ヒマラヤ便り21号 レモンと唐辛子 ニンブミルチ
ナマステ〜!
インドの店先には、マリーゴールドの花の鎖のほか、レモンとグリーンチリが飾られている。レモンは、「ニンブ」と呼ばれる、シークワーサー大の柑橘が主流だ。自炊できるようになって、ローカルの商店や八百屋さんで買い物をするようになった。ニンブは、早い段階で覚えた単語で得意顔で使っている。
手前左の籠にニンブが入っている。
「ジンジャーレモンハニー」は、冬の山生活の味方だし、「ニンブパニ」(レモン水)は、暑い都市部生活の味方だ。チベタン キャンプでは、「ニンブパニ」という小さなカップ入りの既製品も大人気だ。
隣街のアーユルヴェーダクリニックの「ミルチ(唐辛子)とニンブ」
パニ(水)は、別次元で、人間を含む動物、植物に欠かせないものだ。どこに居たって、誰だって。食物は7日食べなくても大丈夫だが、水は3日だそうだ。サドゥ(ヒンドゥヨーガ実践者)の中には、ずっと水も飲まない苦行を実践してる行者もいるようだが、私のような凡人は水は必要。
インドは、ベジタリアンが多いので、レストランのメニューも「ベジ」のラインナップが充実している。既製品には、日の丸緑色ヴァージョン(丸を四角で囲む)「ベジタリアンマーク」が印刷されている。コーラのペットボトルのラベルにベジマークを見つけた時は、「そうだろうけど、そういうことじゃないだろ!」とツッコミ入れたった。「水は飲んでないけど、コーラは飲んでます。」とか言っちゃうサドゥとかいそう。コーラしか飲めないのも、ある意味苦行か。"Everything possible in India" の真骨頂。インド観光省のキャッチコピー" Incredible India"。まさに、インクレディブル インディア。
写真はゴミ箱として再利用されているダンボール。インドでお馴染みのミネラルウォーター "Jairu" ジャイルゥは、中身ほんものですか?と疑う時もあるけれど、
「高純度の味 ジャイルゥを一口含んでください。それは、この美しい渓谷クルへの神からの贈り物です。』にシビれた。
唐辛子は、「ミルチ」と呼ばれ、ニンブ同様、またはそれ以上に重要な存在で、「チリ」で通じるし、「グリーンチリ、イエローチリ、レッドチリ」とカラフル。それぞれ風味や辛さが違って、標高2050mのお隣の渓谷「クル渓谷」で栽培、乾燥されたオーガニックイエローチリは絶品だった。どうやら、くるちゃんはクル渓谷に呼ばれているらしい。今度行くことに決めた。
村の商店で野菜を買うと、唐辛子をおまけしてくれる。買うつもりで秤に乗せても、お金を取らないし、もう一握り足してくれたりする。ビジェもチャンドラも毎回そうだったし、向かいのお店のチトゥルも同じだった。ミーチは「そういうもの」なのだ。
家や店の外に吊るすニンブミルチは、幸運と繁栄の女神ラクシュミと、不幸と衰退の女神アラクシュミのお話が起源だと言われています。
人々は、当然ラクシュミが家の中に入ってくることは歓迎しますが、
アラクシュミが家の中に入ってくることは望みません。
ラクシュミは甘い物が好きで、アラクシュミは酸っぱい物と辛い物が好きです。そこで人々は、レモンと唐辛子を家の外に飾り、アラクシュミが家の外だけで満足して中に入って来ないようにしました。
蚊や虫を寄せ付けないことや、スピリチュアル的には、邪悪な目やネガティブエネルギーから身を守るため、家の外に吊るしておくとニンブミルチがネガティブエネルギーを吸収し、家の中への侵入を防いでくれると信じられています。
ニンブ1個にミルチ7個、または、ニンブ3個にミルチ5個をシャニワラ(土曜日)に飾って、シュクラワラ(金曜日)に捨てます。