マイクラパラノイア『see』解説・裏話
はじめに
こんにちは。Safal!Aのかっちょです。
表題の通り、このnoteは、私たちのYouTubeチャンネルで投稿したマイクラパラノイア『see』についてつらつらと書いた記事です。
動画内では説明できていない部分も多々あるので解説させてください。
言うまでもないですが、重大なネタバレが多く含まれます。
ぜひ本編の視聴からお願いします!
あと、このnoteかなり長いです。
もうちょっとまとめられんものかと思いつつ、なるべく網羅したものを作ろうとした結果、かなりの情報量になってしまいました。
拙く冗長な文章、大変忍びないですがお付き合いください。
目次
下にいくにつれて、ネタバレの度合いが大きくなるようにしています。
また、6の「残る疑問点の解釈」については、「かっちょ個人が視聴者として『see』を観たと仮定した解釈」が含まれます。マジで「そういう可能性もあるよねーッ!」程度に受け取ってください。
1.今作の目指した方向性
『see』は一言でいうと「水平思考ゲーム」です。
水平思考ゲームは、1つの問題文に対してプレイヤーが「はい」「いいえ」「関係ありません」のどれかで答えられる質問を問いかけながら真相に辿り着くというものです。
有名なウミガメのスープの問題をご存じの方は分かると思いますが(知らない方はググってください)、かなりぶっとんだ発想をしないと解けないものも多いです。
今回は、質問で情報を探っていく従来の水平思考ゲームではなく、「謎解き」や「他プレイヤーからの聞き出し」によって情報の手札を増やし、真相を推理するという形のゲームを作りました。
2.物語のおさらい
あらためて今作の流れは、下記の5フェーズから成り立っています。
フェーズごとに、各プレイヤーは日記や記憶、写真など、様々な情報を手に入れます。このトピックでは、主要な出来事を時系列順におさらいしていきます。
①6人での探索
渋谷のカフェに集まった6人。自分たち以外の人が居なくなっていることに気づきます。
事件の謎を探る6人は、怪しい本屋「奇々怪々書店」で古びたエッセイを発見します。
その後手がかりの場所を突き止めた6人は、雑居ビル「セントラルホワイト」に辿り着きます。
②個人探索
辿り着いたビルがちょうど6階建てだったため、フロアごとに分かれて探索することに。
各フロアでプレイヤーはそれぞれの情報に触れていきます。
各プレイヤーのミッションと入手した情報を整理します。
また、個人探索終了後、密談を行ったプレイヤーがいます。
⑴ひーさん&そで
ひーさんの入手した音声データをそでのヘッドホンでお互いに聞きます。
聞こえてきたのは「まさか、魔法の塔が東京にあるとはな」というそでの声でした。
⑵かっちょ&ザワ
かっちょが企画書を入手したことをザワが知ると、ミッションの通りザワはかっちょを地下牢に閉じ込めました。
③魔術師との戦闘
かっちょ抜きの5人で探索の成果を話し合います。ザワはかっちょが地下牢にいることを隠したまま、7階に行くことを提案します。
7階は利用禁止となっている魔術修練室。
5人が辿り着くと頭が黒く塗りつぶされた、「魔術師」を名乗る男が姿を現し、「私を倒すことができたらこの塔で守り抜いている禁忌魔術を教えよう」と言います。
あばらなど負傷しながらもなんとか魔術師を倒したところで、かっちょの「地下にいる」という声が聞こえてきます。
かっちょは5人が魔術師と戦っている間に地下牢で「切れかけのバッテリー」を発見し、メガホンに入れることで助けを呼ぶことができたのでした。
④投票フェーズ
ザワはかっちょを地下に閉じ込めていたことを全員に問い詰められ、ザワとひーさんが武器を出し合う事態にまで発展してしまいます。
ここでマートンが、1度しか開くことのできないスマートフォンの写真を表示します。そこにはメガネの家で話し合っている6人が映し出されました。そして、ホワイトボードには「東京で魔術バトルしてみた!!」の文字。
かっちょの持っていた「企画書」の内容も合わせると、どうやらこの事件は「6人全員で企画していたこと」が原因であるという結論に至ります。
ザワは、この冒険を長引かせるためにかっちょを閉じ込めたものの、事件の黒幕ではないことを伝え、最終的に怪しい人物を決める投票は行われませんでした。
しかしザワは、事件の真相が解明し、冒険が終わってしまうのを寂しく感じています。
元の世界に戻りたくないザワや魔術を探究したいメガネと、元の世界に戻りたい他のプレイヤー。かっちょは折衷案として、最後に1度だけ6人で魔術バトルをすることを提案します。
渋谷のど真ん中で行った魔術の披露会。全員が満足することができ、6人は元の世界に戻る決断をします。
⑤最終推理
7階の魔術修練室に戻ると、そこにはもともとなかった魔法の鏡が。
魔術師が「私を倒したら禁忌魔術を教えよう」と言っていたことからも、どうやら魔法の鏡が禁忌魔術であるということが分かります。
ここで、メガネの拾った日記B「禁忌魔術」。
6人は、世界を大きく作り変えることができるということは、魔法の鏡を使えば元の世界に戻れる、と解釈します。
しかし、魔術師や日記の謎が残っています。6人はそれぞれが持っている情報を全て出し合い、事件の真相を推理します。
最終的に6人は次のような結論に辿り着きます。
これを最終推理とし、6人は魔法の鏡を使います。
なんと、鏡に映し出された東京の景色が、草花が咲き誇る丘と赤い空の広がる世界に変わっていきます。
そこで一人の少女と出会います。
その少女は、魔術師と一緒に写真に映っていた娘でした。
少女は、この世界と事件の真相について語ります。
元の世界に戻った6人は、いつもの場所で駄弁っています。
次なる冒険を予感させる風が吹く中、6人はこの先自分たちが作り上げるものに期待を膨らませます。
3.日記・写真などの解説
ここから、「どうすれば真相の推理ができたか」という観点で作中に登場した各要素の解説をしていきます。
水平思考ゲームとして成り立たせるためにミスリードも盛り込んでいるので、「どのような意図で設置したのか」についても説明します。
まずはPart1の「奇々怪々書店」で登場した古びたエッセイ。
物語最序盤の要素なので、自分たちだけが別の世界に来てしまったのではなく、あくまで現実世界の渋谷から自分たち以外の人が消えた、という設定を強調しています。真相とは逆のミスリードになるわけですが、みなさんの感想を見ていると、ここには勘づいていた方もいらっしゃいましたね。
一方、「神のなせる業と言う他ない」という文はヒントになっており、創造主のような存在を仄めかしています。今回の事件におけるプレイヤー6人や少女にあたります。ここは後で詳しく。
続いて、ひーさんとそでが聞いた音声データ。
他プレイヤーがそでを疑う要素です。
「そでの思考」にもあるように、断片的な音声データが残っているため、そではあらぬ疑いをかけられる予定でした(…笑)
ひーさんは直前に「誰かが建物を造っている記憶」を思い出しており、音声情報と合わせると「少なくともそでがこの世界を創ったことに関わっている」と推察するだろう…という意図でした。
ただ、Part3のかっちょ抜きで話し合っているシーンでは、「全員の記憶が抜け落ちているのだから、そでに限らず6人の中の誰かが怪しい」という結論に至っていましたね。
ラストシーンで分かることですが、この音声は2023年6月24日にそでが5人に建築を披露したときのものでした。
余談ですが、マイクラパラノイア『see』の撮影は実際に6月25日に行いました。ひーさんの「昨日付のデータ」というセリフも、実はリアルタイムだったからこそ出た台詞です。
次に、企画書とスマートフォンの写真。
企画書で「今回の事件が何らかの企画によるものであること」、写真で「6人でその企画を考えたこと」が明らかになります。
特別な推理の必要はなく、マートンが適切なタイミングで1度しか使えないスマートフォンを使用することができれば、事件の原因は6人全員であることが分かり、投票フェーズで平和村(投票を行わない)にすることができます。
…と、ここまではほとんどが「元凶がプレイヤー6人であること」を示すための材料で、物語の進行上よっぽどのことがなければ辿り着けるようになっています。
問題は日記です。ここからは大胆な推理が必要になります。
まずは、日記B「禁忌魔術」。
ひーさんやメガネは「魔術師が失ってしまった娘を取り戻すために禁忌魔術を使って世界をやり直した説(日記A「絶望」より)」を話していましたが、「禁忌魔術が過去に使われた」とはどこにも書いていません。
失ってしまった…禁忌魔術…というワードから、いかにも「大切な人を蘇らせようとしたのか?」という発想に至りがちですが、実は無関係です。
じゃあ愛するものってなんやねん…については後述します。
動画内での表現は「世界を作り変える、つまり元の世界に帰ることができる魔法」としていましたが、鏡魔法は、正確には「物語のエンディングを迎える魔法」として設定しました。「ゲームクリアのトリガー」と言ってもいいでしょう。
物語の結末=世界を終わらせる、非常に強力な魔法なため禁忌と表現しています。
したがって、鏡魔法が使用されたのは後にも先にも作中のあの1度のみです。
そして、最大の謎である日記A・C・D。
ストレートに考えると、日記の著者は魔術師であるという発想がまず浮かびますが、日記の著者を「少女」としたときに説明がつきます。
下記が真相の時系列です。
①6人が魔術バトルの撮影を企画する
②そでを中心に、6人が魔術バトルの舞台を構築する
③構築された世界のNPCである「少女」が自我に目覚める
少女は自我に目覚め、徐々に生身の人間と同等の想像力を手にします。
プレイヤーがMinecraftの世界で様々なものを生み出すのと同様に、少女もこの世界で自由にものを生み出せるようになります。
我々からすれば発想さえできればゲームの世界で何かを生み出すことは容易ですが、少女はこの想像力をなんでもできる「魔術」と呼んでいたようです。
④周囲のNPCは自我を持たず、少女はひとりぼっち
初めは、なんでも生み出せる自分のチカラを喜ばしく思っていた少女ですが、周囲のNPCが自我に目覚めることはなく、次第にこの世界が作られた世界であることに気づいていきます。
そして、日記Aですが、「愛するもの」は少女が住む世界そのものを指しています。
「もの」を「物」「者」とせず敢えてひらがなにしているのも、人物などではなく何かしらの概念を指しているというヒントになっています。
少女は、想像力がどんどん研ぎ澄まされていった結果、もともとは好きだったこの世界が偽物であることを確信してしまったのです。
そうして、少女は自らの命を絶ってしまいました。
最後に古びたアルバムの写真ですが、
少女がプレイヤーに干渉する存在として魔術師を生み出した、つまり少女が親で魔術師が子、と解釈すれば説明がつきます。
以上が、主要な要素の解説になります。
ここはどうなんの!?というところも山ほどあると思いますが、この先のトピックで可能な限り触れていきますね。
4.タイトル『see』の意味
作中に「魔法の鏡」が出てきました。
当初から鏡をキーアイテムにすることは決めていたので、「見る」という動詞から着想してタイトルを考えました。
しかし、「鏡を見る」は「look in the mirror」なので、タイトルのseeには結びつきません。
そもそもの英単語の意味の違いですが、
と、①から③にかけて意識的な状態から自然な状態になっていきます。
作中の6人にとって「創作」はごく自然な遊びのひとつで、これからも世界を生み出し続けるという意思表示として、英単語の対比構造を主軸にタイトルを付けました。
少女が「プレイヤー6人が信念を持ってゲームを作っていることを理解」するまでに、そんな会話があったのかな~と思っています。
5.「少女」について
■「少女」は何を表しているのか?
少女は、Safal!A初めての明確なNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)となるわけですが、作中に登場させるに至った最初のきっかけは、かっちょの個人的な、1つの考えからでした。
私の好きなゲームジャンルの1つがRPGなのですが、プレイしていて必ず辛い感情になる瞬間があります。
それは、クリア後。
ゲームをクリアするまでは、ストーリーの進行に合わせてNPCのセリフが更新されていきますが、ラスボスを倒すとその更新が止まります。
また、多くのRPGにおいて、ラスボスはエンドコンテンツ(何度でも倒せる仕組み)として用意されており、クリア後にラスボス撃破前の時間軸に戻ってしまうのです。
そうすると、その世界のNPCは「ラスボスに世界を支配された時間軸」に永遠に囚われることになり、セリフもそのときのもので固定されます。
決められたセリフを、自我を持つことなく永遠に喋り続ける。
そんな世界を目にして、大好きなはずのゲームを、私はいつも辛い感情で終えてしまいます。
色々な考えがあると思いますが、創作における「作中で描かれていない部分」では、個人的には「世界が停止しているのでは」と考えてしまいます。(だからこそ、公式のスピンオフや二次創作に需要があるのでしょうか)
「see」の「少女」は、創作の世界の中で1人だけ自我が芽生え、想像を絶する孤独を味わったのでしょう。
さきほど、6人にとっての創作は「遊び」と表現しましたが、それは「快楽」という意味なのでしょうか?
それでは少女が超絶聖人だったとしても納得できないはず。
自分たちの想像力で新たなものを生み出し、視聴者に届けて、自分たち自身も本気で楽しむこと。
だからこそ、単なる快楽という意図とは分けるために、Safal!Aでは結成当初から「アソビ」とカタカナ表記をしています。
彼らはこの先も、いろんな企画や世界を生み出すことでしょう。しかし、本気の「アソビ」を作るには、生み出す世界そのものにも愛を持つことが必要不可欠だと思います。
「少女」は、そんな「世界」そのものに真剣に向き合うための壮大なメタファーという、舞台装置的な意図があります。
…このあたりは説明はしたものの、比喩表現で留めておく方が綺麗という考え方もあるので、一旦置いておいて、1つの悲しい物語として純粋に受け取っていただくのもいいかなと思います。
6.残る疑問点の解釈・裏話・反省など
①残る疑問点の解釈
まずはいくつかのモヤモヤポイントについて、1問1答形式でかっちょなりの解釈を示します。
冒頭でもお話しましたが、このトピックの内容全てが物語の正解とは思っていません。
あくまで数ある考え方の1つとして受け取っていただければ幸いです。
■6人が記憶を失くしたのは結局なんで?
今回の事件に巻き込む少女の目的は、「世界を生み出したプレイヤーに一言言ってやる」こと。
少女はある種、挑戦状のような形でプレイヤーの記憶を失わせてゲームに挑んでもらったのでしょう。
少女の日記が敢えて分かりづらい内容になっていたのもそのためだと思います。
少女自身が直接プレイヤーに介入する権限がないため、
①少女が魔術師に魔術を使える強い権限を与える
②その魔術師に、プレイヤーの記憶を失わせるよう指示する
という手順で記憶改変を行ったと考えられます。
■渋谷には、なんでほかのNPCが1人も居なかったの?
自然発生したNPCの中で、少女が自我を持った唯一の存在であるならば、その他のNPCが居るはず。
この点について、ゲームの進行においてノイズとなるため、少女が魔術師以外のNPCは一時的に非表示にしたと考えられます。
少女はプレイヤーと同等の想像力を持っているため、いわば世界の管理者権限を行使し、自分にとって都合の良い世界に更新しておいたのではないでしょうか。
■少女はラストシーンでなぜ納得できた?
少女はこれまで、自我を持たないNPCだらけの世界で独りぼっちでした。
そんな中、世界が消滅する直前のラストシーンで、意志を持ってゲームを作っている生身の人間に遂に出会うことができます。
そして、プレイヤーと少女は、「また、より優れた世界ができたら少女に見せる」ことを約束します。
この約束こそが少女の初めての希望になったため納得できた…のではないでしょうか。
②裏話
ここからも一問一答形式が続きますが、ストーリーの解釈というよりは、「制作の都合上そうした」という内容が含まれていきます。
■「奇々怪々書店」のリンゴとかパンはなんだったん?
こちらは、ギミック謎解き再序盤の要素として、特定の意図はありませんでした。
強いて言えば、他にも色んなアイテムが隠されているということを示すために設置しています。
■マイクラの地形とか牛とかが見えて気になる…
今回、名目上オープンワールドでの散策が含まれていたこと、そしてメンバーだけでマップを制作したという都合上、ボロが出るのは仕方ないかなと考えていました(ごめん)。
動画上、カットを多用してごまかすことも選択肢にはあったのですが、今回「メンバー自身がMinecraftでマップを作ったこと」自体が物語の主軸になるため、このような粗さも一定のヒントになるかなと思い、あえて残してみました。
(牛に関してはMOBのスポーン制御くらいしとくべきでしたね)
■伝説の言い伝えはなに?
謎解き制作のマートンがいつの間にか打合せにないアイテムを入れていたため、編集している時にこのシーンを見て驚愕しました。
リンゴやパンと同様、探索のひとつ(いわゆるハズレ)の小さな要素です。
後述しますが、今回あえて動画上コミカルなシーンを多く採用しているため、結果的にこちらの意図から外れてはいません。
■マートンが謎解き制作したってことは、今回マートンだけ八百長ってこと?
半分YESです。
マートンの謎解きに限らず、かっちょはストーリーを把握していますし、建築担当のそでも魔法の塔の位置を最初から把握しています。
「記憶を失くした」という設定を守りつつ、「詰まったときに助け舟を出して他メンバーに推理してもらう」という形で動いていました。
ただ、さすがに1人喋りで八百長は無理があるだろうということで、マートンの個人探索、つまり休憩室のギミックはかっちょが制作しました。
そのため、あのフロアだけ不自然にガバガバです。マートンごめんよ…
■魔術師戦のKPは誰?
ご想像のついている方も多いかと思いますが、あのシーンではかっちょがKPをしています。
戦闘はテーブルトーク的に行おうという斜め上の着想が当初からありました。
もちろん「ザワの思考」と乖離がないように作りましたが、かっちょをザワに閉じ込めてもらったのは、「6人しかいないからキーパーできないじゃん」という、そんな背景もあります。
ダイスを振るわけでもなく、即興で喋った内容を元に行動を決定しました。
ものすごく古典的なのか逆に前衛的なのかよくわかりませんが、あくまで『see』は水平思考ゲームなので、戦闘システムに凝るという選択は取りませんでした。
③反省
最後に、簡単に今作を通じての反省をしていきます。
■「ゲーム性」と「物語性」のバランスが難しい
マイクラパラノイアは、誰が敵かも勝利条件も分からない、という構造のため、プレイヤーはそれぞれの情報を秘匿する傾向が強いです。
(SWLでもそうでした)
ここに物語を絡めたため、重要な情報が最終盤にならないと出てこない、という展開になりました。
例えば、ひーさんの発見した「古びたアルバム」。ひーさんがこの情報を公開したのは最終盤です。
ミステリーの原則に「真犯人を終盤で登場させるのはご法度」というものがあることからも(視聴者が推理できないため)、本編で少女の存在が判明するのが最終推理シーンとなってしまった点をどうするか悩みました。
強制的に序盤~中盤で少女の存在が判明する要素を作った方がよかったなと思っています。
とはいえ、何も「綺麗な物語を作りたい」わけではなく、あくまでゲーム実況動画として、それぞれの思考やロールプレイをリアルに反映させたいという思いがあり、「少女はそのまま最終盤に初登場させる」という判断に至りました。
コミカルなシーンを多く採用したのも、「物語の真相」というシリアスパートの比重を下げ、「リアルにあのゲームを進行した6人」を動画に起こし、視聴者の皆さんに追体験してもらうことを優先した、という意図があります。
しかしながら、やはりパラノイア自体のゲーム性と物語性のバランスをあらためて検討するべきだなと思います。
■とはいえ、作りたかった世界観を表現することができた
本編でも触れましたが、渋谷のポップアップストアのお話を2022年の11月頃にいただき、そこから『see』の構想を始めました。
現代×SF風の衣装にしようとか、缶ミラーのグッズ出すし鏡を物語に絡めようとか、なんとなくやりたいことを繋げていきました。
そして、じゃあ音楽要るよねとか、アニメーションに凝ろうだとか、作品の質を高めるために、限られた時間とリソースで新しい試みも行いました。
結果的に、メンバー始め様々な協力者様方のおかげで、シリーズとしてステップアップしたものを作ることができたんじゃないかなと思います。
「マイクラパラノイア」を今後シリーズとして継続していくか…は今のところ未定です。
しかしながら、少なくともあと1作、作りたいものがあるので、ザワと共同で構想を始めました。過去2作品の反省を踏まえ、総力戦でより良いものを作り上げたい所存です。
書いてるうちにいくらでも出てきそうなので、解説・裏話、そして反省は以上とさせていただきます。
長々とまとまりのない文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
Safal!Aが作る次の世界にご期待ください。