10_かべつよしのポイントまとめ
住宅の耐震性を向上できる弊社主力商品「かべつよし」
2000年の販売開始以来、20年以上に渡って多くの事業者様にご利用頂いております。
今回は、初めてもしくは久しぶりに「かべつよし」をご利用頂く方向けによく頂くご質問や知っておいたら役立つポイントをご紹介します
ポイント① 天井・床を壊さないから工期の短縮・安価で工事が可能
天井・床を解体せずに壁補強ができるので、手間・時間・騒音・粉塵等のリスクを抑えられます。また、建築防災協会の認定も取得していますので、補助金の対象にもなります。
ポイント② MDFが良いか、モイスが良いか?
初めてつかって頂く場合、違いが良く分からないですよね。
よくどちらが強いか、というご質問を頂きますが、強さは【MDF】です!
じゃあMDFで良いじゃん、という声もあがるのですが、
使い勝手は【モイス】の方が良いです!
理由は2つありまして
MDFは強すぎるため、1枚だけでなく2枚・3枚と連続して設置してしまうと、耐力壁より重要な柱や梁・土台に過度な負担がかかってしまいます。
そのためMDFかべつよしは、3尺一箇所のみ、という連続仕様制限があるのです。(※後で説明するてもとせーこタイプの場合)
その点、モイスかべつよしは、3P~5P(つまり3枚~5枚)まで連続して設置することができ、仕様にもよりますが使い勝手が良いと言えます。
例えば、押入れなどの壁補強は、正面がどうしても6尺になる場合が多く、MDFだと連続施工が不可なので、使えませんよね。
使い勝手が良い2つ目の理由は、一つの現場でかべつよしの仕様が混在した場合に、職人さんの負担やミスなども発生する可能性が高まります。
MDFやモイスや筋交いや構造用合板など、壁や柱によって、金物・ビス・木材等がバラバラになると、間違って施工してしまうと、別の壁補強の際に材料が足りない!ということにもなりかねません。
ですので初めてのかべつよしの現場や、MDFかモイスか迷われている場合は
【モイス】を選ばれることをオススメしています。
デメリットは、MDFより少し値段が高いことです。(金額は仕入先にお問い合わせください。)
ポイント③ てもとせーこ金物タイプ(梁下400mm)かオリジナルコーナー金物型(梁下200mm)か
初めてかべつよしを検討頂く方は一番目立つボードのことを「かべつよし」と思われている方も少なくありませんが、実はボード以外のパーツが多岐に渡り、それら全てをセットで「かべつよし」と弊社は案内しております。
その中でも特に重要なのが、柱頭柱脚接合金物と呼ばれるものです。
従来の仕様の、オリジナルコーナー金物型(梁下200mm)は
土台と柱にとりつける柱脚接合金物も
梁と柱にとりつける柱頭接合金物も
L型のオリジナルコーナー金物を使います。
下記のように設置する為オリジナルコーナー金物が4個同梱されています。
これで長年販売をしておりましたところ、ご利用頂く事業者さまから梁下が200mmという制限だと、工具も含めて柱頭に取り付けるのを苦労してしまう、という声を多く頂きました。
そこで柱頭接合金物だけ引き寄せ金物にして、職人さんの手元で取り付けられるようにしたのがてもとせーこタイプのかべつよしです。
ですので、最新仕様の、てもとせーこ金物タイプ(梁下400mm)は
柱頭接合金物だけ、オリジナルコーナー金物からてもとせーこ変更した仕様になります。
下記のように、職人さんもお手軽に柱頭部分の耐震補強工事を進めることが可能になりました。
しかも、オリジナルコーナー金物タイプなら200mmだった梁下開口が、てもとせーこタイプなら梁下400mmまで対応可能になりました。
この仕様の変更で更に使い勝手が良くなった!と好評を頂いております。
またモイスかべつよしを連続施工される場合、かべつよしとかべつよしの間の柱がどうなるかによって仕様が分かれます。(※少し細かく複雑になるので、次のポイントまでスルー頂いても結構です)
◆柱がある場合 ・・・ 3尺のかべつよしが横並びで施工された状態です
◆間柱の場合 ・・・ 間柱に添え柱をあわせ設置することが可能です
◆柱がない場合 ・・・ 板柱太、という後施工柱をOPで用意しています
とにかく、慣れない場合は、このような連続施工もふまえて
てもせーこタイプ【モイス】かべつよし、を選んでおけば間違いない!
とお考え下さい。
実際に、一番ご注文を頂いているのもこの仕様になり、全ての補強壁をこれにされている現場もたくさんございます。
では、おさらいです。
◆天井・床を壊さないリフォームで
◆モイスかべつよしの
◆てもとせーこタイプ、を選ばれたあとのポイントを紹介します。
ポイント④ かべつよしの仕様
初めての耐震案件で壁補強を検討される場合、両端の柱の芯芯にボードをとめるつける【大壁仕様】をイメージされることが大半です。
しかし、しかしです。実際の現場では大壁仕様で取り付けられる壁は極めて少ないのが現実です。
下記の平面図をご覧ください。
黒色で中心に○印がある壁が、耐力壁=かべつよしなのですが、大壁仕様は1枚もありません。
なぜ大壁仕様にできないかというと、柱の一方が入隅になっている為、柱の芯にとめつけられないからです。
大壁仕様が不可の場合、別の仕様が2つあります。
2つ目の仕様 入隅仕様
下記の図では左側の柱しかボードを柱の芯でとめていません。先程の図面では、階段や台所と廊下の間仕切り壁に壁補強しようとすると大壁仕様は無理なので、入隅仕様で検討したりします。
上からみるとこのような施工になります。
大壁仕様に縦の桟木を柱内にあてて、その桟木に耐震ボードを設置するのです。
ただこの入隅仕様もあまり設計されることはありません。
なぜかというと、もっと使い勝手が良い仕様があるからです。
それが3つ目の仕様である真壁仕様です。
下記のように両方の柱内に受け材をとりつけ、その受け材にボードをとめる仕様になります。
なぜ真壁仕様が一番多いかというと、柱内に受け材もボードもおさめるためどの部屋でもどんな壁でも基本は設置できます。オールマイティーな仕様なんですね。
なので初めてのかべつよしの現場や、MDFかモイスか迷われている場合は
【モイスかべつよし真壁仕様】を選ばれることをオススメしています。
長文にお付き合い頂いてありがとうございました。いよいよ最後のポイントです。
ポイント⑤ おさまり
ここまでの説明をご理解頂いたとして、
てもとせーこ型モイスかべつよし真壁仕様に決めたという方に、最後
「おさまり」を確認してください、とお伝えしています。
例えば柱径が105角だとすると、これまで説明しました
◆モイスかべつよしのボード
◆受け材としての桟木(縦と横)
◆柱頭柱脚接合金物
が柱内におさまる必要がございます。
これは施工マニュアルの解説図ですが、裏には反対側の壁がある前提で、手前の壁を撤去してかべつよしを設置する説明がされている箇所になります。
柱径を一般的な105角でイメージしてみてください。
まず、柱頭柱脚接合金物を取り付けます。
金物の幅は、てもとせーこは32mm、オリジナルコーナー金物は45mmで、105角の柱内の柱頭と柱脚部分に筋交いが入るようなスペースがかなり難しくなります。
そして、ボードを打ち付けるための横と縦の桟木を設置します。幅は30mmです。
もし、この壁が土壁だったとしたら、受け材が土に干渉する可能性が高く、また、てもとせーこの長さが520mmありますので、柱頭部分の土壁にも干渉する可能性が高くなります。土壁を切り欠いた場合に、切り欠く前の土壁の耐力はとれなくなるため注意が必要です。施工手間を考えると、土壁を最初に撤去される現場も少なくありませんのでご注意ください。
そして、柱内にかべつよしを取り付けます。
この際も真壁仕様なので、両側の壁面やちりなどをしっかり計算してください。ちなみにモイスは9.5mm、MDFは9mmの厚みがございます。
とすると、
柱頭柱脚接合金物の幅
受け材の幅
かべつよしのボードの幅
を考慮した場合、
筋交い45✕90の併用は無理と説明しています。30✕90の筋交いとの併用もおさまりが非常に厳しい可能性がありますのでご注意ください。
以上が、初めてかべつよしを検討頂いている事業者さまにお伝えしたい内容でした。
ここまで読んで頂ければ、耐震案件が初めての方でも、耐震・構造のプロフェッショナルに一歩近づいたこと間違いなしです。
下記の5つのポイントをふまえて、お客様に安全・安心をご提供ください。
まとめ
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