CareerQuestって?
キャリアクエスト(通称キャリクエ)は日常生活の中ではなかなか出会うことができない「カッコいい大人達」に出会う場を設けることで、生徒が視座を高め、社会・他者・自己への理解を深める機会をつくることを目的としたプログラムである。
簡単に本プログラムを説明するとこれに尽きるのだが、本稿ではこのプログラムの真髄にもう少し深く触れていこうと思う。
キャリクエでは前述した目的の達成において「カッコいい大人の話を聞く」、「仲間との対話」、「自身との対話」の3つのステップを重要視している。この3つのステップを詳しく紐解いていこう。
まずは、「カッコいい大人の話を聞く」ということを考える。自分より多くの経験を持つ人の話を聞くことは、彼らが長い年月をかけてたどり着いた答えや結論を経験を経ずして知ることを可能にする。もちろん、話を聞いて知るということと、その結論の本質を理解することは同義ではない。しかし様々な人の人生や世界を”知っている”ことは、何かの問題に対して自分自身で答えを導く際、非常に大きなアドバンテージとなる。
次に、「仲間との対話」がもつ意味を考える。同じ学園で共に学ぶ仲間達は、皆同じ十数年という年月を全く異なる環境で生きてきた。そして今、同じ学園で生活しながら異なる未来を描いている。仲間たちは何をしたいのか、何に情熱を注ぐのか、どんな未来を描くのか。同年代の仲間が見る世界の話は、大人の話よりも親近感のある話題として捉えられるかもしれない。今後切磋琢磨していく仲間との出会いと対話は生徒によりリアルな刺激を与えてくれるだろう。
最後に「自分の言葉で話すこと」の重要性を考える。自分の思想や情熱を言語化するためには自分自身と向き合うことが不可欠である。自分はどんな未来を描きたいのか、どんな世界を創りたいのか、自問自答の末に口から出るのは情熱がそのまま乗った言葉である。つまり、「話す」のプロセスには「考える」が含まれるのである。そして自分の夢を語ることは同じように夢を持ち、共に歩んでいく仲間を引き寄せる。また、人に夢や目標を話すことによって生じる責任感は新たなアクションを起こす原動力となる。
ここまで一つひとつのステップについて詳しく述べたが、この3つのステップに含まれる共通の要素は「刺激」、「思考」、「行動」である。そしてこれらの要素を一つの空間に実現させるのがキャリクエなのである。
夢がある人にとっては夢実現への道に、まだやりたいことを模索しているという人にとっては夢を見つける場に。自分の人生(キャリア)を探求(クエスト)する。キャリクエはまさにその名を体現したプログラムなのだ。
本プログラムはまだ第一回を終えたばかりで、その旅路は始まったばかりである。参加した生徒たちはこの企画からどのような刺激を受け、どんな行動を起こしていくのだろうか。キャリクエとその参加者たちの未来を、CareerQuestのWebWriter2人で伝えていく。
読者の皆さまも共に見届けていただければ幸いである。
文責:鯨岡愛