見出し画像

たこ天2024 #8 Day Dream Tripper 村長より第三信


 村民登録が出揃った。
 総勢50名の村が、8月16日午前10:00より始動する。村役場のスタッフ、夢追い隊は、9:30から現地にて村始動の先遣隊として村入りし、始動態勢を整える。

 

 白日夢は、現実夢から現実へと移った。村民登録の完了と共に、各村民のパフォーマンスの出発点も届けられた。それぞれに己の存在を照らす自灯明に、火が入った。
 自灯明の明かりは、皆違う。
 真っ直ぐに心の奥を照らして、村での自分の有り様に光を当てるだけでなく、不安の中にも、そこに見える自分を映し出している燈明。朝靄の向こうの願望や希望を映し出している燈明。
 これらの自灯明が、どのような村の法灯明を映し出すことになるか、現実は夢を超えて面白くなる。


 老いも若きも、皆それぞれに今日までの多様な世界の人生を生きて、この村に集結する。
 山賊少年だった寒海にも、ここまで生きてきた多様な世界の人生ラインがある。山口で育つラインがあった。広島で進学校に行くラインが、フィリピンに行くラインがあった。東京に移住せず、広島に残るラインがあった。ニューヨークにも残るラインが、ニューヨークに戻るラインも、メキシコに行くラインも。
 思えば、魅力ある多様な世界を生きてきたもんだ。


 当然、寒海だけ特異なわけではない。誰もがそれぞれに多世界を生き、数奇な人生を歩んでいる。
 3日間の村で、50人の過去と未来の多世界が交錯する現在に、ブラックホールも出現すればホワイトホールも出現するだろう。そこを村民パワーでどんな宇宙空間にできるか。ワープを期待するのではなく、それぞれが自分の空間を自分の時間で旅することで、「今の自分」の凄さを体感し、自分が選んだ世界のゆっくりの時間発展を、怖れるのではなく、楽しみ味わえるようになる。
 そうしたとき、人は自分をモノとして見るのではなく、常に変化の中にいる人間として、自分の宇宙の素晴らしさに出会える。


 そんな宇宙が50も集まる星雲がたこ天村だ。
 そんな村の村長であることに、寒海は誇りを感ずる。
 ブランデー、バーボン、スコッチ、日本酒、焼酎、梅酒、どんな酒も急がず慌てず時間を忘れて飲むならば、うまいぜよ。

 さあ、たこ天村の開村だ!

                           村長 寒海幻蔵

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?