息をする
何をやっても上手くいかない時期が来る。
余りにも憂鬱で、足が重く何度も止まる。
なんとか職場へついて、仕事をしても、ミスをする。
細やかなミスで言われた言葉が耳に入った瞬間、息が出来なくなった。
つまる。
気付かず胸を手で握りしめるが、吸うことも吐くことも出来ない。
ああ、こういう事もあるんだな、と。
忘れないようにしよう、と。
書き留めているけれど、気付かない内に、心に留めてしまっていた事が沢山沢山あったらしい。
私の涙腺は、極々たまに壊れる時がある。
言葉に出来なかったものが、口から溢れるかわりに目から水分としてこぼれ出す。
ある日、一日中止まらなくって、情けなくなった。
昔読んだ少女漫画で「そんなに泣いたら眼が溶けるよ」と青年が少女に言っていたが、私にそれを言いながら涙を拭いてくれる人はいないから、自分で拭う。
24時間近く泣いても眼は溶けないし、涙も枯れない。
小出しにしておくべきだったが、いかんせん変なところで我慢強い私は、私の奥底にある泉をいつも潤している。
いつか、本当に大切なものを失った時、私はミイラにでもなるかもしれない。
それは、嫌だなと今から思う。
深呼吸がしやすいからタバコが好きだ。
けれども世間や身体には良くないらしい。
早めに止めようと考えても、甘えてしまう。
マヤカシの深呼吸をしたくて、コソッと隠れて吸ってしまう。
息を吸って、吐く。
生まれた時から出来たことが、数年経つとたまに難しくなる。
人前に立つ、ミスをする、イライラする、すると瞬く間に、呼吸を忘れる。
当たり前のことが、当たり前に出来るようになること。
難しいなんて、思いたくないが、事実難しい。
いつか、出来る様になるのだろうか。
そればかり夢見る。
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