『母親になって後悔してる』オルナ・ドーナト 著 鹿田昌美 翻訳を読みました

p275より
 「女性にとって母であること自体が耐え難い」という考えは、ありえないと認識されがちだ。なぜなら、それこそが女性の「存在理由」とされるからだ。そのため、母の後悔に対する一般的な反応として、生活の困難、特に子育てと有給の仕事のはざまで苦しんでいるのが理由だと想定するのである。この仮定から、さらに解釈を広げると、女性には子育てと家の外での有給の仕事の2択しかないということになる。母になりたいか、キャリアウーマンになりたいかのどちらかなのだ。

『母親になって後悔してる』2022年 新潮社 オルナ・ドーナトオルナ 著 鹿田昌美 翻訳

 女性が子どもを持つことを強制されているイスラエル(体外受精を45歳まで無料で利用でき、平均3人を生む)で、子どもを産んで母親になって孫がいる年になってもずっと後悔しているとか、子どもを持った時になんて事をしてしまったんだ奴隷になったと感じたというヒトなど、23人を対象にしたインタビューと分析の本でした。
大変面白かったです。
妊娠出産を辛いし嫌だと書いている本すら少ないなかで、母親になって後悔してるという単語一つで世界を変換できるのは良いなあと思いました。
中でも、自分が出産して母親になって後悔するのと産んでしまった子どもを愛しているのは全くの別のことだというのがはっきり書き出しているのが素晴らしかったです。
自分が母親であるのに納得できないだけで、産んだ子どもを愛していない訳ではないのです。
そう、母親になること自体が耐え難いというのはとてもよくあると思います。大変不愉快ですから。

 引用は、女性が取りうる立場について。
そう!
別にすごく働きたいだけなわけでもなく、母親になりたいわけでもないのです。
ただ、楽しく生きていたいのです。
それにはお金が必要だから作るけど、別にそれだけがしたいわけではないし、そんなんよりも遊んでいたいのです。
とても不思議なのは、別にヘテロシスジェンダー男性ならよくある立場だと思うんですが、女性ではその立場になりたいと思うと思われないこと。
なりたいにきまってるやん、楽しいやん。
おいしいご飯食べて、楽しく友達と遊んで、コンテンツに感動して、適当に働いて死んでいくことの素晴らしさ。

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