
アーサナは脳トレ
今日も養成講座の講義の日。
今日の講義は、シークエンスについての講義でした。
これ、というように決まりがない自由なものではありますが、私の講座では解剖学的に根拠を持って身体を機能的に安全に使っていくためのものについてお話ししていきます。
その講義の中で思ったことについて描いていきます。
そのシークエンスの目的は何?
どんなことでも大切なのはその目的。
なんでそれをやるのか?
なんのためにそれをやるのか?
なぜそれが必要なのか?
シークエンスというのは一つのクラスという時間の枠の中に設けられた、ルールのようなもの。
インストラクターが定めたある目的に向かって、全て意図を持って積み上げられていきます。
「全てに意図を持って」
まさにその言葉の通りです。
動きを規定するのかしないのか。
規定するなら、何を規定して何をしないのか。
どう腕を上げるか。目線はどこに置くか。手のつき方。足先の向き。呼吸のタイミング。脊柱を動かすのか。動かさないのか。インストラクションで使う言葉のチョイス…
その全てに意図がある。
そんなクラスはただ委ねるということに集中するだけで、終わった後とても満たされる。
そんなシークエンスを構成するために大切なことは、目的が明確で、クラス全体を通して一貫してその目的が意図されていることです。
解剖学的にシークエンスを考察するために
私の場合は、そこに必ず解剖学的解釈をおりこみます。
シークエンスのあるクラスではアーサナ中心であることが多いので、やはりアーサナの解剖学的理解はとても重要になります。
その時必要な解剖学的理解とは、一つの形としてのアーサナの解剖学ではありません。
何が必要かわかりますか??
必要なのは、そのアーサナを安定してキープするためにどんな力が使われているか、ということです。
それは、見た目の形とは違う方向の力であることも往々にしてあることなんですよね。
そこを自分の実践を通して身体で理解できている必要はあります。
加えて、一つのアーサナの中で、キープしている時に使われている力って、一つではないですよね。
色々な方向への力を生体力学的に、床からの物理的な力なども使って「やり続けている」
そんな力全てを体感し意識していく必要があるわけです。
マルチタスクを一瞬で処理する
そう言われるとなんか結構大変そうですよね🤣
実際、難易度が高いと言われるアーサナほど、マルチタスクになっていきますね。
アーサナ自体は自分自身の身体や心の癖に「気づく」目的もありますので、そのマルチタスクを無意識でなく全て意識に上げて観察していくことも必要なポイントになります。
だからこそシークエンスでは、タスクがまだ少なめなアーサナからスタートし、少しずつ様々なタスクについて練習を重ねて、ピークのポーズに持っていく、ようなことを意図的に構築していくわけですね。
アーサナは脳トレだ!
そうやって、処理するタスクを一つ一つ増やしていって、マルチタスク全てに意識を分散しつつ、最終的に一つのアーサナとして統合する。
その分散と統合がシークエンスの中で完成されていくんですね〜🤔
人間の脳は基本的にはマルチタスクが苦手です。
どこかしらにフォーカスしておく方が得意。
そこをあえてマルチタスクを処理させることは、ホントに脳を活性化させます。
瞑想も脳の休息とも、脳トレともどちらとも言われることがありますが、それは抽象度のより低いアーサナでも同じことなんですね。
アーサナは脳トレであり、脳の休息。
あえてたくさんのタスクを脳に与えることにより、不安や恐怖など不要な感情からフォーカスを外し、それを解消していく。
しっかり脳トレをしていって苦悩を消していく。
そんなクラス、シークエンスを意図して作っていきましょう🤍