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医師のパワハラと離職問題
こんにちは。
介護ブログを書いているさえともです。
今回は病院内での医師のパワハラの現状についてお話ししたいと思います。
職場でのパワハラの定義は
私はこれまで大学病院や市立病院など比較的大きな病院で看護師として働いた経験がありますが、どの病院へ行っても必ずあるのが医師のパワハラです。
最近は職場でもパワーハラスメントに関する勉強会が開かれるようになり、少しずつ意識も変わってきていると思いますが、依然として蔓延しているのが医師のパワハラ。
そもそも職場でのパワハラの定義とはなんでしょうか。
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。
病院内でのトップはやはり医師なのです。
なぜなら医師なくして病院は成り立たないからです。
そして医師の人間関係というものは、はるか昔からの慣習が続いており、上下関係を重んじる傾向にあります。
例えば、現代においても医師への手紙には「〇〇先生御机下(おんきか・ごきか)」「〇〇先生御侍史(おんじし・ごじし)」と書きます。
御机下とは「直接渡すのは恐れ多いので、机の下に置いておきますね」という意味。
御侍史は、秘書やお付きの人のこと。
「先生に直接手紙を出すのは失礼なので、お付きの人が開けてくださいね」という意味がこめられています。
このような風習が残っているのは恐らく医療業界だけではないでしょうか。異常なまでに医師を「偉い人」と格付けていることがわかります。
医師は日常的に病院内の他職種からも、患者さんからも敬われることが当たり前に。
医師からのパワハラは実際に私が受けたこともありますし、同僚がパワハラを受けた話を聞くことも多くありました。
医師のパワハラはどんなもの?
それでは医師は具体的にどんなパワハラをするのでしょうか。
具体例を出してお話しします。
パワハラの実際<その1>
まず、医師がイラついているのは日常茶飯事です。
特に気の短い医師は、対応が面倒です。
機嫌が悪い時には、できるだけ刺激しないように皆気を付けます。
それでも処置の介助に入らないといけない時には、ちょっと手間取るだけで怒鳴られます。
「手間取る」というより、自分の思うように進まないことが気に入らないので、ただそれだけで怒ります。
医師が処置中で両手が使えない時には、介助に入った看護師を患者さんの前で怒鳴るとともに処置のための道具を積んだ「処置カート」を足で蹴ります。
新人看護師などはそこでビビッて動けなくなり、さらに怒鳴られるという負のループに。
まさかと思われるかもしれませんが、これは今でも普通にあります。
下手をすれば、処置器材を投げつけられることも。
ちなみにパワハラとは関係ないですが、私は医師が適切に処理しなかったために肝炎の患者さんに使った針が自分に刺さったことがあります(結果、大丈夫でしたが)。
パワハラの実際<その2>
以前勤めていた病院の外来には、院内でも有名なパワハラ医師が二名いました。
当然、その医師二人は数々のパワハラ伝説を残しているのですが、その中のひとつをご紹介します。
検査の案内を間違ってしまった外来看護師に対して、「土下座をして(自分に)謝れ」としつこく強要。
またもう一人の医師は、電話で自分が話した内容に「イエス」と言わなかったために、わざわざその看護師がいる外来まで勤務中に押しかけ、みんなの前で泣かせて謝るまでしつこく説教をしました。
パワハラの実際<その3>
健康診断の結果を作る仕事をしていた時に、突然医師が事務所へやってきました。
「自分が書いた内容がわからないとは何事だ」と怒っています。
そもそも、その医師は外部委託の医師であり健診結果を作る流れについて詳細は知らないようでした。
なぜそうなっているかについて説明するも納得しないため、院長へ問い合わせるようお願いするも、怒りの治まらない医師。
今度は隣にいた事務職員へ矛先を向けます。
若い事務職員へしつこく説教を始め、泣かせるまでやめませんでした。
同じ事務所には他にも数名の職員が働いていましたが、この現場に居合わせた人は全員、見て見ぬふり。
医師に物申す者は誰一人いませんでした。
医師のパワハラと離職問題
医師のパワハラ実例についていくつかご紹介しましたが、これはほんの氷山の一角です。
「パワハラを受けないように、医師と上手くつきあえば良いのに」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは「痴漢に合うのは、そのような恰好をしている女が悪い」という事と同じだと思います。
パワハラをする医師や痴漢が悪いのであって、それを回避できない人間が悪いのではありません。
医師のパワハラに対する意識は非常に低いと思います。
そしてパワハラに対して立場上、声を上げられない職員がほとんどでしょう。
何よりパワハラをする人は「自分がパワハラをしている」ことに気づいていない場合がほとんどです。
医師は自分が病院内でどのような立場にあるかをもっと自覚すべきです。
医師だけに限らず医療業界は閉鎖的であり、同じ職種でも上司のパワハラがあることも少なくありません。
そのために病院で働く貴重な若い人材の離職にも繋がっていることを、病院や社会がもっと危機感を持つべきです。
将来さらに進む少子高齢化によって、医療職や介護職は必要不可欠な人材となります。
これら若い世代の離職防止のためにも、医師のパワハラを改善していかなければならないと思います。