日本一旨い吉野家は有楽町店！？
2021年２月21日放送のニッポン放送「土田晃之 日曜のへそ」を聴いていると、土田さんの口から、「有楽町の吉野家さんて、マニアの中で一番旨いと言われていると。それはなぜなら有楽町の吉野家さんが一番お客さんが来るから、牛肉タマネギもダシを頻繁に入れることになるから、旨味が違うんですって」とおっしゃられた。
この話は噂ではなく、2021年1月12日放送のTBS「この差って何ですか？」でも特集されていたようだ。（『「吉野家」の「牛丼」で一番美味しいのが、東京有楽町店！？』の項より）
そんな吉野家有楽町店の牛丼を、私も一度だけ食べたことがある。
2014年4月、偶然バイト先が東京駅の近くになった。東京の地理に詳しくない人あるあるだと思うのだが、「駅名が違うと目的地が近所だと気づかない」という現象が起きる。ちょうどその時期、映画「秘密結社鷹の爪７ 女王陛下のジョブーブ」が無料公開された。
「無料で観ることができる」ということに心躍る私だったが、その条件は厳しかった。７日間限定公開、劇場は東京の場合、TOHOシネマズ日劇（2018年２月上旬に閉館）と渋谷だけ。さらに上映スケジュールも通常の映画と違い、１日に２～３回あるかないかだった。
非常にシビアな条件で、普段通りのバイトだったら時間的には間に合わなかったが、TOHOシネマズ日劇のある有楽町が、東京駅近くのすぐそばで、歩いて10分もかからない、という事に気付いた。
当時バイトが終わるのが18:00で、映画の上映開始が19:00くらいだった気がする。余裕で間に合うが、時間が空いていたので、夕飯を済ませようと立ち寄ったのが、吉野家の有楽町店だった。
ここまで期待させておいて申し訳ないのだが、正直店の味は特に覚えていない。なにしろ７年も前の話なのでご容赦いただきたい。
ただ、体験は格別なものがあった。東京にしては意外に広い店内で、Ｅの字のカウンター席の周りにずらりとスツールが並び、時間帯もあって大勢のスーツ姿の男性が席を埋めているにもかかわらず、客対応するのは一つの突き出したテーブルに１～２人の店員だった。
バイト暮らしで金の無い私は牛丼並盛を頼み、ほどなくして目の前に運ばれてくると、黙って牛丼をかきこんだ。そしてすぐに食べ終わったのだが、食べ終わった瞬間、何の注文もしていないのに、店員はサッとお茶を出してきた。ちょうどお茶が飲みたいと思っていた瞬間だった。何も言わなくてもサッとお茶を出してくれる気配り、日本一美味しい吉野家は、店員の目利きも超一流だった。
（終わりに、大した話でないというのは、無料公開ということで、改めてご容赦いただきたい。）