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インドのアシュラムについて②シヴァナンダinケララ州
南インドのケララ州、二ヤルダムにある
シヴァナンダアシュラムについて紹介します!
正式名称は、「Sivananda Yoga Vedanta Dhanwantari Ashram」です。
そもそもシヴァナンダアシュラムとは…医師として活動した後に出家した「スワミ・シヴァナンダ師」により設立された施設
アシュラム(道場)→日常生活から離れ、ヨガを通じて心と体のバランスを取り戻すための滞在型の施設で現在、全世界に9か所にあります。
他にも、ヨガのアーサナクラスや座学クラス、サットサンガ、ワークショップなど開催されているヨガセンターと呼ばれる施設は世界各国90都市にあり、日本にもあります!
【公式】シヴァーナンダヨーガ東京|Sivananda Yoga Japan | インド発祥の伝統的なヨガを学べるセンター|Yoga for Health & Peace of Mind (sivanandajp.org)
シヴァナンダヨガの基本哲学は以下のようになっています。
アシュラムでの生活やプログラムも全てここに基づいて構成されています。
①適切な運動(アーサナ)
②適切な呼吸(プラーナヤーマ)
③適切なリラクゼーション(シャヴァーサナ)
④適切な食事(ベジタリアン)
⑤ポジティブ思考と瞑想(ヴェーダンタとディヤーナ)
今回紹介するシヴァナンダアシュラムのコースは、TTC(ティーチャートレーニングコース)や次回紹介するアーユルヴェーダなど色々なコースがありますが、今回Yoga Vacation(ヨガ・バケーション)のコースで1ヶ月程滞在しました!
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まずは受付で、チェックインをします。
HPから予約する時に、プロフィールの入力フォーマットが送られてくるので事前に提出しておくとスムーズです。
それからスケジュール、アシュラムのルールなどの説明があり、施設案内をしてもらえます。
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1日のスケジュールはこちら
Wi-Fiも使用できる場所、時間が限られているのでデジタルデトックスになりますよ※停電も多いので1日全く繋がらない日もあります
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個人的に12:30からのアーサナコーチングがおすすめです!
自分の練習したいポーズを個別で徹底的に教えてくれます!自分はひたすらスコーピオンを練習していました!
14:00からのレクチャー(講義)のクラスも、中々おもしろく勉強になりました!
アーサナ、瞑想、呼吸法などについての詳しい解説や、食事なども含めて、ヨガに関する知識を習得することができます。
※全てのクラスは英語になります。アーサナクラスは、周りの人を見ながらポーズをとっていけば問題なくついていけますが、座学クラスはある程度英語が理解できた方が理解が深まります。
毎週水曜日と土曜日は、朝のサットサングの時間にみんなでアシュラムの外に出てサイレントウォークをします!
ウォーキング・メディテーション(歩き瞑想)というものです。
目的地は日によってバラバラで、ただひたすら言葉を発さずに歩きます🚶🏾♀️
目的地では少しの時間瞑想をして、チャンティングもします。個人的にサイレントウォークお気に入りでした。景色も大自然に囲まれて幸せでした。
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毎日ブランチ後にはカルマヨガをします。
カルマヨガとは…「行動(行為)のヨガ」とも呼ばれます。マットの上でするヨガではなく、日常生活すべての時間を修行の場として捉えていきます。
大切なことは
自分自身の行為の結果に見返りを求めずに、奉仕すること
アシュラム内のカルマヨガには、ショップの手伝い、食事の配膳、図書館の管理や貸出、宿泊場所の清掃、施設内のゴミ集めなどがありました。
自分が滞在した時は人数がかなりいたので、私の担当は夜のサットサンガの準備、片付け担当のみでした!
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他にも不定期でカルマヨガがあります!
よくあったのは、料理に使う薪を山の下から上にみんなでパスしながら運ぶという肉体労働笑
初日は殆どの人が参加したものの、日に日に人は減っていきました笑
自分の時間や労力を削って、その行為の結果に見返りを求めないというのは、シンプルなようで意外と実践し継続するのは難しいのかもしれません。
仕事をしたら、給料をもらう。
家事をしたり、人に親切にしたら、感謝の言葉を期待する。
私たちが日常的に行っているこういったこともカルマヨガには当てはまりません。
カルマヨガを通じて、自分の欲や弱さをヒシヒシと感じました。
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後述するブティック(売店)や図書室、受付のオープン時間も決まっています。
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アシュラムにはガイドラインがあるので、事前にしっかり確認しましょう。
チェックイン時に受付で支払いをしますが、最低滞在期間の3日分をまず払うように提案されます。
それ以上滞在する予定でも、中にはアシュラムの生活に馴染めず予定より早くアシュラムを出る人も多いからだそうです。
ちなみに私はあまりにも居心地がよくて「延長」しました(笑)
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服装も決まりがあります。
肩の見えるタンクトップ、キャミソール、膝のみえる短パンなどは厳禁です。また体のラインが分かるタイツ、スパッツも厳禁なので、要注意です。
半袖、長ズボンを用意していきましょう。
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こちらが私が滞在した女性ドミトリーの外見です。
個室もありますが、圧倒的に安かったのと色々な人と交流したかったのでこちらを選びました。
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ドミトリー内は胸程度の壁で区切られているだけで、立てば隣のベットが見えます(笑)また、1区画に2つベットがあるので混雑時はプライベート空間は皆無です。
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個人のスペースはこんな感じです。ベットと物置があるだけ。
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チェックイン時に蚊帳とシーツが借りれるので、自分で設置して完成です。
蚊や変な虫も多いので、蚊帳がないと怖くて寝れません(笑)
扇風機もありますが、気温が高いので生ぬるい空気が循環するだけです。
暑くて昼間はここにステイできません(笑)
トイレやシャワーも共有で、確かお湯は出ませんでしたが、私の滞在中は暑かったので逆に冷水が気持ち良かったです(笑)
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洗濯は毎日ここで手洗いして、干していました。
屋上にも干せますが、突然の雷雨も多く屋根下を利用していました
※一応ランドリーもあるようです
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この給水機が施設内にいくつかあって、自由に水、お湯を汲むことができます。個人的に保温性の水筒が役に立ちました。
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1日2回、各2時間行われるアーサナ(ヨガのポーズ)のクラスはこの建物内で行われます!
初級者と中級者の2つのコースに分かれていて、朝夕方で階段上と地下の場所が入れ替わります。
※金曜日(休日)や人数が少ない時は、コース関係なく一か所で一斉に実施されます
シヴァナンダヨガは全体の流れは決まっているので、初級と中級クラスの差はポーズのバリエーションとキープ時間でした!
ここのアシュラムは15日で1クールなので、後半になってくると殆ど中級と変わらないハードさにはなるそうです!
初心者の方が多いので安心して参加してください
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朝と夜のサットサングもここで行われます。
サットサング…サット(真理)サング(仲間の交際)→聖なる仲間の集まり
朝と夜で1日2回行われますが、毎回同じ構成内容です!
①グループ瞑想(30分程)
②チャンティング
③講和
グループ瞑想は先生による誘導瞑想で始まります。
瞑想後すぐにチャンティングがありますが、
タンバリンや鈴などの楽器を鳴らしながらみんなで大声で歌います。
最初は戸惑いましたが、歌詞も覚えてくると中々たのしくて気持ちがいいです。今でも覚えているくらい沁みつきました(笑)
チャンティングの本が置いてあるので、その本の歌詞をみながら歌うことができます。
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毎週土曜日にはタレントショーといって、滞在者やスタッフが自分の得意技を披露する会が開かれます。
歌、踊り、楽器の演奏、スピーチなどなんでもOK。日本人だけなら誰も出なそうですが…笑
さすが、みんなこぞって披露します。すごい。
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アシュラム内にはブティックと呼ばれる売店があります。
テッシュ、トイレットペーパー、虫除け、歯磨き粉、シャンプー、タオルなどの日用品から、衣類(テーシャツ、長袖、長ズボン)、ヨガマット、本、CD、バッグ、軽食(クッキー、ナッツ系)など生活に必要な最低限の物は揃っています。
値段も良心的なので、長期滞在するにしてもアシュラムの外に買いに行く必要はないので非常に便利です。
注意点は、現金払いではなく受付でカードをもらいそこにチャージをして購入するシステムになっています。いくらか忘れましたが、残高が一定の金額以下だと返金がされないので使う分だけチャージするようにしましょう。(私は残高があったのでアシュラムに残る人に譲渡しました)
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先述したように、アシュラム内はノースリーブや短パンは厳禁なので忘れてしまった人はここで購入できます。
デザインもかわいいので、お土産にも良いかもしれません。
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またフリーストアというスペースに、アシュラムを後にする方たちが残していった品々があるので自由に使うことができます。衣類やヨガマット、本など結構色々な物が見つかるので、毎日チェックしていました(笑)
私もアシュラムを出るときは、衣類、洗剤、本など置いてきました。
物を無駄にしない、必要な人が使えるようにするシステムは素敵ですね!
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金曜日以外の毎日13:00から14:00は、図書室もオープンしています。
ヨガに関する本が揃っていて、日本語の本もあり借りて空き時間に読んでいました。
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こちらはダイニングホールの入り口です。
食事時間になると、配膳係の方がお祈りを始めるので、それに合わせて入室し、各自食器をとって洗い、1列に座ります。みんなでお祈りをしてから配膳がスタートします。
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配膳してもらう時に、量は調整してもらえます。
配られた人から食べ始めてOKです。
食事中に会話をすることは禁止されているので、隣の人とも基本的には話してはいけません。
食事が終わった人から自分で食器を洗って退出します。
だいたい皆んな手で食べますが、スプーンなどを借りることもできますよ。
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シヴァナンダアシュラムの食事は、ラクトベジタリアンです!
ラクトベジタリアンとは、菜食主義者のうち牛乳や乳製品は食べる人たちのことを指します。
アシュラムでの食事は1日2食ですが、おかわりも自由にできるので満足できると思います!
なによりアシュラムの食事は本当に美味しい!
そして身体にもやさしいので、非常に健康的です!
10時の食事がメインなので、おかずの種類も多いです!主食もお米なのでガッツリ食べられます。
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夜はおかずは1種類が基本で質素です。主食もパン系なので、寝る前にはお腹が…笑
ただ身体への負担を考えると理にかなっています!
こういう汁物は手で食べるのは苦労します笑
基本的にパン系のものに染み込ませるか、すくうか。笑
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食堂の上は屋外ホールになっていて、TTCがある時はここもクラスで使われるそうです。
個人的にここの場所がお気に入りだったので、
夕陽を見に来たり、ボーっと考え事をしたり、
ヨガの練習や読書などもここでしていました。
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アシュラム生活は、ヨガを普段からしてる人もしてない人も自然の中で静かに自分と向き合ったり、色々な境遇をもった多国籍の人たちと関わったりする中で沢山の気づきや学びがありました。
ヨガはポーズをとること、というイメージが強いですが、もっともっと奥は深く、ヨガから学んだ生き方やマインドセットは今の自分の支えにもなっています。
是非15日で1クールなので、最低2週間はアシュラムに滞在することをオススメします!
ちなみにベストシーズンやTTCと被ると部屋が埋まるほど人気なので、事前に早めにHPから予約しましょう!
HPはこちら💁🏻♀️
◆アクセス方法
最寄りの空港は「トリバンドラム国際空港」で、
そこからタクシーで直接アシュラムに来ることも可能ですがかなり割高です。
ローカルの雰囲気も楽しみながら、価格を抑えたい!という方は…
空港→トリバンドラムバスターミナル(トゥクトゥク)
※空港の敷地から徒歩で外に出て捕まえましょう
バスターミナル→Kattakkada行きのバスにのる
Kattakkadaバスターミナルで降り、同じターミナルでKallikkad行きかNeyyar Dam行き(少ない)のバスに乗り換え、シヴァナンダアシュラムといえば、近くのバス停で降ろしてくれます。
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最寄りバス停から、アシュラムまでは坂道を20分ほど歩かなければいけません。荷物が多い場合は、トゥクトゥクもいるので利用しても良いかもしれません。
ローカルな行き方でアシュラムまで行くのは大変ですが、街の雰囲気を楽しめるのでお勧めです。
また次回、このアシュラム滞在中に急遽決めた、インドの伝統医学アーユルヴェーダの体験記も書こうと思うのでお楽しみに!