JICA海外協力隊のお金事情
ボランティアの定義は、
見返りを求めない無償の奉仕活動です。
これを読んでくださっているみなさんの中でもこれまでボランティア活動をしてきた方もいるかと思います。
私も大学の頃から国内外のボランティア活動に参加するようになりました。
海外ボランティアに参加した際は、毎回参加費を払っていましたし、航空券代、海外保険なども全て自分で手配もしていました。
アルバイトをして貯めたお金の多くは、海外に使っていたかも知れません。
それだけ当時の私にとって、【海外】や【ボランティア】は価値のあるものでした。
なのでボランティアと聞くと、金銭面でもハードルを感じる方も少なくないと思います。
JICA海外協力隊もボランティアの枠組みですが、金銭面での特徴として様々な「手当」があります。
それに加えて往復の航空券代や、病気や被害に遭った時のサポート(共済会)も充実しています。
なので協力隊の中には「海外が初めて」という方もいますが、赴任前から赴任中、そして帰国後までにかかる諸費用、健康管理、安全管理、そして就職までのサポートもあり、海外が初めてという方も挑戦しやすい環境が整っています。
今回は金銭面にフォーカスして、
具体的にいつ、どのくらいの手当が支給されるのかを共有させていただきます。
赴帰任経費について
①航空券
公用旅券、VISAの申請、そして航空券の予約、発行まで全てJICAが手配しています。無料受託荷物も多いので(航空会社によって異なる)超過料金などなければ個人で支払う必要はありません。
②赴帰任時の手当、宿泊料
出発、帰国時の移動日には上記が支給されます。また自宅から空港までの交通費も実費支給されます。
③移転料
住居移転のための経費として支給されます。受入国によって金額は異なりますが、87,500円〜123,250円です。アジア、大洋州など日本から比較的近い国からアフリカの遠い国になるにつれて金額が上がっていきます。
ちなみにエジプト105,250円です。
④支度料
赴任に伴う経費として、一律90,000円が支給されます。これで必要な物を買い揃えられるので有り難いです。
これらは赴任時については、赴任前に国内口座に振り込まれ、帰国時は在外事務所より支給されます。
国内手当について
国内手当は以下の3種類があります
①本邦支出対応手当→65歳未満の無職、無給求職者が対象
※2ヵ月の派遣前訓練、派遣期間が2年間(24ヵ月)の場合
40,000/月×派遣前訓練期間=80,000円(所得税の課税対象)
55,000/月×派遣期間=1,320,000円
②協力活動完了金→無職、無給求職者で派遣期間を満了した人が対象
※派遣期間が2年間で満了した場合
20,000/月×派遣期間=480,000円
③経験者手当→シニア案件で派遣される人が対象
※派遣期間が2年間の場合
20,000/月×派遣期間=480,000円
①と③は日本国内の銀行に毎月20日に、②は帰国時に一括で振り込まれます。
多くの隊員が①と②に当てはまりますが、
派遣期間中日本の銀行口座を全く動かさなければ
2年間で約1,880,000円程度の額が支給されることになります。また、先述した赴帰任時の経費も合わせると2,000,000円以上の手当が支給されることになります。
海外手当について
①現地生活費
現地生活費は、現地の住民の生活実態を基にした調査結果等を元に同等程度の生活ができるような額で決定されるので、受入国ごとに金額が異なります。
エジプトは、536ドル/月です。
具体的には、食費、被服費、光熱水道費、日用品代、交通費、通信費、事務用品費、健康管理のための雑費など生活にかかる全ての経費をここから賄います。
現地の人と同等程度の生活とは言いつつも、普通に生活、活動していれば足りなくなることはありませんしむしろ余るくらいです。
毎月どれくらいの金額を何に使っているか全て記録に残しているので、もう少し記録が溜まったら公開します。
余った現地生活費は、帰国時銀行口座を閉める時に日本に送金可能ですので無理に使い切る必要はありません。
ここで勘違いされがちなのですが、現地生活費は「給料」や「報酬」には当てはまりません。あくまで生活や活動に必要な「手当」という認識です。
現地生活費は、四半期ごと(4 月、7 月、10 月、12 月)に任国の銀行口座に3カ月分が振り込まれます。ただ銀行口座開設前、着任後の3か月分は在外事務所から現金で受け取りました。
隊員はATMから必要な分だけいつでも降ろすことができるのでとても便利です。
住居(家賃)は各国、地域で定められた金額内で決定し、実費が四半期ごとに同じく銀行口座に振り込まれ、隊員から大家さんに直接支払うことになります。
これまで記載した手当は、全て日本の「税金」で賄われています。自分で働いて得たお金ではないのです。
協力隊は絶対にやらなければいけないタスクはありませんし、何もできなくても責められたり怒られたらする事も殆どありません。
しかし、自分の立場をしっかり理解し、自分だけの足で立っているのではない事を忘れず感謝の気持ちを胸に責任持って全うしたいと思っています。
楽しかった。で終わらずに現地の人たちに貢献出来るように最後まで諦めずに頑張りたいし、こういった発信を通して少しでも日本のみなさんにも還元したいなと思っています。
移動手段にタクシーは使わない、外食する時もローカル店を選ぶ、服は着回し、光熱費は最小限になど、自分ルールを決めていますが、個人的に旅行する時も同じです(笑)
お金どうこうもありますが、やっぱり現地の人と同じ生活をしてこそ(それでも不自由なく生活させてもらってる)少しでも理解が深まったり、関係ができるのかなとも思ってます。
協力隊は賛否両論あります。
私も個人的に思う事はあります。
でも協力隊という事業に、大きな価値を感じている事は確かです。
別の記事でも書きましたが、協力隊での経験や出会いが私の人生を変えてくれたとも思っていて本当に感謝しています。
協力隊としてのラストチャレンジです。
後悔のないように、走り抜けます。
以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました!