ささくれ
ささくれができるといつも母に言われていた言葉がある
「親不孝な悪い子はささくれができるんだよ」
それを聞くたびに
あの時わがままを言ったことか
あの時自分が意地を張ったことか
と思いを巡らせ、自分を責めた
”悪い子なんだ”
”私がいい子じゃないからできるんだ”
ささくれができると不安になった
少し大きくなると、母に見つからぬうちに爪切りで切ろうとした
それでも見つかるとまたあの言葉を言われる
「あんたは親不孝だから」
ささくれが親不孝と結びついたのは痛くて炊事が手伝えないからとか
不摂生をしていると出来やすいからなど諸説あるが
親不孝の証となるかは確かではない
ささくれを見ると
いまだに心がざわめく
親不孝の証を突きつけられたような気がして
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