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【がん患者の徒然草】看護師さんに「感謝」ばかりしてはいられないのが現実だ。

今日は、朝からウキウキしている。

 そう、今日退院できるのだ!5日間の抗がん剤治療と放射線治療を終えて、自宅に帰れる。嬉しい!

 おかげさまで治療の副作用も無かったので予定通り、午前11時には退院予定である。

 僕は、朝からウキウキしながら、洗面用具をかたずけたり、下着を整理したりして退院の準備をしていた。

 まず薬剤師さんが来て、退院後の薬についていろいろ説明をしてくれた。
吐き気があったら、この薬を。喉の腫れや痛みには、この薬をと山程出してくれる予定だ。薬の用法用量は、きちんと書かれているとのことなので家に帰ってからゆっくり確認するとしよう。

 次に看護師さんが来た。「大島さん、体調はいかがですか?」
「おかげさまで、副作用も無く体調も良いですよ」と明るく返事をした。

 その返事を待っていたかのように「大変申し訳ありませんが、いますぐ退院して頂けますか?」

 僕は、一瞬どうしたのか分からなかった。まだ10時前だ。退院予定の11時には1時間もある。

 その理由を聞くと、このベッドは、次の入院患者が決まっていて、その患者が既に受付を済ませて待っているらしい。しかも、重症の患者らしい。
要は、その患者に早く点滴をしないといけないらしい。

 理由は、分かったし、早くしてあげようと思ったが、こちらも支度にも時間がかかる。「はい、では急いで支度しますよ」

 下着を畳む暇も無く、鞄に詰め込む。洗面用具もガラガラと袋に入れて鞄に詰め込む。数分もしないうちに入院予定の患者さんが来て、病室の廊下で待っている。

 しょうがないなと思いつつ、とにかく鞄に詰め込んで病室を後にした。
看護師さんは、申し訳なさそうに「スミマセン、ありがとうございます」と言って、ベッドの交換をし始めた。

 僕は、入院予定の患者さんにも会釈して、退院手続きのためにナースステーションに向かう。朝からのウキウキ感も消失してしまった。病室を追い出された感である。

 ナースステーションで退院の手続きをお願いすると、「大島さんは、11時に退院予定ですよね? お渡しするお薬が11時にならないとこちらに届かないので11時迄お待ちください」

「はぁ?」

 「いゃ、たった今、早くベッドを空けて欲しいとのことで、病室を追い出されたんですよ。11時迄待って欲しいと言われても、後1時間もあるんですけど。僕も困ります」

 ナースステーションの看護師さんは、「私に言われても困ります。とにかく11時にならないとお薬ができないので、お待ちください」

「では、どこで待てば良いのですか?」

「こちらの廊下でお待ちください」

 「いゃ、少しの時間なら待ちますけど、1時間も廊下で立って待つのですか? しかも、荷物もあるし・・・」

 僕は、ナースステーション内の椅子や別の待つ場所を案内してくれることを期待したが、期待外れに終わった。

 ナースステーションの看護師さんは、僕に待つように指示すると、別の作業のためにナースステーションの奧に消えてしまった。

 僕は、廊下に立って1時間も待つわけには行かないので、10階の病棟から1階の受け付けフロアに行けば席があるだろうと思って移動した。

 幸いにも1階のフロアに空席があったので、水分を取りながら本を読み、待つことにした。しかし、本を読んでみたものの頭には入らない。ふつふつと不満が大きくなってくる。

 退院する患者より、入院する患者さんを優先するのは良いが、その対応方法が良くないよな〜、追い出された思いだよ。

 このnoteには、「看護師さんへ感謝の手紙」を投稿している。しかし、今回は「感謝」ではなく「改善の機会」となることを期待して投稿している。

この投稿が、「感謝」へと繫がることを期待して・・・

がんになってから、「お布施をすると気持ちが変わる」ことに気がつきました。現在「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」に毎月定額寄付をしています。いただいたサポートは、この寄付に充当させて頂きます。サポートよろしくお願い致します。