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なぜあんなに週刊文春を買いたかったのか

■私の住むところでは2日遅れで買える■

次の週刊文春も新たな展開があるそうで、早く読みたい。
が、私の住む熊本の山奥では発売日の2日後にならないと入手できなくて、酔談を見るときには手元にないことの方が多い。それでもやっぱり絶対買わなくちゃと思わされるというだけのことだが。

3月26日号のあの「完売」のときは、まだ「発売日」と実際の販売日の状況を知らなかったので、お店の少ないこの地域で数件回ってみたけど古い号しかなくて、もしや、この辺りには回ってこないのか、と心配した。
実際には店頭に無事並んだあとは翌週まで残っていて、それはそれで、ああ、この地域ではそこまで盛り上がってないのね、と、予想通りではありつつ、残念にも思った。

あのときは既に入手した人がネットで一部画像を出したり文章を抜き書きで紹介してくれたりしていたので、大体の内容はそれで知ったが、どうしても購入したかった。
普段はテレビも新聞も雑誌も多少気になるものがあっても、忘れたら忘れたでいいや、というくらいの感覚なのに。
これは取っておかなくちゃいけないと思った。そこまでの衝動をなぜ感じるのかは自分でも整理がついてなかったけど。

■新型コロナウィルス関係のことから呼び覚まされる3.11直後の記憶■

あの頃がもうすでに遠い過去のような感覚だが、どんな心境だったっけ、と思い返してみる。
2月終わりに突然の休校が決まり、3月頭には私はとても楽しみだった広島への演奏ツアーの予定をキャンセルすべきかどうか悩みに悩んでキャンセルしたところで、ぐったりしていた。

新型コロナウィルスは「怖い」のか「怖がるべきでない」のか、どちらの立場からももっともらしい発信がなされて、その意味では今よりもっと混沌としており、まるであの3.11の原発事故直後のようだった。素人がわからないながらに情報の吟味をしなければならない状況がまるで同じ。
この状況だと、当然、友人知人がどの「派」なのかを探りながらコミュニケーションを取らねばならないなど、無用なストレスが生まれる。これが一番きつい。
トップがあいまいなことやごまかしをやってると、末端のひずみはひどいことになる。
被爆回避で母子避難から夫の理解を得られずに離婚に至った複数の友人の苦労など見ているので、庶民に迷惑をかけてくる(他になんと表現したらいいのかわからない)「国」というのは本当に許せない(そのときの与党が何党であろうとも)。理不尽なことをやっておいて、末端につじつまを合わさせるようなやり方は許さない。
(・・・あれ、こう書いてみると・・・、赤木さんのことにも通じるのか。)

私はよくわからないものに対しては、一番危険度の高い情報に合わせていったん可能な限りの安全対策をし、状況を見極めてからその後の行動の判断をしていくことにしている。が、日本ではそれは「当たり前」とはされていないので、生きづらい。

毎年3月11日の近辺は心が不安定になる。東北じゃない、東京にいたけど、それなりに大きなショックを受け、これまでずっと、3.11を忘れたことはないから。日常がずっと3.11以降の続きだから。
そんな時期に、新しい未知の問題で、情報は錯綜し、命第一であってほしい政府は「命って何か知らないのかな???」と言いたくなるようなペースで右往左往して国民の不安を煽っていた(もちろん、たぶん、わざとじゃないんだろうけれど、しっかりしてくれ)。

これまでもたくさん、庶民の生活を壊し、首を絞めるような政策をしてきたあの政権が、この難しい局面にまじめに対処なんかできるはずがないし、するつもりもないし、少なくとも私たちのことを守ろうなんて絶対思ってない。彼らが退陣してくれないと解決には向かわない。

■「絶対買わなくちゃ」と思った動機■

と、私はそう思っていたので、あの週刊文春を購入しようと思った動機には、今度こそ、あの政権が倒れてくれるための糸口に感じられたという部分も当然あったと思う。だけどそれが最大だったかというと、どうだろうか。だって、どんな決定的な証拠もよくわからないごまかしで「やり過ごしました」というポーズで「乗り切って」いる人たちに、何をぶつけても同じことだから。そこに期待するほど私の諦念は浅くない。
でもとにかく、とぼけた証言で「切り抜けた」佐川さんに、ごまかしたものを問いただせるということなら、それは知りたいと思った。

そして、森友学園の件で財務省の職員が自殺したという報道があった当時には「あるらしい」というくらいで詳しくわからなかった遺書が、相当時間が経った今、発表されるということ自体に力がある。きっと迷いやなんかの事情があったんだろうけれど、よく踏み切ってくれた。さらに、提訴するのだということに、もうすでに感動して。
とはいえ、もうその後の記事を読んだりした後なので、はっきりと断言できるほど当時の心境を再現はできないな。
でもとにかく、そういう感動があればこそ、「絶対買わなくちゃ」と思ったんだと思う。

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