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福岡県大会感想

2024.11.9~10 @北九州芸術劇場中ホール

というわけで、友人と二人で二日間、観劇してきました。
全10校の上演校の皆さま、審査員、劇場スタッフの皆さま改めてお疲れさまでした。自身の勉強が主な目的でしたが、せっかくなので勝手な感想を書きます。メモもとってないし、すべてのメッセージや思いを受け止めきれたわけではないです。こんな風に思ったよくらいに感じてもらえれば。


【籠の鳥】小倉商業高校

のっけから、僕が不勉強なので「ゴドーを待ちながら」は未履修です。
ので、講評を聞くまでこれがどんな作品なのか、どう受け止めてよいのかわからなかったというのが最初の感想です。わからないのでわからないなりの感想を書きます。僕は「待つ」ということがすごく苦手なので、友人のためとはいえ、よくずうっと待っていられるなあと思いました。その誰かを待ってる時のすんごい時間が長く感じる様とか、ちょっとイライラしてしまう気持ちみたいなのを思い出しながら見てました。それくらい物語がゆっくりすすむというか、特に何が起こるわけでもなく待つという行為がある以外は本当に何でもない日常がただただ流れていく。それをセリフ回しとかテンポとか色んな方法で体感させてくれる。からもうずっと気持ちがよくないんです。ある種不愉快な気持ちにすらなりかけるんですけど、これは審査員の皆様同様不思議と「みていられる」んです。あれなんなんですかね。これが狙ってやってる作品の魅力だとするなら凄いことだぞって思いました。知られていない言葉とかをあんまり説明しないのもよかったですよね。商業高校の日常を垣間見れたんですけど。なんか知らない勉強してる~。全然わかんない~って後半はもうわかんないことにニヤニヤしてる自分もいました。気持ち悪いけどなんか笑っちゃうんですよね。

とはいえ、やっぱり作品の狙いをもっと面白くする方法とかありそうで。
例えば、これが3日あったらどうなるんかなとか考えました。
1日1日をすこし短くするのか、テンポを上げるのかして仮に50分を25分ずつ2日やるのと、17~8分を3日やるのとでは伝わる情報もまた変わってくるのかなとか。ループならループで3日もあればループしてることが伝わるし、ちょっとした変化ももう一回分なにかできるよなとか。

とはいえ、前述した気持ち悪さが減ると思うので必ずしも良策ではないなって思います。通学シーンと教室のシーンとふたつあるけどいっそ通学だけにするとかしたら良いのかなとか考えました。

あ、ゴミのセット椅子が積んであるアレ。すごい好きでした。

総じて、自分のアンテナには絶対かからないものを発見できて良かったです。これを機に読むなり観るなりしてみようと思いました。
小倉商業高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【マッチ売りの少女】中村学園女子高等学校

むかーし、戯曲を触りだけ読んだのを思い出しました。
で、その文体とかが合わないと思って読むのやめてしまった1冊。
それを作品として観ることができたこと、そしてそれがこんなに面白く仕上がっていることにびっくりしました。素直にすごいです。
あんまり成功しないんですってね、高校生の別役実。でもこれは成功してるんでしょ?すごいですよ本当に。幕が開いてまず空間の埋め方が素晴らしいんですよね。あの広い舞台上を奇麗に埋めているというか。空間の埋め方って色々あるんですけど、ここまで細かく作りこまれてたら開幕で派手なことしなくても掴みがオーケーですもんね。縦の空間を埋めれてたのも効いてたと思う。小道具もしっかり用意してて、期待値が一気に上がりました。

これも、つじつまが合わない会話がずっと続くんですよね。
途中までは。でも初老の男のモノローグから「マッチ売りの少女」という言葉にどんな意味があるのかが浮かび上がってきて。そっからなんか一気に面白くなりました。1本目と今作と不条理が2作続いたんですけど、面白いんですね。わかるわからない=面白い面白くないではないんだなと思わされました。役者さんも皆達者ですよね。よくもまああんなテンポよくラリー出来るなあとか、お芝居のサイズ感が皆揃ってるとか、技術の高さを感じました。
最後の弟を角材でぶつとか、机に頭をとか、しんどいやろうな…稽古するの。本当、ビスケット食べて終わった後自分を甘やかしてって思いました。

本当によくできてました。ただ、やっぱり「どうして今、この作品なんだろう」「これをやりたいと思ったのは何故」みたいな部分が見終わって大きく残ったんですよね。名作なので、今のままでも面白いんですけど。既成の戯曲をやるならそこは感じたいなって思いました。それが作品を通して立ち上がってくると既成の完成形を目指すのとは違う面白味が出てきてもっと面白くなると感じました。無理にいじるではなく。意味を見出していくとそれだけで滲み出てきそうです。

中村学園女子高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【誰が為の恋文】戸畑高等学校

前2本の作品が重めだったので、高校生がワイワイしてる様がよりくっきりハッキリ感じられました。ラブレターひとつであそこまで盛り上がれるのかと自分が書いたものでもないのに勝手に恥ずかしくなりました。制限時間みたいなのを設定していて、セットの時計もリアルに進行していくってのは良い工夫でしたよね。あれ、途中で時計の時間って飛躍したりしたんだっけ?してない?してないなら随分濃い1時間を過ごしましたよね。体感2~3時間くらいで起こりそうな出来事の数々ですもの。

あとタイトルがとてもいいです。今回見た10作で一番好きでした。
今回、女性の皆様のギャグの思い切りの良さがある作品多くないですか?
漫画研究部(?)の2人は面白かったですね。博多の女は素直に笑いました。

教室内の人物の入れ替わりが良かったですよね。この会話をするのに、この二人だけにしたいとか、書いてて絶対あるんですけど、無理がないというか。ご都合主義になってないのがとても良かったです。未来の自分への手紙を破った橘さんが、過去の自分への手紙に書きなおすところも、橘さんの成長を感じられて良かったです。

アンジェラアキの「手紙」って。あれ、今でも使われるんですね。
10年以上前から使われてて、アレに代わる「手紙」を表現する曲ってないのかなあって見ながら考えました。名曲なんですけどね。会話とかキーワードが令和なのに、そこが平成ってのが、いやでも合唱曲になってるし時代を超えてる名作ってことですよね。枝葉です。

ストーリーの柱がいくつかあって、それぞれ違った味があるのもとても良いんですけど、やっぱり時間の制約がある以上それぞれが薄味になってしまうので、なにかひとつ、今回でいったら「ラブレター」に絞ってもよかったのかなとは思いました。普通に漫画研究部の話も陸上部の話もそれだけで見たくなるようなストーリーラインと登場人物、良い役者がそろっていたと思うので。全部しっかり味わいたくなってしまいました。

戸畑高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【背伸びのしかた】明善高等学校

これは本当に好きな作品でした。
納言さまゲームから始まって、女子だらけの演劇部に男子が来る。

さながら宮中に光源氏が来るみたいな(?)空気からの、しれっと皆連絡先交換してる的なね。あれも平安時代の手紙を秘密裏に交し合うみたいなのとかけてるのかなとかだとしたらうまいなあって思いながらみてました。

で、序盤は枕草子の「ものづくし」になぞらえてオムニバス的に短いシーンで小気味よく繋いでいって、後半テーマとかメッセージ性とかをゆっくり見せていく。この展開の仕方は流石だなと思いました。「~なもの」の文字の出し方も工夫があってよかったですよね。特に最初の白いボックスが回転して出て来た時は天才かと思いました。あれやりたい。後半、テーマ性が強くなっていったときにもっと効果的に出せそうだなってのも思いました。あと出すタイミングずらしてみるとかね。「これなんだろう」と思わせた後に出したりすると効く箇所もあるよなあとか。

ラストシーンも印象的で良かったですよね。
全部取っ払って自転車、空、青春!みたいな。

演劇は最後に大きな仕掛けがあるといいって誰かが言ってましたけど。
この作品はそれがしっかり効いてて良かったです。
願わくば、あのセットがなくなっていくところ見たかったですよね。
自転車の速度が上がっていくにつれてセットも全部飛んで行っちゃう!
みたいなことができたら、あやめさんの心情とも相まって気持ちよく見れたのかなとか勝手に想像しました。

あと、個人的に男子部員の使い方がとても好きでしたね。
大体変に弄られることが多いんですけど、ちゃんとギャグじゃなくイケメンとして扱ってるのとか、演技が下手なのを馬鹿にする感じじゃないとか見てて関心しちゃいました。笑い取ってる男子も大好きなんですけどね。
変に気を遣ってる様がないというか。

ルッキズムについて云々ありましたが、僕はその中でも「演劇が持つ力」を描きたかったのかなって感じました。解決が難しい問題だと思うんです。
その問題に今皆はどう考えてるの?とか何も解決してないやん!とかあると思うし、いつもなら確かに気になるなあと思ったんです。

でも今作はきっと描きたいのはその問題に対して云々じゃないんだろうなって感じて。もし僕の感じ方が合ってるなら、もっと違った後半の展開はあったんじゃないかなあって思いました。梗概に書いてある文章とか読んでたら余計にですね。

とはいえ本当に好きでした。
明善高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【たぶん、これが僕らのビリーフ】福岡中央高等学校

人間が「イヌ」と「ネコ」に2分された世界というぶっ飛んだ設定のファンタジー。ゲームとかアニメとかの世界観で好き嫌いで言うと好き。カタカナが苦手なので僕は書けないジャンルのエンタメでとても面白かったです。

ネコの挨拶がいいですよね。ニャオ!言いたくなります。
イヌはないんですよね。あの首輪を触って頭を下げるのがそれなんだと思うんですけど、そういうイヌとネコの文化の違いの細々したところがとても楽しかったです。捨て猫には名前はないけど苗字はあるとか。拘ってんなと。

雰囲気は海外っぽいんですけど、時代はいつとかどうにでも取れるなってお思ってて、今より古い時代で見るのがよいのかとも思ったけど、一回文明滅んだ後とかでも絶対面白いよなって思いました。

ラストシーンの兵士が服脱いだら猫ってのも良かったですよね。
あそこからの名乗りみたいなので一気にワクワクしましたもの。
そういう瞬間が前半~中盤にもっとあったらエンタメとして益々面白いよなって思いました。設定とか世界観を伝えながらもなんか印象に残るというか。新月に猫が踊ってるのが楽しいだけでなく美しいとか、いっそオリバーも歌っちゃうとか。ミュージカルっぽいかな…でもみたいな。ミュージカル版。

で、ファンタジーって世界観を見せるのが本当に難しいんですよ。
衣装とかセットとかそういうのをどこまで見せて、どこまで見せないのか。
例えば、どうしても劇場の機構が目に入るみたいなのをどう見せないようにしていくのかと…それってすごくお金をかけるって方法もあるんですけど工夫で見せられる部分もあるなあって思ってて。「お金がないからここまでしかできない」から「じゃあこうする」みたいな部分、ある種割り切りとか潔さがいるかもなんですけど、そういうのが感じられたらもっといいなって。

で、作った世界観を皆で共有するのもまた難しいんですよね。
ファンタジーに対する理解度で全然変わるから。なんか一本アニメ見てみるとか、風景画見るとかして、景色や文化を共有するともっと深まる気がしてます。でも、脚本演出家が出てないのはとても良いと思いました。

2話、僕も待ってます。

福岡中央高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【バリカタで、夜】久留米大学附設高等学校

アラフォー男性の私には大変刺さるといいますか、講評を聞いた時に、僕はしっかり見せる対象になってたんだなと思いました。昔は気にもされなかったことがひっかかる要因になってしまったんだなと。アップデートの大事さに気づかされました。とはいえ、作品を構成するクオリティは抜群に高くて、幕が上がっただけで面白くなると思わせてくれるセットは素晴らしいです。

二人芝居なので、何もしないとどうしても舞台が広く感じるんですけど、明かりの当たる範囲をぐっと絞ってることとか、劇場の照明だけでなくセットの中に仕込んである明かりとかも使って夜にポツンとある屋台の寂しさとか、静けさとかが表現されていたと思います。

観終わった後に思い出したのは「鉄道員」です。

最初から違和感があって、女性の方がただものじゃあない感じを最初に感じ取ったのは冒頭からしばらく顔がこっちに向かなかったところです。
強豪校と聞いていたので、この座る位置がまずいことくらいのことはどうにかするはずだよなあみたいな。

で、話が進むにつれてだんだん彼女が死に別れた奥さんだってことに気づいていくんですけど、違和感から事実が判明していく過程がとても丁寧で素晴らしかったです。

だからこそ、どこまでそれを言うのか…みたいな部分が難しくて。
僕は、個人的に「死んどるけん」って台詞まで必要だったかなあって思いました。言葉にする、しないの微妙なラインなので好みです。

情景描写的なものもすごく好きで。僕が一番好きだったのは車が途中1回通って、道路が一方通行。通り過ぎたら川を挟んで反対側から回ってこないってくだり。意図してるかはわかんないんですけど、そこでなんか時が戻らないとか思いが一方通行してる様が想像されてぐっときました。

役者さんも上手かったですよね。10年…20年…って未来を想像させて80年…の時にはもうおばあちゃんに見えましたもの。途中一瞬クスっとなった客席がシンとなりましたもんね。で、やば…!って思った瞬間に店主がそれを遮るでしょ。あのやり取りは鳥肌が立ちました。

総じてレベルが高く、僕は個人的に最優秀でもよかったんじゃないかと思いました。が、僕では気にもしない観点があるのがまた面白かったなと。
男性に都合がよい作品だったかもしれないけど、例えば講評で出た女性側が自分の意志で出てきてたとしても、やっぱりそれは男にとって都合がよくて、その感触は拭えないんじゃないかなあ。あと舞台は平成の初めの方でまだ昭和の色が残ってる時代の話だしなあ。とか。

久留米附設高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【ケセラセラ】嘉穂高等学校

設定が素晴らしいのは講評でも言われてましたが、本当にその通りです。
馴染みない校風とか文化祭の設定とか人物設定とかががスッと入ってくる序盤の掛け合いに会話をかくセンスを感じました。

ともすればアニメや漫画っぽくなってのっけから滑りそうな雰囲気のお芝居を現実のお話なんだなって引き戻してくれたのはヒヨリのディザイアでしたね。この日一番笑ったかもしれません。

ヒメメの気持ちを思うとすごく切なくなるんです。
僕も大人なので、いや頑張ってくれ!と。
ともすると、そういう頑張ってくれみたいなのも今のヒメメにはしんどいのかもしれないですよね。構ってちゃんに見えるかもしれないギリギリのラインで描けてたと思います。

伸びしろがすごくある作品だなって思ったんです。
やりたいことはすごく伝わるのに、術を知らないから伝わらないみたいなのがとても勿体ないなと感じました。

細かいこと言い出すときりがないのですが、脚本で言うと僕もホルモン好きだからこそ思っちゃうのが「いやそれで弾くのがホルモンじゃないんかい!」みたいな。ロックのランドマークだけで使うのめっちゃもったいなくて。劇中で登場人物が悩んでることとか歌ってたりするから。アコギで無理やりホルモン歌ったらめっちゃカッコいいのに!とか思っちゃいました。デスボイスとかは難しいけどドラムのナヲが歌うパートとかいい曲沢山あるよ!是非これを機に聞いてみてほしい。

シーンを繋ぐときに短く曲を流してカットアウトしてって手法も良かったんです。ただ、切れ目と次の入る箇所が気持ちよくなくて、曲の気持ちいい切れ目でカットアウトして、サビなのか前奏なのかが入る箇所からスタートするとか役者も曲感意識しないといけないから大変なんですけど…。ここまで音楽使えるからこそもう一歩こだわってみたら爆裂に面白くなるんです。

「ケセラセラ!」ってそろって言った後に「ケセラセラ~♪」って流れちゃうところとかもね。過多になっちゃうので。曲のどこから流すのか、どこ出来るのかみたいなのはこういう演出したいなら拘れるよなあって思いました。

ヒメメのお部屋があの位置なら、「ステージから降りる」が客席で良かったのかなとか、言い出すと本当際限なく出てくる作品ででも、演出がちゃんと効いてきたらそれだけで滅茶苦茶面白くなる可能性があるなと思いました。

こうしてアレコレ出てくる作品はその根っこが面白いからなんだと思うんです。ブラッシュアップしての再演とかしてみてほしいです。一度やった作品は二度とやっちゃダメとかないので。それこそ今回の大会を通して見えた者もたくさんあると思うんです。嘉穂に限らず。皆さん。

嘉穂高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【避難所(いばしょ)】福岡魁誠高等学校

避難所の1室を巡る争い、からの結束のお話。
トランペットがめちゃめちゃ効いてるのと、ラストの朗読が印象的で終わり方が素晴らしかったですよね。

脚本を書くにあたっての取材もとてもよくされているようで台詞の端々にそれを感じることができました。

ストレスから、争いが生まれていくみたいな展開の仕方があったと思うんですけど、個人的には争いの過程とかバックボーンをもっと見たかったの思いました。僕は災害も避難所もまったく経験がないので感覚的なことしか言えないんですけど、ストレスが溜まっている状況で本当に「こんなときに勉強?」ってなると思うんです。でも、たぶん勉強するということが藤原さんにとって拠り所になってるんじゃないかなとか思ったんですよね。「大学に行くため」みたいなのはある種建前みたいな。同じように、皆とワイワイすることが拠り所になってる九条さんがいて、アプローチは全然違うけど、根本に抱えてる将来の不安とか今の生活のストレスとか、そういう部分で共通する部分ってたくさんありそうに見えたんです。その背景を描いたうえで、共通するもの、あの場の皆が、ともすれば客席が共有できるものをきっかけにひとつになっていく過程が描けたらぐっと物語がよくなる気がしました。

そのきっかけがトランペットのなるのかなあって。
ハッと目が覚めますもんね。あの音。

個人的に大野君と高坂君の関係が好きだったのでそこのドラマもう少しみたかったなって思いました。高坂君カッコいいですよね。

誰かが突出してうますぎるとかなく、全体としてレベルが高くて良かったです。お芝居のレベルを~みたいな話もありましたが、これは今回の劇場が環境が良すぎたせいだろうとも思いました。地区大会のホールだと反響凄すぎたり、広すぎて聞こえなかったりするからですね…全地区大会がここで行われたらいいのに…。でも環境に合わせてお芝居調整するとかも必要なので、そう言う意味では他校のお芝居もちゃんと観たいですよね。色んな位置から。

下準備は完璧だと思うので、良い調理の仕方ができたらいいなと思いました。

福岡魁誠高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【激選クロスオーバー】福岡第一/第一薬科大学附属高等学校

こちらは地区大会から見てるので、概ねの感想は変わらないのですが。
欠点をしっかりブラッシュアップしてたのが良かったと思います。

リサとレイカ、学園長の演技が凄まじく良かったですよね。
学園長は置いておいて、リサとレイカの2人は昨年はセンスが光ってたんですけど、今年はしっかり努力してより強い俳優になってたのが良かったです。昨年悔しい思いをしてから今日まで本当に踏ん張ったんだなと。

学園長は自分の武器を見つけたのか、見つけてもらったのが良かったと思います。せっかく見つけた魅力なので、さらに磨いてほしいです。

それ以外のキャストの皆さまも自分の役の「美味しいところ」を地区大会で学んで、県大会でさらにブラッシュアップしてたのが良かったです。九州大会だとホールがさらに大きくなるイメージなので、声量と滑舌、音響のボリュームは大きな課題かなと思いました。

テクニカルのきっかけが地区大会より安定してたと思います。
あの数のきっかけをこなすオペの方々がすごいです。

終演後の客席とかロビーの沸き具合がすごかったですね。

ところどころから「悔しい~」と聞こえてきてて、それは確かにそうかもしれないけど、昨年同じように悔しい思いをした面々が今年こうして勝ち上がっていったので、その悔しいを是非次につなげてほしいです。

課題は脚本で、ブラッシュアップするためにはちょっと勇気を出して切らなきゃいけないものもある気がしました。今までは枝葉でこまけえところは良いんだよ。で済んでたところも九州大会ともなるとそうは言ってられない気がします。

福岡第一/第一薬科大学附属高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【南へ2度、西へ10度】門司学園高等学校

前の作品が作品だっただけにどうすんだこれみたいになりました。
が、開幕の2人の掛け合いで杞憂だなと思いました。
光と青葉が上手すぎる。振り切り方が気持ちいいです。

そこからの場面転換もとても良かったです。
で、人が増えても作品の質が下がらないというか、皆それぞれ魅力的で素晴らしかったです。

主に交付金の使い道をどうするかみたいな会議をする中でそれぞれの主張がぶつかり対立していくみたいな話なんですけど。役者と演出がいいだけに脚本の課題が大きく出たなあと思いました。

講評で言われてた「結局大人と同じことしてどうするの」みたいなのは僕もそう思いました。現状の方法では上手くいかないからとられた政策が17歳会議なのだとしたら、大人では思いつかないような新しい発想ややり方が求められてるわけで…。周りの大人も期待してないみたいな描写があったからそうなったのかもですが、だからこそ、対立していた議場を良い方向に転じる過程が気持ちの納得だけになってるのが勿体ないなと。気持ちが変わるために、議長がすごいアイディアを発見するとか、それが以外にもイケメンがキーになってくるとかそういう若い皆で考えてるからこそみたいな展開の仕方をすると面白いんじゃないかなあって思いました。

イケメンって今でも言うの…?随分昔の言葉に感じます。
今でもやっぱりイケメンって言うんでしょうか。
あんまり聞かなくなった気がしてます。

大きなお話を等身大のサイズ感にする設定は面白かったです。
ただそれでも大きすぎたかなと思いました。
結局、過疎化の対策、人を地域に戻すみたいなのが議題の主、というかそれだけだったので、そういう会議をするみたいに焦点絞って良かった気がしますね。

本当に役者さんの掛け合いの技術が素晴らしかったので、ただただこの5人がふざけて喋ってるだけの作品とか見たくなりました。

門司学園高等学校の皆さま、お疲れさまでした。

【終わりに】

長々と書いてしまいました。
記憶とパンフを頼りに書いたもので、ひょっとしたら間違えて受け取ってる部分とか攫えていない箇所もある気がします。

ここに書いたのもほんの一部です。
どの作品も幕が上がり、無事に降りただけで100点満点です。
そのうえで結果が出てしまうのは、悔しかったり、納得いかないことも多いと思います。が、これがコンクールである以上仕方がありません。

ですが、結果が振るわなくても皆さんの演劇は終わりません。
僕もコンクールで賞をとったりなど一度もしていません。
が、いまだにこうして演劇続けてます。

ひょっとすると今の方が充実して演劇で来てるかもしれません。
皆さんも続けていればきっとそうなると思います。

また皆様と何かの形で、演劇で出会えることを楽しみにしてます。

皆様本当にお疲れさまでした。

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