公務員退職(転職)のきっかけと理由5つ
公務員は安定していて恵まれた職業だと言われます。しかし私は30代半ばで公務員を退職し、民間企業への転職を決意しました。
現在は個人事業主ですが、公務員から退職後は一度民間企業に転職しました。
その際の退職(転職)の理由をつづってみようと思います。
退職のきっかけ
まず、私が退職を思い立ったエピソードから。
私は市民の方からの申請や問い合わせが頻繁にある窓口対応系の部署にいました。
ある日、同じ係の女性職員が、申請書類のチェック欄への記入が漏れている人に1件1件電話をかけていることに気が付きました。
大量の書類を記入漏れがないかチェックし、漏れを見つけたら確認の電話をするという作業をしていたようです。
私はその作業を横から見ていて、「うわぁ、めんどくさっ!テレアポやん。こんな無駄な作業したくないな…」って思ってしまったんです。
申請書類が複雑で分かりにくいため、一定数の記入漏れが発生してしまうことは仕方ないことだと思います。ただ、それをカバーする作業を人力で対応していることに、非効率さを感じずにはいられませんでした。
しかし、もし来年、自分が担当になれば同じ作業をしなければいけません。
そう思ったとき、
「こんな無駄な仕事をするのは人生の無駄じゃないのか?」という思いが沸々と湧いてきました。
もともと、あと数十年公務員を続けることには疑問を抱いていて、スキルを付けるためのスクールについて調べたり、不動産投資の本を読んで勉強したりしていました。
でも、実際に公務員を辞めるという決断は重く、先延ばし状態でした。
30半ばだったので、転職するならギリギリのタイミング。
うじうじ悩んでいる暇があるなら、行動しようと思い、まずは転職エージェントに登録しました。
次に、退職の理由を説明していきますね。
公務員退職の5つの理由
副業禁止
異動によるキャリア分断
苦手な業務
転職活動で内定を得た
子育て環境を整えるため(小1の壁)
まず、1つ目の理由は副業できないことです。
将来的に時間的な自由がほしいと考えていた私は、自分で稼ぐ力をつけることが必要だと感じていました。
ですが、公務員は原則副業が禁止されているので、給与以外に収入源を作ることができず、組織に依存し続けなければなりません。
実際に副業で稼ぐことは簡単ではないですが、やってみなければ分かりません。
そのチャレンジすらできない状態は不自由で、両手足を縛られているような感じがしました。
そこで私は、いきなり個人事業主になるというリスクを取るのではなく、まずは民間企業に転職し、副業を始めることを選びました。 このステップを踏むことで、新しい挑戦をしながら、少しずつ理想の未来に近づけると考えました。
ちなみに、不動産投資をしている公務員もいると知り、職場の規則を調べてみたのですが、私の勤めていた自治体では、多額の借り入れによる不動産投資は認められていませんでした。
それを知って、なんでここまで制限されないといけないんだろう?と理不尽に感じました。
そして同時に、行動を制限される以上に公務員として働き続ける価値ってあるだろうか?とも感じました。
2つ目は、定期的な部署移動があることです。
私の勤めていた自治体では4年前後で人事異動により部署が変わります。
異動のたびに新たな仕事を一から覚えなおすのは結構きついです。
分からない点を同僚(たいてい忙しそう)に尋ねるのも、気をつかいますし…。
また、自分の専門となるものが積み上がらないので、転職活動では自分の強みをアピールするのは工夫が必要でした。
3つ目は、窓口や電話対応が苦手だったことです。
どちらかというと、パソコンで黙々と作業する方が得意です。
窓口や電話での対応は苦手意識をもっていました。
すらすらと言葉を紡いで、的確に説明できる人をみると羨ましいなと思います。
甘いかもしれませんが、苦手なことではなく、得意なことを活かせる仕事がしたいなと漠然と考えました。
あと、正直なところをいうと、クレーマーなどの対応は本当に精神を削られます。
そもそも、市役所に来る方は社会的に困っている方が大部分を占めます。
そういった方々のサポートはやりがいを感じます。
ですが、ごく一部は、こちらの説明を理解しなかったり、一方的な意見を押し付けてきたりする方がいるのも事実。
メンタルを強く保つ必要があると思います。
4つ目は、転職活動の結果内定を得たためです。
これは、決定的な退職の後押しになりました。
給与や福利厚生的には公務員より下がるのですが、在宅勤務制度やフレックスタイムがある会社。家庭と仕事の両立がしやすい環境で、新しい仕事にチャレンジしてみようという思いもあり、転職することにしました。
最後は、子育て環境を整えるため(小1の壁への対応)です。
退職前は時短勤務制度を使っていたので、子育てとの両立はしやすい環境でした。制度を利用することに理解のある職場だったのは非常にありがたかったです。これは公務員の大きなメリットだと思います。
ただ、私が勤めていた自治体では、子どもが小学生になると時短勤務制度の対象外となり、フルタイム勤務に戻る必要がありました。
小学生になると、朝の登校時間や学童の迎えの時間が保育園の預かり時間より短くなるため、夫婦で勤務時間を調整する必要が出てきます。
このいわゆる『小1の壁』に直面すると、フルタイム勤務での両立は不可能ではないけれど、生活に余裕がなくなるのは避けられません。もし残業の多い部署に異動になったら、祖父母に協力をお願いしたり、他のサポートを利用したりする必要があります。
しかし、内定をもらった会社には、在宅勤務やフレックスタイムの制度があることや、小学生まで時短勤務制度を利用できることを知り、「これなら大丈夫かも!」と安心しました。
最後に
退職を考えて、それを実行するのって、本当に勇気がいることだと思います。
安定している公務員の仕事を離れるのは、不安もたくさんありました。
転職活動中も、公務員をやめて本当に後悔しないかな?と気持ちが揺れたり…。
でも、一度きりの人生だし、やらなくて後悔するよりはいいだろうという思いから退職を決断できました。
これから、この決断が「正解だった」といえるように努力していきます。
この記事が、同じように公務員からの退職・転職を考えている方の参考になれば幸いです。