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ヒマラヤ便り50号 最も暗い夜

ナマステ~!ヒンドゥのお祭りについて、いつも事後報告になりがちなので、今回は始まる前にお届けします!ヒンドゥ暦は太陰太陽暦で、あなたがいる場所の時間帯が基本になります。私は、北インドのプールニマンタ方式を採用しているので、ヒンドゥ暦の最も暗い夜は、カールティッカ月のアマヴァシャ(朔)の日になります。南インドのアマンタ方式では、パクシャが(15日間)ずれるので、アシュウィン月のアマヴァシャになります。北インドの方が比較的豪華に壮観に祝われます。

光の祭典ディワーリィは、ヒンドゥで最も重要な宗教的お祭りで、ディーパヴァ―リィとも呼ばれます。ヒンドゥ暦の最も暗い夜を中心に前後5日間で祝われます。2022年10月23日から27日まで。最も暗い夜は10月25日です。
2023年11月11日から11月15日(最も暗い夜11月13日)。2024年10月29日から11月3日(最も暗い夜11月1日)。2025年10月18日から10月23日(最も暗い夜10月21日)。

大小企業にとってディワーリィは、最大の売り上げが記録されるピークシーズンです。ディワーリィを祝うため、人々は装飾品や家の補修用品、新しい服やジュエリー、家具や家庭用品を購入します。学校や政府機関は祝日のため閉鎖されます。証券取引所も閉鎖されますが、夕方のムフラート(縁起の良いタイミング)取引のために一時間だけ開かれます。ムフラート取引は、トレーダーの間で、縁起の良いものとみなされ人気があります。


ラクシュミ ヤントラ

ヤントラは、機械やからくりの意味で、特定の神に関連し、ジョーティシャ(インド占星術)とタントラ(実践、技法)のテキストに基づく幾何学的な図。瞑想の補助となり、浄化力と魔法の力が与えられますよ!

Shri Mahalakshmi Yantra by Drikpanchang

ダンテラス and ヤマディーパム 

Dinner with Dennis

ディワーリィは、女神ラクシュミが神々と全人類への恩恵として現れた乳海攪拌に起源をもっており、ヒンドゥが数千年にさかのぼる最古の宗教であるため、多くの伝説がディワーリィに関連づけられてきたことは、驚くべきことではありません。

5日間の祭りの間、さまざまな神々が崇拝されます。ラクシュミ、ガネーシャ、クベーラは、一番に頭に浮かぶ神々です。ヤマラジ(閻魔大王)、ダンヴァンタリ、ハヌマーン、カーリー、クリシュナ、サラスワティが崇拝され、期間中数多くの儀式が行われます。

一日目は「ダントラヨダシ」トラヨダシは13日目の意味で、カールティッカ月のクリシュナパクシャの13日目です。つまり、アマヴァシャ(朔)の2日前です。ダンテラスと呼ばれ、5日間にわたるディワーリィの最初の日です。日本では、本年2022年は10月23日となります。2023年は11月11日です。

ダントラヨダシの日に、ラクシュミは、天の海である乳海の攪拌中に現れました。そのため、この日に富の神クベーラと共にトラヨダシの縁起の良い日に崇拝されます。ただし、アマヴァシャでのラクシュミプジャーがより重要であるとみなされています。

この日は、ダンヴァンタリ・トラヨダシ、またはダンヴァンタリ・ジャヤンティでもあり、アーユルヴェーダの神様、ダンヴァンタリの誕生記念としても祝われます。

ヤマディーパムは、同じ日に別の儀式として、家族の不慮の死を防ぐため、家の外で死の神ヤマのランプを点灯します。ディーパクは、サンディヤの時間に家の外で点灯します。2022年10月23日のサンディヤの時間は、4:56pm~6:14pmです。ヤマのためのディーパクは、ヤマを喜ばせ家族を守ります。

死と正義の王ヤマ(閻魔)

死と正義の王。ナラカ(地獄)とパーターラ(下界、冥界)の主。ピトル(先祖)の主。別名ヤマラジ(閻魔王)。ヤムナー川の女神ヤミーの双子の兄。住処は、ヤマロカ(宇宙の南・地球の下)。ローカパーラ(道・方角の守護神)の一柱として、南方の守護神。ヤマは人間で最初に死者になったため、死者の進むべき道を見いだし、死者の国の王になりました。死者を裁き、生前に悪行をなした者を罰します。ナラカには多くの種類があり、ヤマは死者の魂を適切な場へ導きます。スワルガ(天国)に導いたり、ブーミ(地球)に戻したりすることもあります。スワルガ、ナラカの滞在は一時的で、魂は功績に従って転生します。仏教では、ダルマパーラ(法の保護者)正義の擁護者と呼ばれ、ナラカとサンサーラ(輪廻転生)のサイクルを管理しています。
三途の川は、ヴァイタルナ川といい、地球と地獄の間にあり、人の罪を浄化します。ヴァイタルナ川を渡るのは、罪を犯したものだけで、善行をなした者は渡る必要がありません。「シュリ―・グルデーヴァ・ダッタ」と唱えるとダッタという名の僧侶(ヨギ)が渡るのを手伝ってくれます。もし、魂が川を渡れなければ、地獄にも行けず岸辺で立ち往生して、人間や動物として地球に転生することはできません。物理的には、オリシャ州にある主要な川の一つであるヴァイタラニ川です。オリシャを通過した後ベンガル湾に流れます。スワルガよりも美しく、宝石、美しい木立、湖があるヴァイ(本当に)タリ―二(救い)パーターラ(界)から地球に持ち込まれシヴァの恩恵をもたらすと伝わっています。
死において完全な解放を成就するため、シヴァの頭頂からあふれ出る智慧の滴である聖なる川ガンガの中流にあるヴァラナシにて、死を待ちます。死者の魂は一度月に行き、ヤマの裁きによって解脱するか転生するか決まるといわれ、ヴァラナシは月への一番の近道だといわれています。

くるちゃんメモ

ディワーリィ5日目の姉妹の家で兄弟が食事をする「バイドゥージ」も、ヤマドウィティヤと呼ばれ、ヤミ(ヤムナ)とヤマの兄妹の伝説に因んでいます。

富と財宝の神クベーラ(毘沙門天)

世界の富の会計係と見なされているクベーラは、ダンテラスの日と、3日目のアマヴァシャの日のラクシュミプジャ―でも、富の女神ラクシュミと共に崇拝されます。

クベーラ(毘沙門天)は、ヤクシャ族(夜叉)の王。ラークシャサ族(羅刹)のラーヴァナの異母兄弟。シヴァと親しく、住処は、カイラス山の都アラカー。別名ヴァイシュラヴァナ(ヴィシュラヴァの子の意味。毘沙門はこの音訳。)、ニディグーヤカディパティ(ニディ=宝、グーヤ=秘密にするもの、ディパティ=主)という尊称で呼ばれる。ビージマントラは「ヴァイ」Vai。富と財宝の神。地下に埋蔵されている財宝の守護神であり、ローカパーラ(道・方角の守護神)の一柱として北方の守護神。千年修業がブラフマーに気に入られ、神となり、プシュパカヴィマーナ(空飛ぶ馬車)を授かった。ラークシャサの居城ランカー島(スリランカの説あり。)を都としたが、ラーヴァナとの対立でカイラス山に退きプシュパカヴィマーナを奪われる。大洪水で海に沈んだ財宝はナーガ(蛇神)の物となったが、乳海攪拌の時にデーヴァ神族が取り戻し、クベーラは、その財宝を監視する役となる。
クベーラの守護する9つの財宝
1,カッチャパ 亀 2,クムド 水蓮 3,クンダ ジャスミン 4,カルワ 麝香薔薇 5,マカラ 怪魚 6,ニーラ 藍 7,シャンカ 巻貝
8,パドマ 蓮華 9,マハーパドマ 大蓮華

くるちゃんメモ
Deepavali

ガネーシャ(歓喜天)

手抜きでごめんだけど、ガナパティについては過去記事でCheck it up!

アラクシュミ

Parvati River

車が入れない小さな村で、くるったくるちゃんがラクシュミに出会った。随分前に、村人から「ラクシュミと知り合いか?」とよく聞かれた。ラクシュミ女神は知っているが、知り合いなわけないじゃんと思ったが、そのラクシュミは、日本人女性だという。はい?この村よりも、もっと上の、徒歩で1時間ほどの隣村に滞在しているという。私を見て「ラクシュミ!」なんてささやく初見のローカルもいて、「日本人ってだけで全然違うじゃねぇか。」とマタンという名のイスラエル人がツッコみをいれた。私は心の中で、「私はラクシュミって柄じゃないから、アラクシュミってところか。」と苦笑いした。

ラクシュミの姉アラクシュミ―は、不幸を司る女神。ラクシュミがヴィシュヌと結婚するとき、姉のアラクシュミ―にも配偶者をつけるという条件をつけ、リシ(聖人)と結婚した。[a]は「非」の意味で、アスラもシュラ(生)でないという意味らしい。

アラクシュミ 貧困と不幸を司る女神。アラクシュミは、ラクシュミの影ともいわれ、乾燥して皺が寄った体、分厚い唇、ビーズのような目、カモシカのような足、牛のような歯を持ち、牛を撃退する。ヴァーハナはロバ。
神々は、アラクシュミを悪意のある人々の中に住まわせ、貧困と悲しみを与えた。彼女の道に嫉妬と悪意をもたらし、家族に仲たがいをおこし、破滅と破壊に直面させる。

くるちゃんメモ

パドマプラーナでは、不吉で悪い物が最初に現れ、多くの努力が吉祥と善を生み出すとされ、乳海攪拌でジェシュタが最初に現れ、その後にラクシュミが現れます。アラクシュミはジェシュタの別名、または同一視されることもあります。ジェシュタについては、また今度お伝えします。

姉パールヴァティと妹ガンガのお話は例外だけど、磐長姫と木花咲耶姫といい、姉妹の話って、比較して姉がブサイクで悪い奴で、妹が美人で良い奴みたいな話が多い。多分、元になるお話のパクリなんだろう。私は妹だけど、姉の方が美人だし、心は私も姉も美しくいい奴なので、姉妹が表裏であるみたいな考えはナンセンスですね。最近二元論に限界を見出した生悟りのくるちゃん。

ラクシュミ(吉祥天)

吉祥天が訪ねてきてくれて、数年越しに会うことができた。なんかいいことありそな予感w。ラクシュミと言えば美と富と豊穣と幸運を司る女神で、日本人でありながら、ローカルからラクシュミって呼ばれてるなんて、すごいなぁと思った。

たぶん姉妹

ラクシュミ(吉祥天)は、パールヴァティ、サラスワティと共にトリデーヴィ(3女神)の一柱。ヴィシュヌの配偶者。美と富と豊穣と幸運を司る女神。別名 シュリ―(吉祥な)、パドマパティ(蓮華の主)、チャンチャラ(移り気)。ヴィシュヌと共にヴァイクンタ(14のロカ(世界)の最高領域)に居住する。ヴァーハナ(神の乗り物)は、赤い蓮と象。4本の腕を持ち、シンボルは水蓮と金貨。

くるちゃんメモ

ディワリ プジャの日には、終日断食を行う必要があります。断食は、Nirjal (निर्जल 水なし)、または Phalahar (फलाहार 果物のみ)、身体能力と意志力に応じて、果物のみまたは牛乳のみのいずれかにする必要があります。

ディワリ プジャ中に点灯したディーパック(ディヤ)は、一晩中点灯し続けることに注意する必要があります。プジャーの後は、シュリ ラクシュミーの教典を読むことをお勧めします。可能であれば、シュリ ラクシュミに捧げる徹夜もお勧めします。

ラクシュミ マントラ

シュリ―は、ラクシュミの別名でもあり、富、繁栄、輝かしいなど縁起の良い響きです。ラクシュミの祝福を呼び起こすための最も強力なマントラでもあります。

ビージマントラ(種字マントラ)は、偉大な精神的力を授けられた中核マントラです。ヒンドゥで全ての神の可聴種と呼ばれるビージマントラを唱えると願いが叶い、あらゆる危険や敵から守る保護盾となります。エネルギーが活性化され、心と体を浄化しバランスをとります。

ラクシュミ ビージマントラ
Om Hreem Shreem Lakshmibhayo Namah

Lakshmi Beej Mantra

マハーラクシュミマントラ
Om Shreem Hreem Shreem Kamala Kamalalaye Praseed Praseed
Om Shreem Hreem Shreem Mahalakshmaya Namah

Maha Lakshmi Mantra

ラクシュミ ガヤトリー マントラ
Om Mahalakshmicha Vidmahe
Vishnu Patnicha Dheemahi
Tanno Lakshmi Prachodayaat

Lakshmi Gayatri Mantra

それでは、Have a Happy Deepavali ! 2023年は、ダンテラスが11月11日です!Don't miss it !


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