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takoyakiyuchan
汝の名は
「調理定年」なる言葉があることを知った。
産む性として古来から飯炊き係を任ぜられて来た女性側が、反旗を翻したような造語だ…大袈裟な解釈だな自分。
この言葉を元に取ったアンケートによると、
“作るの止めた〜い”
と強く心が動くのが50歳代で、
“マジ無理”
と体が拒否するのが60歳代なのだそうだ。
長寿大国日本にあって、その後の20〜30年は、「定年」という免罪符の下、後ろめたさを振り払い、充実している冷食や出来合いお惣菜、レトルト、テイクアウト、そして外食を活用すべきとの内容の記事だった(お〜い、お金はどこからでるんだ〜い)。
同記事には「大盛り寿命」「焼肉寿命」「行列麺寿命」というのもあったが、こちらは自虐ネタを好む男性発想だろう。
「毒親」が説明不要になって久しいが、かなり昔には「母原病」なる言葉があった。
前者は子供側から母親への悲鳴、後者は評論家から母親への批判が聞こえてくるイメージだが、時代の変遷による同じカテゴリー内の造語だ。
「追っかけ」や「オタク」は「推し活」の定着で救われた。
ある行いが名前を与えられ、その一言が、歴史の流れや人々の心の移ろう全景を映し出す。
誰かが言い出し、使い勝手の良さから伝播していくたくさんの言葉たち。
淘汰され消えてゆく端から、次々と生み出される「名前」たち。
言葉を得たニンゲンの発想力に、今日もワクワクしている自分です。