チベット便り002 His name is Tenzin "30Rs."
夜遅い到着だったので、両替が出来ずに困っていた。
空港から予約しているホテルまで、バスとリクシャを乗り継ぐ。
それで持ってるルピーは全部終わる。カタム。(ヒンディで終わりの意味)
ネパールで「パイサソッキヨ」(お金ない。)なんて冗談で言ってたけど、
実際に使うことになるとは。
チベタンキャンプに到着すると、いつものように、リクシャの運転手が群がってくる。
「お金がないから自分で行くからいいよ!」って言っても、「お金がない。」を断る手段と受け取った彼らは、リアルにお金がないとは思わず、諦めない。
勝手に荷物を自分のリクシャに乗せようとする輩に、
「荷物に触らないで下さい!支払い明日でもいいなら、ホテルまで荷物運んでよ。キャンプ内には、オートリクシャは入れないから、自転車リクシャの人にお願いしたいんだけど。」と言ったら、急に英語がわからなくなっちゃうし。状況わかってないくせに、でしゃばり勢が、「俺がやる!」「俺がやる!」と手を挙げる。
めっちゃ囲まれて困ってるところに、
" May I help you?" とチベタンと思われる青年が声をかけてくれた。
説明をして、理解してくれた青年は、一人の自転車リクシャの運転手に通訳をしてくれて、一緒にホテルまで来てくれた。
ホテルに到着し、ロビーまで荷物を運んでくれた。
そしたら、青年は、リクシャにルピーを払って帰りかけた。
明日私がリクシャに払うってことでディールしてくれたと思ってたので、
「ありがとうございます。明日、ルピー作ったら、お返しします。」と言ったけど、青年は、必要ないよ!って感じで帰ろうとする。
「そんなこと出来ないよ〜。あなたはどこに滞在しているの?」
「ノルブリンカハウスだけど、ルピーは気にしないで!」と去ろうとする。
「せめてお名前を!」と彼の背中に尋ねると、
青年は、振り向いて
"My name is Tenzin."と答えて、去って行った。
テンジンは、チベタンにはポピュラーな名前で、意味は、"The holder of Buddha Dharma"(仏法の所有者)
天神様だ〜。と思った。菅原道真、火雷天神。(ヒンドゥでは火雷天神は、インドラ帝釈天。)
その後も、"Trouble is my middle name."の本領発揮で、
まだまだ落ち着かせてくれないチベタンキャンプなのであった。
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