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道草日記32「冬山小屋の記憶とこたつ」
ここに紹介する日記は過去のもの。
「2年と357日前」からはじめた過去日記のふりかえりが、ようやく「1年と363日前」(2023年)まで現在に近づきました。
※過去日記を読み返し、現在の気持ちを書き添えています。
カリズマイの暖房器具はこたつだけだった
2023年カリズマイで初めての冬を過ごした道草日記。そこには豊かに雪が積もっていた。俯瞰して今の気持ちを書いている現在2025年の1月30日、今年はまだまとまった積雪はない。
森の家ができるまでの限定期間、1年ほどを目標にカリズマイに住んだわけで。荷物が詰まったダンボールの巨塔に囲まれ暮らしていた。そんな混みいった生活空間に火器は厳禁。クーラー不必要な地域に冬のためのエアコンはついていなかった。友人に借りたこたつの下に、前の家で捨てようと思っていた2畳ほどのホットカーペットを敷いて寒さをしのいだ。そうそう、冬山登山で泊まる山小屋にはこたつがあって、沢山の人と足を突っ込んで寝たよな。
カリズマイではこたつの脚に角材を継いで椅子に座れるスタイルに改良した。こたつ布団がつんつるてんになるのが玉に瑕だった。
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本日も終日マイナス気温。仮住処には限られた暖房器具しかないが、欧州の極寒や冬山小屋の記憶があるからか単に強靭なのか、健やかに穏やかに暮らしている。暖房ない部屋でも羽毛布団だけでぐっすり眠れるタイプ。 こたつでぬくぬく仕事中。指先なし手袋を指先まである手袋に変えたけどね。
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ミラノの弟子時代につくった徳利はあちこちを旅していまこの新天地でもっとも活躍している。寒冷地でのむ日本酒は美味。 おかげで朝からカラダ温まってる。お弁当つくって漢方の勉強へ。降雪した道まだひとりは不安なので運転うまい友に乗せてもらう💧
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峠を越えて私設プレハブギャラリーへ。改造されたそこには東京の美術館も所蔵しない類の初見作家のハイレベルな作品が。 お茶を入れていただき中国の大きな歴史と民芸、そこから生まれる近年のアートについて話をうかがう。だれかが何かを守りなにかを変える。人も工芸も。
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峠から我が家を見つけるのが楽しみ。三茶のキャロットタウンから同じことしたなと思い出す。
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土鍋で煮る豚肉の背肉となつめ。漢方の生薬でもあるなつめ無くしては物足りないくらい相性良く美味。ぶどう酒の前菜に。 イタリアのマンマに教わったArista con l'uva(豚肉の背肉をぶどうで煮込んだ料理)からの発想。
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零下がつづく毎日。大寒波の頃よりマシだが冷えた大地は太陽を保熱しないようだ。都会より歩く頻度が減ったのでウズウズする。 生姜、ニンニク、高麗人参、ネギ、鶏ガラでスープを取り、陽暮れ前の1時間ほど森を散歩。帰宅するとすっぴん顔はリンゴ並に真っ赤だった。
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明日の授業の宿題が 終わっていませんが飲みます。
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運転の練習すると雪が舞う。本日は少し暖かく全面氷結とはならず。しかし湖面と顔面に叩きつける雪。立春を前に押し合い引き合う季節遊びなんて美しいのだろう。
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昨日の鶏ガラスープの残りはタイ風ラーメンに。鶏のナムサイスープ(透明スープ)にタマネギ、もやしたっぷり、トロトロに煮込んだ鶏肉、生姜を入れ、パクチーとレモンを添えて。ナンプラーでお好みの味に調整してレモン齧って麺の湯気あびればホカホカしっとりだわ。
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こんな深夜、路面凍った駐車場からクルマでお迎えに行けるとは人生想定外のことまだまだあるね。楽しそう。
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春にむかう動物とわたしの足あと。夕方からまたチラチラと雪が舞ってきたけれど。