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道草日記21「座ると根っこが生えるイス」
さあさあ、
決心が覚悟に変わり、覚悟が現実に。
ようやく道草日記は森編に突入。
(2年と344日前からはじめた日記)
※過去の日記を読み返し、現在であるいまの気持ちを書き添えています。
伐ったら次は抜根
森の開拓は、焦らず、しかしながら雪が降る前には一段落させておきたいわけで。木をきったら根っこを抜くことが大変だという。わかっていたつもりでも、根っこというのは、こんなにも手を大きく広げて、というのか、こんなにも足を広げて、森の地をぐわしっとつかみとりながら立っているのか。
通常、ゴロンと巨大な岩や石が出てくるそうだが、この土地はなぜだかひとつも出てこない。抜根がラクでよかったねと言われる。なぜだ?という気持ちで白地図をみた。梨みたいな果実園のマークを見つけた。
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根っこからバトンタッチされた。 人工林は成熟期を迎えている。営みをまわすよう先人が植林した森、生き返りとしての森を有効に使う。長い丸太は建材に短いものは薪などに。次期は紅葉樹も植林したい。 小さな自分の仕事の手を止めて大きな地球に手を出してしまったと焦ることもあるけど。
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ウォーホールに請う。大量消費のそのひとつを唯一にいただく方法。
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どこにも売っていない唯一無二のイスをつくってもらいました。
座ると根っこが生えるイスです。
同じ日、同じ色はないから
こちらに来て、地元あるいは近隣でとれた食材を口にする機会が俄然増えた。味は濃い。大切につくられた生き物。近所から「どうぞ」といただく野菜やタマゴがこんなにも嬉しいとは。
時に、近くの友人夫婦が、遠方のカリズマイから通う私たちの胃袋を喜びいっぱいにしてくれる。疲労も吹き飛ぶ。
同じ日はない。同じ色も味もない。大事に食べて大事に寝るようになった。引越し前から、だいぶ疲労しているはずだが、とっても元気だった。大事なことだらけの日々だった。
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ニンニク醤油漬けにしたやわらかめに茹でたタマゴを常備しておくと豊かな気持ちになれる。
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初冬の森でマティーニ
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シーアスパラ(厚岸草)は塩湿地帯に生える植物。塩味強いため塩半量でパスタ茹で始め途中で投入して湯がく。湯切りしてトマトソースに和えた。 伊語(ラテン語: 塩の角という意味)はサリコルニア。ヴェネツィアの魚屋店先でも調達して食べたが和名である厚岸草は特別危惧種。
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同じ毎日がつづくわけはないのだから時に失望も期待もある。突然おわることもあるけど、それでも地球はまわる。宇宙を仰ぎながらそんなことを考える。 明け方東京からとんぼ返りで戻る途中4:00漆黒の牧場でしし座流星群を眺めるも月光が優勢だった。
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オーダーいただいた版画作品の額装まで終了。
同じ日、同じ色はないから、作品もそのように一点ものが好き。