタ銅貨五円)二つ、すなわち(ローマの金で)一コドラントを入れた。
(塚本訳)
【ギリシャ語原文】
καὶ ἐλθοῦσα μία χήρα πτωχὴ ἔβαλεν λεπτὰ δύο ὅ ἐστιν κοδράντης.
【発音と逐語訳】
καὶ ἐλθοῦσα μία χήρα πτωχὴ
(カイ エルソーサ ミィア ケーラ プトーケー)
〔そして 来た ひとりの 寡婦が 貧しい〕
ἔβαλεν λεπτὰ δύο ὅ ἐστιν κοδράντης.
(エバレン レプタ デュオ ホ エスティン コドランテース)
〔投げた レプタ銅貨を 二つの それは コドラン〕
《寡婦が捧げた献金額》
レプタ銅貨は、「最少の銅貨で1デナリオンの1/128
クァドランス(コドラン)はローマの青銅貨で、1デナリオンの1/64
デナリオンは、1日の賃金相当
今日の貨幣価値なら、日当1〜2万円くらいかな。
とすれば、1レプタは80円〜160円
時給1,000円で7時間勤務なら、1日7,000円 とすれば、
1レプタは55円くらい。
安い方として、この寡婦が神殿に捧げた賽銭は、100円くらいかな。
(1960年頃の塚本訳当時では5円と解釈されていた)
この100円が、彼女の全財産だったと、主イエスは見抜いていた。
「彼女は、乏しい中から持っている物すべて、生活費を全部入れた」と。
この後、彼女はどうなったのだろう。聖書には何も書かれていない。
しかし、主はきっと放っておかなかったに違いない。
もしかしたら、主に付き従った女性たちの一員になったのかもしれない。
でも、間違いなく主の眼差しは、彼女に向けられていたのだ。
そこに神の国が到来していたと私は思う。