言葉にならないことをおそれないで
昨日、X(旧Twitter)でつぶやいたことを話そうと思う。
作品を読んだ、見た、それがこころに触れた、でも何が、どこが、どういうふうにいいのかが言葉にならないんです。そういう人はたくさんいる。こんなことを書いている私もそのうちのひとりである。
結論、言葉にできないことをおそれるな。
感想を言葉にできる、ってとても大変なことなのだ。きちんとした感想を書こうものなら、その小説や絵や映画などに対する知識(評価基準等)を知っておく必要がある。それらはどんな評価を市場でされているのか、というのも把握しておけば、書きやすいだろう。各項目のフォーマットに添って自分の感じた(抱いた)印象を書き連ねていったら、それなりに様になっている。それは書いていくにつれて、やがて手に馴染むようになってくるはずだ。
言葉にできないことの多くは、「言葉にするやりかたがわからない」に集結する。
けれどね、私はね、いろいろな作品にふれて、感じたことを言語化できないともやもやするから言語化に努めてきたけれどね、――そういった知識(理性)を超えて胸に響いた作品ってね、言葉にならないの。言葉にならないくらい、胸が打ち震えるの。
そのたびに、私は言葉の無力さを思い知る。
壁を越え、やってきた作品に、感情の波は大きくうねり、なけなしの言葉をあらいながしていってしまう。
そんなときはね、ぜひ、
「言葉にならないくらいよかった!」
と言葉にしてください。
言葉は思っているより無力です。言葉に圧縮される思いの渦がこの世界にはたくさんあります。容易な言葉ほど、誰でも言えるから、と人はあまり見向きしません。
でもね、たとえ氷山の一角であれど、言葉にすれば見えるんです。届くんです。
だいじょうぶ。あなたのその気持ちは、きっと届きますからね。
それでは、また。
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