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【協力隊日記】イスラム教を知る
ちょうど1年前、エジプトに赴任すると決まってから
エジプト神話、歴史、そして国民の9割が信仰するイスラム教について
勉強を始めました
日本人には、イスラム過激組織の印象が強く「怖い」と感じている方も多いと思います。私もそう思っていました。しかし、勉強していくうちに、そして実際にイスラム圏に身を置いて印象が180℃変わりました。
日本でもイスラム教の方が在住していたり、旅行先でイスラム圏に行くことがあるかもしれません。ぜひ少しでもイスラム教の理解が深まりお互いが傷つくことなく共生できる環境ができれば嬉しいです。
イスラム教とは?
ユダヤ教、キリスト教と同じルーツをもつ一神教で、世界三大宗教の1 つです。
世界には約18.5億人のイスラム教徒がいると言われています。
ゆくゆく先は現在世界で最も多いキリスト教徒の人口(20億人)を上回り、世界人口の3人に1人がムスリムになると推計されています。
イスラム教徒は中東に多いようなイメージがありますが、実際はムスリム人口の半数以上にあたる約10億人がアジアで暮らしています。
日本では現在約20万人のムスリムが居住していると言われています。
人口の割合的には多くありませんが、ムスリム留学生及び研修生、日本企業に勤めるムスリム、訪日ムスリム観光客は年々増加の傾向にあります。
ただ、これから説明する内容を日本で忠実に実践することは難しく、生活に不自由しているムスリムが多いことも事実です。
六信五行とは?
「六信五行」はムスリムの生活の基本となる考えと行動です。
ムスリムは信ずべき6つの信仰箇条(六信)と5つの義務(五行)が定められています。
(六信)
1) アッラー(唯一絶対の神)
2) 天使(神の使い)
3) 啓典(クルアーン:神の声の記録)
4) 預言者(神の言葉を伝える人)
5) 来世(復活や死後の生命)
6) 天命(神が定めた運命)
(五行)
1) 信仰の告白(神を信じることを声に出す)
2) 礼拝(1日5回お祈りをする)
3) 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
4) 断食(イスラム暦9月の1ヶ月間日中の飲食を断つ)
5) 巡礼(一生に一度は聖地へ行く)
2)礼拝(サラート)について
一日五回の義務とされる礼拝は、「夜明け前」「正午過ぎ」「午後」「日没後」「夜」です。なので何時何分~ではなく、時間帯なのでモスクで行われる集団礼拝とは異なり個人で都合の良い時に礼拝すれば良いとされていますが、礼拝の時間になるとモスクから「アザーン」という呼びかけがあり基本的にはそれに合わせて礼拝を行います。
また祈りの時間は、太陽の位置によって決まるので時計がなくても分かるそう!なので国や地域、季節によっても毎日変わります。
時間通りにモスクで礼拝をするのが理想ですが、仕事や旅行中など実際は難しい時もあります。その場合2回目と3回目の礼拝を合わせて行うのも良いとされています(宗派によって異なる)礼拝の場所は基本、墓地や屠畜場(家畜など動物を食肉・皮革などに殺す場所)などを除き、「清潔な場所」で聖地メッカの方向(カーバ神殿)を向いて行えば、自宅、職場、砂漠でも山でもOK。
ここ最近では、スポーツジムの更衣室に小さい絨毯を敷いて礼拝する人、道路の高架下で礼拝する人などの姿を見ました。絨毯さえひけば、道路でも「清潔な場所」と見なされるらしい(笑)
ただし毎週金曜日、正午過ぎの礼拝についてはモスクで集団礼拝するのが「義務」です。なので、金曜の午前中はどこもシャッターが降り町は静まり返ります。(イスラム圏では金曜・土曜が休日です)
普段モスクに行かない人も、金曜のこの時間帯はモスクに行くそうです。
礼拝の言葉や動作には決まりがあり、世界中のイスラム教徒で共通です。言葉も必ずアラビア語行わなければいけません。
4)ラマダン(断食)について
ラマダンは、イスラム暦の第9の月である30日間にあたります。
太陰暦は西暦と違い、1年が354日です。
1年で11日ずつ早まるため、毎年ラマダンの期間が異なります。
※2024年は3月11日からはじまりました
ムスリムはこの約1ヶ月間は日の出前から日没まで、
水を飲む事や一切の飲食が禁じられています。
人によっては、唾を飲み込むこともしないようです…
飲食のほかにも、期間中の喫煙や性行為、けんかなどが禁止されています。悪口や不適切な言動も慎まなければいけません。
※この前思いっきり喧嘩してた人、ぶち切れてた人いたけど(笑)
ただし乳幼児は例外です。子どもは6~7歳頃からラマダンを始めることが多いようです。はじめは時間や期間を短くして参加し、少しずつ体を断食に慣らしていくのが一般的です。
重病人や高齢者、妊婦や授乳中、生理中の女性も断食をおこなわなくても構いません。ただし、体調が回復しだいおこなう必要があります。
ムスリムにとってラマダンとは単に食を断つことではなく、
欲望や悪を遠ざけ信仰をより深めるための最も神聖な月と考えられています。また、お金持ちも貧乏人も身分に関わらず等しく空腹や乾きなどの辛さを味わうことで、恵まれない人々を思いやり、寄付などの援助を率先して行う時でもあります。
この期間の食事は通常、日没後(夜間)と夜明け前にとります。
日没後に初めて口にする食事は「イフタール」と呼ばれ朝食の意味です。
イフタールは胃に負担がかからないよう水やスープからはじまりフルーツ・デーツ(ナツメヤシ)など甘いもの続きます。その日の空腹を満たすため、そして翌日の日中の分まで大量の食事を一気にとるので太る人もいるようです(笑)
ラマダン中は各地のモスクでムスリムやノンムスリムにもイフタールが振る舞われ、礼拝後にみんなで食事を分かち合います。
実際に日没前に町を歩くと、無料でお弁当を配っている団体も見かけました。各家庭で食事を楽しむ人もいれば、町に出て友人や知らない人とでも一緒になって食事を楽しむので、一見辛そうに見えるラマダンですが、みんな楽しんでいます。
ただ、勤務時間も短くなり、従業員のやる気もかなり落ちるようです(笑)そりゃ日中一切飲まず食わずで深夜まで起きていたらそうなりますよね(笑)
また別の記事で他についての詳細を書きたいと思います。
色々な書物があったり、ネットに情報があふれる中、今のところ私が読んで良かったものがこちらです!
とても分かりやすく読みやすいので、興味ある方はぜひ
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