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最もハイスペな男子と結婚した日本の女性

って皆さん、誰だと思いますか?

私は、デヴィ夫人だと思います。
そんなデヴィ夫人の婚活本「選ばれる女におなりなさい」を買ったので読んでみました。
私は普通の結婚をした平々凡々な女ですが、超ハイスペ男子と結婚したい!と上昇志向を持つ子なら読んで損は無い内容でした。

この記事は本の感想と、デヴィ夫人オタクである私の夫人への愛をけたたましく叫ぶ内容です。デヴィ夫人、𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______。

※以下、ネタバレ含みますので嫌な方は回れ右!


貧しい幼少期と思春期

デヴィ夫人と言えば、多くの人はバラエティ番組での歯に衣着せぬ物言いやゴージャスな洋服・宝石を身にまとっている姿が思い浮かぶと思う。
そんな夫人の幼少期から始まるのがこの本だ。
1940年に生まれたデヴィ夫人は、第二次世界大戦で疎開し、疎開先で貧しく寂しい思いをしながらもなんとかお母様と弟を守ろうとした。

戦後、家計の助けになればと画家を目指すも女流画家には値がつかない事を知り、中学卒業後は夜間高校に通いながら昼は保険会社で働き、芸能の仕事もしていたそうだ。
しかしお父様が亡くなり、家族を養う立場になった夫人は更に働かなければならず、赤坂でアルバイトを始める。

戦後すぐは女性が稼げる職業も少なく、ましてや10代の女の子が一家の大黒柱になるのは難しい時代でしたが、夫人は不屈の精神で生き抜きます。

そしてインドネシアへ

19歳。夫人は帝国ホテルでスカルノ大統領と知り合ったという。
スカルノ大統領のカリスマ性に惹かれた夫人は、インドネシアへ行くことを決意したそうだ。

インドネシアへ行く道中、当時のアジアの国々の描写も時代を感じて面白い。

そしてインドネシアで、スカルノ大統領から甘い言葉でプロポーズを受ける。

「私のインスピレーションとなって力の源泉となり、私の人生の喜びとなってください」

こんな美しいプロポーズの言葉、この先100年生きても聞くことは無いだろうと結婚を決意したという夫人。
しかし日本に置いてきたお母様と弟さんが気がかりで、インドネシア国籍への変更を躊躇われていたとか。

これ以上はかなりのネタバレになるので夫人の本を読んで欲しいが、色々な心の痛む事件を経て、インドネシア国籍へ変更しスカルノ大統領の正式な奥様となり、ファーストレディとなる。この過程は読んでいても心が痛かったし、同時にデヴィ夫人の強い決意を感じた。

その後はファーストレディとして、そして秘書としてスカルノ大統領に尽くし、公務に同行し社交も上手に行われていた。

20歳そこそこで英語に加えインドネシア語まで習得し、海外の国家元首と共に世界各国の要人と対等に渡り合える日本人女性って、この先も二度と出てこないと思う。
今の大学生にそれが出来るか?自分が大学生だった時にそんなことが出来たか?恐らく出来なかっただろう。馬鹿みたいに安い居酒屋で頭の悪いコールをしていた典型的なカスJDだった私には程遠い話だ。
私が鳥貴族でとろろのお好み焼きを爆食いしていた年齢で、夫人は本物の貴族と社交をしていた訳だ。本当に尊敬する。

腰の重い女になるな

夫人はその後インドネシアのクーデターを経験し、日本政府へ保護を求めるが断られ、フランスへ娘さんと一緒に亡命した。
フランスの社交界で「東洋の真珠」と謳われ数々の貴族や名俳優と関係を築くが、そんな経験から得た恋愛の極意をこの本では惜しみなく伝授してくれる。

腰の重い女はダメだという内容が特に印象に残っている。出会いはそこら中に転がっているのに、出会いがないと嘆くのはおかしいのだ。重い腰を上げて色んな集まりに出かけて、誘われたら断らずに顔を出してみる。そうする事でいい人に出会える可能性はぐっと上がる。

これに関してはビジネスに於いても同様だと私は思う。ボーッと受け身で居ても何も変わらない。ビジネスで成功する人は所謂フッ軽が多い(あくまで私の業界では)。
部屋に籠ってスマホに向かって文句ばっかり言ってても仕方がないのだ。

恋愛なんて人生において最重要じゃない

これは本に書いてることではないが、夫人がTikTokのお悩み相談で言っていたことだ。人生にはもっと辛いことが沢山あって、恋愛はその一部に過ぎない。くよくよ悩むのはやめよう。

ちなみに夫人は「マリーアントワネットは女王としてではなく、一人の女として幸せになろうとしたのが間違いだった」というステファン・ツヴァイクの本の一節を心に刻み、インドネシアに渡ったそうだ。
一人の女としてだけでなく、大統領の秘書として、パートナーとしての役割をきちんとこなそうと考え日々勉強を怠らなかったと。

日々勉強している教養の深い女性は、男女問わずモテるでしょう。というか見た目に全振りしてた女友達がアラサーで軒並み屍になっているのを見ている身からしても、これは本当に大切なことだと思う。所謂「おもしれー女」にならなければならないのだ。

夫人の人生で最も印象に残っていること

これは夫人と成田悠輔さんの対談でお話されていたことだが、壮絶な内容だったのでぜひ見てほしい。

クーデター後のインドネシアで、スカルノ大統領危篤の知らせを受けた夫人が周りの反対を押し切ってなんとかインドネシアに辿り着くのだが、道中で「どうせ殺されるなら我が子をこの手で殺める時間をください」と神に祈ったそう。
フランス革命でのルイ17世等が有名だが、敵の手に落ちた元権力者側の扱いは非常に酷い。拷問を受けて死に方すら我が子が選べないなら…と考えたのでしょう。

こんな話の引き出し中々無いですが、やはり聞いていて引き込まれるものがありますね。

恋愛の極意が詰め込まれた一冊

ちょっと脱線したが、この本には他にも沢山の恋愛の極意が書かれている。非常に面白く読めますし、戦後の歴史的背景も興味深く読めるのでそこらへんの訳の分からない恋愛本を読むよりはこちらをオススメする。

ちなみにマナー本もかなり良かったのでオススメしたい。

いつか夫人がご自身の半生をドラマ化してくれないかと願っています。

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