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ツイてなくても大丈夫!? 不運で不幸な主人公たちの映画5選!
『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』
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なんでだ! 容姿だけで殺人鬼と間違えられた!
主人公のタッカーとデイルは、田舎町に住む気の優しい中年男で親友同士。念願の湖畔の別荘を手に入れた彼らは、さっそく休暇旅行としゃれこむ。ところが、そこは20年前に連続殺人が起きた、いわくつきの土地。キャンプにやってきた大学生たちは、ふたりをシリアルキラーと思い込んで警戒する。やがてタッカーとデイルは溺れた女子大生を助けるが、彼女が誘拐されたと勘違いした大学生たちは、ふたりに攻撃を仕かけてきて……。
邦題どおり、まったくもってツイてない中年男ふたり組の苦境を描いたブラックコメディ。容姿がゴツいという理由から殺人鬼に間違えられたばかりか、何もしていないのに死体が次々と転がり、本物の殺人鬼と思われかねない悪い状況へと追い込まれていくのだから、災難としか言いようがない。運が悪すぎて笑ってしまう、そんなふたりに注目を。ホラーの殿堂シチェス国際映画祭ではパノラマ部門作品賞を受賞。
『バイオレント・ナイト』
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なんでプレゼントを配りにいった家が強盗に襲われてるんだよ!
物欲に憑かれた最近の子供たちにも、本来のクリスマスの意味を見失っている社会にもウンザリしているサンタクロース。呑まなきゃやってられん!と、彼はへべれけ状態でソリに乗り、宙を舞いながらプレゼントを配って回る。ところが、とある豪邸を強盗集団が占拠し、実業家一族が人質にとられている現場に遭遇。逃げるに逃げられない状況に追い込まれたサンタは一族の孫娘に励まされながら、バイキング戦士だった過去の記憶を甦らせ、手ごわい敵に立ち向かう!
クリスマスがただのお祭り騒ぎの日と化している現代では、サンタクロースも不運だろう……そう思ってしまいそうなコメディタッチのバイオレンスアクション。バーで愚痴っているサンタの姿からして気の毒だし、強盗犯から逃げようとしたら、銃声に驚いたトナカイたちに逃げられて、足止めを食らってしまうのも不運としか言いようがない。それだけに、後半の大反撃は痛快!
『ダイ・ハード』
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愛妻家であるばっかりに事件に巻き込まれてばかり!
舞台はクリスマスのLA。日系企業のハイテク高層ビルを、自称テロリストの武装集団が乗っ取った。クリスマス休暇でこの地を訪れ、同社の重役である妻に会いに来たNY市警の刑事ジョン・マクレーンは敵の目を逃れて、人質となることを回避。外部のパトロール警官と無線で連絡を取りながら情報を集め、たったひとりで武装一味にゲリラ戦を挑む。
ご存知、ブルース・ウィリスふんするマクレーン刑事の受難を描いた人気作。悪い時に悪い場所にいてしまったばかりに、市警の仕事以上にシンドい戦いを強いられるマクレーン。割れたガラスの上を裸足で走らざるをえなかったり、屋上からダイブするハメになったり……なのだから、“なんで俺が”とボヤきが出るのも頷ける。しかし、そんな彼の奮闘を観客は愛し、大ヒットしたことで後にシリーズ化。2作目では妻を迎えにいった雪降るダレス国際空港でテロ事件に巻き込まれ、3作目では休暇中だったのに犯人に名指しされハーレムで過激な看板を首から下げるハメに……。ちなみに3作目の日本公開時につけられた宣伝用キャッチコピーは“世界一、運の悪い奴。”というものだった。
『ブレット・トレイン』
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なんで!? 列車を降りたいのに降りれない!
暴力沙汰から足を洗いたい殺し屋レディバグに下された新たなミッション。それは東京発の超特急に乗り、ブリーフケースを奪って次の品川駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。ところが、この列車にはさまざまな殺し屋が、それぞれの思惑を抱いて乗り込んでいた。命を狙われたレディバグは降りたくても降りられず、壮絶なバトルの渦に巻き込まれていく。
伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』をブラッド・ピットの主演で映画化したコメディアクション。停車の度に降車を試みるも、アンラッキーな出来事によって阻止される主人公。さらに悪いことに、銃もナイフもない丸腰状態で列車に乗っていた! スーツケースなど手近にある物で抵抗する、そんな彼の不運な悪戦苦闘ぶりが面白い。終点の京都では、いったいどんな事態が待っているのか? ハラハラしながら見守って欲しい。
『アフター・アワーズ』
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どうして、こんなにツキに見放されるの!?
舞台は大都会NY。平凡な毎日を過ごしている独身の会社員ポールは仕事帰りに立ち寄ったカフェで、マーシーという女性と知り合う。帰宅後、電話で誘われ、スケベ心も手伝ってマーシーの部屋へ。深夜のダイナーで語り合い接近したものの、彼女との関係は深まらない。イライラして帰ろうとしたポールだったが、所持金がない。さすらううちに泥棒に間違えられた彼は、さらに困った事態に追い込まれる。
名匠マーティン・スコセッシがホームグランドのNYにカメラを向け、低予算製作で撮り上げたブラックコメディ。一夜の騒動がテンポよく連ねられる。強風でなけなしのお札を吹き飛ばされ、アタックした女性にツレなくされ、惹かれていない女性には迫られ、さらに犯罪者扱いされるなど主人公は徹底的にツキに見放されるが、ほかにも些細だがストレスフルな出来事が連続。テンポのよい語りでこれを描き切ったスコセッシは、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。
文=相馬学 text:Manabu Souma
Photo by AFLO
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