ヒマラヤ便り62号 黒天クリシュナ
ナマステ~!インドって呼ばないで、バーラトって古来の呼び方で呼んでほしい今日この頃、ケーセーホ?バーラトは、古代の伝説的な王バラタ(バラタ族の祖)の領土って意味なんだって。しかも、バラタ族は、マハーバーラタの物語の中心となるクル族の別称なんだって。通称くるちゃんの私としては、ナレンドラ ジーの意向に沿って、バーラトって呼んでみたい。
そんな本日は、クリシュナの5250回目のお誕生日です。ハッピー クリシュナ ジャンマ アシュタミ!
Day 1クリシュナ ジャンマ アシュタミ
クリシュナは、保護、思いやり、優しさ、愛の神。
ジャンマは誕生の意味で、アシュタミは8日目という意味です。
プールニマンタ方式では、バドラパダ月クリシュナパクシャの8日目
(アマンタ方式ではシュラヴァナ月)と翌日の2日間でお祝いします。
一日目は、断食をし、真夜中にバル・クリシュナ(幼児のクリシュナ)を礼拝し、寺院を訪問し、クリシュナの好物である乳製品を使ったスイーツを作ります。2024年は8月26日と27日です。Don't miss it!
Day 2ダヒ ハンディ
二日目は、クリシュナの生き様を記念するダヒ・ハンディという祭典が開かれます。ダヒはカード(凝乳、ヨーグルト)の意味で、ハンディは、乳製品を加工して保管する土鍋のことです。クリシュナは幼少期、ダヒとバターが大好きで、成長するにつれ、その愛は増していき、それらを盗むことで悪名を轟かせました。クリシュナと仲間たちが、乳製品への渇きを癒すため、近所の家に目を付け始めた時、近所中の女性たちは用心深くなり、クリシュナとその部隊の背が低い事を利用し、手が届かないように、天井から吊り下げ始めました。これを攻略するために、クリシュナは人間ピラミッドを作ることを考案し、ダヒハンディに到達するためのアイデアは、民間伝承の一部にまでなりました。
ジャンマアシュタミ期間中、クリシュナの生涯を題材にした行事が若い少年達によって演じられます。やりがいのあるものにするため、ハンディは、交差点や広場などの非常に高い所に保管され、牛飼い女性を演じる女性たちは、ピラミッドを作るのを阻止するために、水や滑りやすい液体をかけて阻止します。
ヴィシュヌの化身
ヴィシュヌの8番目のアヴァターラ(化身)であるクリシュナは、大変人気のある神様で、特にヴァイシュナヴァ(ヴィシュヌ派)で崇拝され、人格としてのクリシュナの詳細な記述がある最古の文書は叙事詩マハー・バーラタで、バガヴァット・ギーターでは主人公アルジュナの導き手として登場し、数々の逸話があります。バガヴァット・ギーターが書かれた時代には、クリシュナは神ではなく、ヴィシュヌの化身として広く知られていました。
クリシュナは、黒い、暗い、濃い青のという意味があります。
異名や称号もたくさんあり、モーハナ(魅力的な者)ゴーパーラ(牛飼い)ウペーンドラ(インドラの弟)ゴーヴィンダ(土地、牛、感覚に喜びを与える人)マダヴァ(幸運の主)などがあります。
16000人の妃がいたことでも知られ、少年または青年の姿で描かれることが多く、クリシュナ ジャンマ アシュタミでは、バル・ゴパールとラドゥ・ゴパールとして知られる幼児期の姿を崇拝します。その他、山を持ち上げる姿や横笛を演奏する姿で描かれます。また、クリシュナの生みの親ヴァスデーヴァとデーヴァキー、育ての親ナンダとアショーダ、兄弟バラバドラとスバドラもジャンマアシュタミに崇拝されます。
クリシュナの誕生日
クリシュナは、紀元前3228年7月19日に誕生しました。ヴァイクンタ(ヴィシュヌの住処、永遠の天の領域、神聖な不滅の世界)に旅立ったのは、紀元前3102年2月18日(カリユガの始まりの日)なので、クリシュナは126歳5ヶ月生きたことになります。
カリユガについては、ヒマラヤ便り56号でCheck It Out!
ヤーダヴァ族のカンサ王は多くの悪行を働いていました。
神々は対策を協議し、ヴィシュヌがカンサの妹デーヴァキーの胎内に宿り、クリシュナとして誕生するよう定めました。
カンサが、デーヴァキーとその夫のヴァスデーヴァを乗せた馬車の御者を務め都への道中、どこからか「デーヴァキーの8番目の子がカンサを殺す」という声が聞こえてきました。
恐れをなしたカンサは、ヴァスデーヴァとデーヴァキーを牢に閉じ込め、
生まれてくる息子たちを次々と殺しました。
デーヴァキーは、7番目の子バララーマと8番目の子クリシュナが生まれると直ちに、ヤムナー川のほとりに住む牛飼いのナンダの娘(同日に生まれた)とすり替え、2人をゴークラの町に逃がしました。
怪力クリシュナ
クリシュナは幼い時からその腕白さと怪力を発揮し、ミルクの壷を割り、継母のアーショーダに大きな石臼に縛られました。クリシュナは、その臼を引きずって2本の大木の間にすり寄り、その大木を倒しました。
また、ヤムナー河に住む竜王のカーリヤが悪事をなしたことから、
これを追い払いました。(ヤムナー川の水が黒くなる理由の一つ)
インドラの祭祀の準備をする牛飼いたちに、家畜や山岳を祭ることを勧め、これに怒ったインドラが大雨を降らせましたが、クリシュナはゴーヴァルダナ山(ウッタルプラデシュ州)を引き抜いて1本の指に乗せ、牛飼いたちを雨から守りました。
成長したクリシュナは、牛飼いの女性たちの人気を集め、彼はその1人ラダを愛しました。
クリシュナ プロフィール
住処:ゴーロカ
配偶者:ラダ(愛、優しさ、思いやり、献身の女神)ルクミニー(最初の妃で主妃、ラクシュミの化身)他16000人
武器:スダルシャナ・チャクラ(ヴィシュヌの神聖な円盤。時の輪。スー=良い、縁起の良い+ダルシャナ=見る。チャクラ=輪、車輪)
カウモダキ(殴打用武器、棍棒)
ヴァーハナ:ガルーダ(炎の様に光り輝き熱を発する神鳥。スーリヤの戦車兵アルナの兄弟。)
アイテム:孔雀の羽根の王冠、バンスリー(横笛)、ラドゥ(最も普遍的な古来からのボール状のお菓子)、牛、牛飼い
曜日:水曜日
数字:8
16のカラ(芸術属性)
クリシュナは16全てのカラ(芸術属性)を持って生まれました。
全てのカラを持って生まれたのはクリシュナだけです。
ヒンドゥでは、人間の資質は特定のカラに関連付けられており、
16の異なるカラの組み合わせが、その人の個性を生み出すと考えられています。
16の全てのカラを持つクリシュナは、子として、友として、恋人として、教師として、ガイドとして、あらゆる状況において非常に純粋で完璧です。シャラド・プルニマの日にクリシュナは、神聖な愛のダンス「マハーラース」を演じました。クリシュナの神聖なフルートの音色を聞いたゴーピー達(牛飼い)は、森へと導かれクリシュナと一晩中踊ったそうです。
シャラド・プルニマの日に、16のカラ全てがチャンドラによって輝きます。
シャラド・プルニマについては、ヒマラヤ便り48号でCheck It Out!