
なんか嫌~な話。➁
※アタシの子供の頃の話。
➀の続き話していくよ~!!
演歌みたいに「寝台列車」で見事都落ちの
両親とアタシ。
父親の友人を頼って訪ねた。
とりあえず前もって送ってくれた荷物は
預かってくれたけど、
その後のことは援助も協力も出来ないと
玄関口で言われた。
「勝手に来られても困る。」
「うちにも事情がある。」
「荷物も早くどこかへ持っていってくれ!!」
そう言われた。
そんな時ひとは薄情だ。
いや、勝手に荷物を送り付けた父親が悪いのかも知れない。
相手がひとりものならまだしも、
相手にも家族があり状況もあっただろう。
分からなくはない。
ただ当時のアタシには理解できるわけもない。
両親でさえも整理がついてなかったのだから…。
かすかな希望をもって訪ねた友人に
あっさりと協力はできないと言われ
途方にくれる父。
寒い玄関先で不安げに待つ母とアタシ。
父の友人はティッシュに包んだ
掌に収まるものをアタシに無理やり押し付けた。
普段ならそういうものを両親は全力で止めて
押し返していた。
この時はそんな普段のことさえも
忘れるくらい狼狽し気持ちが
整理できてなかったのだろう。
後にティッシュの包みを開くと
しわしわの5千円札が1枚包まれていた。
自分にもらったものは自分で管理して大切に使いなさい。
常日頃から言っていた両親だったが、
この時は母親にスッと取られ父に渡していた。
「藁にもすがる」思いで友人を訪ねた両親とアタシ。
行く当てもなくとりあえず安い旅館に泊まる。
暗くて狭くて布団が既に敷いてあって
ちっちゃなお金を入れて見るTV。
こんな旅館は初めて泊まった。
今までは旅行といえば旅程をたて予約し
綺麗な部屋で食事を取りのんびり温泉につかり
家族3人幸せを幸せだったと
実感できないほどの日々を
送っていた頃。
疲れ果てた両親の顔。
事
幼少期から人の顔色ばかりを見て
育ってきたので当時12歳のアタシには
かける言葉も思いつかないし、
とにかくじっと静かにして
母親と一緒の少し冷たくて
じめじめした布団にもぐりこんだ。
12歳の人生最悪を
行ったこともない地方のどこかで
迎えた年末。
両親にとっても多分こんな経験はしたことは
なかったのだろう。
ふかふかの羽布団やふわふわの毛布で
なんの心配もなく休んでいた日々とは
真逆のじめじめ冷たい布団。
ここでアタシは久しぶりに
大泣きする。
小さい頃から泣き虫だったアタシだけど、
声を出さずに泣いていた。
泣き出すとしゃっくりが止まらなくなるから、
静かにさめざめと泣いていた。
でも父の
「心配しなくても大丈夫だから、
急にびっくりさせてごめん!!」
「でもお父さん頑張るから…」
そう言った途端、
我慢できずに意志とは真逆に
アタシは「ワンワン、ギャーギャー」
大声で泣き出してしまった。
地方のどこともわからない決して小ぎれいとは
言えない旅館の一室。
父は母とは二度目の結婚で
父と母は20歳近く離れて再婚して
出来たのがアタシ。
12歳のアタシの父としては既に60歳を
超えていたと思う。
そんな年老いた父に余力は到底あるはずもなく
この後更に色々な試練が
アタシら家族を襲うのだが、
ちょっと長くなったので
一旦ここで終わり。
※この話、ホントにしんどくて
今まで誰にも話せてない。
「墓場まで持ってく話」
でも年末だし吐き出したくなったので
書くことにした。