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道草日記44「残り時間なんてみえない道草」

ここに紹介する日記は過去のもの。

3年と7日前」からはじめた日記のふりかえりが、ようやく「1年と316日前」まで現在に近づきました。2023年の春をふりかえっています。

※過去の日記を読み返し、現在いまの気持ちを書き添えています。

#道草


道草はおもしろくなくっちゃね


2年前の春の日記。
森は凍土がとけてインフラ設備が始まった。

あいかわらずカリズマイに住み、片道24キロを走ってほぼ毎日森の土地を眺めた。水道工事業者に挨拶したり、どんな工事なのかたずねたり、土地を訪ねれば誰かに会える。先住民と話をすればいろいろと教えてくれる。

うまくいく道ばかりではない。
湧き出るエネルギーと包容力、そして湧き出る資金力があれば解決することもあるのかもしれないが、実際は切なさも抱えながら歩いていた。(現在2025年春もこの状況は良くなるどころか)

施設に入っている母に定期的に会いにいく。朝一番の特急列車。基本的に日帰り。

わたしが東京から山のほうに引っ越したということは、何度か説明したが覚えていない。今の私は「知りたい」ことだらけの日々を送っているが、今の母はきっと「知りたい」という荷物を減らしたいのだろう。そうよ、もう知らなくたっていい。「夕方になると都内の電車混むから早く帰りなさい」と、目を細めて笑う母。

もう東京に家はない。
「そうだね、小田急線ってさ、混むもんね」と、わたしも微笑んだ。


2023.04.12

手づくりこんにゃくをブチブチ手でちぎりニンニク、生姜、鷹の爪で香りづけしながらごま油で炒め、醤油、みりん、甜菜糖を加え汁気がなくなるまで煮て、こんがり色がつくくらい炒め切る。白胡麻、七味唐辛子をふりかけて出来上がり。


2023.04.13

電車に手をふった。 つくるまえに道草いっぱいしよう。


2023.04.15

母の施設からの帰り道、数ヶ月ぶりに子に会いネパール料理をビール流しながら仕事の話など聞きじゃあまたいつか!とさっぱりしたもんで。親子とはこれでいいのだ。遠路を戻りやれやれ深夜帰宅。若さという光に照らされた道草。


2023.04.15

今朝の出麹。深夜に帰宅したのでちょい眠いが、鶯色の胞子が舞う幻想的な光景に目がさめる。 ここに水と塩を加えもろみの世界へ。発酵という旨みも道草がたくさん必要なのだな。


2023.04.16

昨日の霧。乾燥していた春の町が湿って森が一気に芽生えた。


2023.04.16

小鯵の南蛮漬け。 黒酢と塩少々、タンポポ花殻ジャムを加えて鯵をくぐらせます。


2023.04.17

残り時間なんてみえない道草。
型にはめだしたら決まりをつくったら、道草はおもしろくなくなる。
近くの鉄橋にたたずみながら。


2023.04.17

肉どうふ土鍋。 日本酒ちびちび最後にごはん乗せ。誰がどうつくるとか決まりごと一切いらない。次元が変わった。とにかく食べて飲んで眠て明日が楽しみになれば。