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『迷路館の殺人』(綾辻行人)にみた小説における表現の可能性

HAKOMACHI 一日一冊 13/31冊目


ミステリー小説は好きですか?

本格派ミステリを本で読むということ
近年ミステリー小説もどんどん幅を広げ、様々な設定やバックグラウンドに合わせて、バリエーションが多様になってきていますね。
単純にトリックや謎解きを楽しむのが好きな方には、本格派のミステリをおすすめします。
ミステリ小説の面白さの一つは文章でしか味わえないトリックがあること。

たまに映画やアニメで「映像化不可能と言われた」という作品いたことがありませんか?これは、描写が相当過激か、もしくは文章でしか表現できない仕掛けが、作品の中にあるからなのです。
とはいえ、映像化しているからには、なんらかの手段を使ってそれを払拭していますが、文章で読んだ表現の方がそのままのトリックを味わうことができる、というわけです。

〇〇館の殺人

綾辻行人さんは外しません

本格ミステリを読むのであれば、綾辻行人さんの〇〇館の殺人から入るのがおすすめです。格式高い本格ミステリなので、「そういうことか!」と納得感を持って騙される面白さが味わえます。
「こんなのあり?」「それがOKなら何でもありじゃん」というガッカリ感が個人差なく少なめ、ともいえます。
まずは、ミステリー好きも初心者もまずは最初の「十角館の殺人」を読むことをおすすめします。

『迷路館の殺人』綾辻行人

僕が一番好きなのは、3冊目の『迷路館の殺人』です。
4冊目の『人形館の殺人』も捨て難いのですが、2冊とも本で読むからこそ味わえるトリックを楽しむことができます。

どんなトリックかは、楽しみが少なくなってしまうので、お話しできませんが、
もし、読んでみてお気に入りだったら
『図書館内乱』(有川ひろ)を読んだ後に『レインツリーの国』を読んでみてください。
音楽が好きでしたらRADWIMPSの「ふたりごと」を聞いた後に「メルヘンとグレーテル」を聞いてみてください。

ミステリーの好き・嫌いは?

僕にとって、好きなミステリーとそれ以外の違いは、
「綺麗に騙されるかどうか」です。騙された後も「そうきたかー」「気づけたなあ」と感じて、なんだかスッキリする。そんな感覚が味わえる小説です。

モヤッとする小説は小説で、あり得ない世界を描写するSFとして、
「こんなのあり?」みたいなこじつけ要素の強いものはある意味ネタとして、
楽しむことはできますが、まずはぜひみなさんにもスカッと騙される快感を味わっていただきたいです。

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