![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153722638/rectangle_large_type_2_60a26b6e4dcb3a7921203c4158f943fb.jpeg?width=1200)
ロジカル思考とデザイン思考、そして意味のイノベーション
Safeology研究所の田中です。
前回のnoteにて、山川さんが語った「直感と論理はせめぎあう関係ではなく、連環してサポートし合う関係」を読んで、2つの関係が頭に浮かびました。
1つめは、ロジカル思考とデザイン思考との関係です。
ロジカル思考は、私の授業だと「プログラミング」等で活用しています。ロジカル思考は、直感や感覚的に物事を捉えるのではなく、筋道を立て矛盾・破綻がないよう論理的に考え、結論を出す方法です。因果関係を明らかにする昔からの手法と言えるかも。
デザイン思考は、私の授業だと「情報デザイン論」等で活用しています。デザイン思考は、デザイナーがモノづくりをする際の思考プロセスや心構えをユーザーの問題解決に用いる方法です。デザイン思考の心構えには、言うのではなく見せる、人々の価値観に焦点を当てる、素早く形にする、徹底的な協働などがあります。先行きが不透明で将来の予測が困難な(VUCA)時代に適した手法と言えるかも。
世界的に見ると、戦略コンサルティング会社(ロジカル思考)からデザインコンサルティング会社(デザイン思考)へ一時注目が変わっていましたが、最近はデザイン思考の限界が言われています。
2つめは、デザイン思考とデザイン・ドリブン・イノベーション(意味のイノベーション)との関係です。
デザイン思考はスタンフォード大学のデビッド・ケリーによってビジネスへ応用され、デザイン・ドリブン・イノベーションはミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティによって提唱されました。
デザイン思考は消費者の声にもとづき商品のコンセプトを考える(外から内)のに対して、デザイン・ドリブン・イノベーションは企業側の人が様々な交流の中でコンセプトを作り上げる(内から外)のが違いです。
デザイン思考は問題解決をめざしますが、デザイン・ドリブン・イノベーションは新しい「意味」を与えることをめざします。
今回あげた「ロジカル思考とデザイン思考」と「デザイン思考と意味のイノベーション」ですが、どちらの関係も片方だけでは不十分であり、車の両輪のように両方の考え方をもつことで、不安な時代を生き抜けるのではないでしょうか。
文/田中洋一(Safeology研究所研究員/仁愛女子短期大学教授)